報われないと、 知りつつ。
叶わぬ想いと、 知りつつ。
何度も、 何度も。
侵入を試みる。
何時か、 其の想いが。
届くであろう事を、 願い、 信じて。
けれども。
何度と無く挑んだ、 其の壁は。
高くて、 厚くて。
挑んだ数だけ、 跳ね返されるのだ。
ほんの少しだけ、 手を伸ばせば。
其処に、 手が届くと言うのに。
「しつこい男だな!」
姫の、 罵声を浴びながら。
挑み続ける姿に。
「御前は良いなぁ。」
俺は、 羨望の眼差しを贈る。
しつこい男は、 嫌われる筈なのに。
「にゃぁ。」
此の猫は。
必ず最後は、 抱きしめて貰えるのだから。
---------- References Jun.06 2004, 「隠さぬ傷痕は想いの代わりですか」 May.13 2004, 「本音は何処に在るのでしょうか」 |