何の存在も、 其処に無い事で。
意味や、 意図や、 想いを。
其の場に創り出す事が、 可能だけれど。
間と言う空間に。
際立たせた想いを、 乗せる為には。
互いに、 芸が要るのだ。
其れ故に。
意図を乗せる技術の、 不足と、 意図を受け取る能力の、 欠如が。
重なり逢えば。
違和感と、 伝え切れて居ない想いの、 存在を。
場の空白は、 確実に記すのだ。
「帰りに寄ろうと思うんだけれど。」 「小坊主はそっちにいる?」
「うん、大丈夫。」 「特に出張も入って無いよ。」
滅多に鳴らぬ着信音と同時に、 告げられた、 君の来訪の予定に。
少し、 小躍りしながら。
電話を切る間際の、 間延びした、 無音が。
未だ踏み込めぬ、 言葉の存在を。
互いへ、 知らしめる。
---------- References May.30 2005, 「要らぬ隠し味だったでしょうか」 |