彩りを加える香が、 其の傍で、 穏やかに漂い続ける事が。
自身の、 日々の経過や。
或いは、 日々の成長に。
何れ程、 寄与するのか。
きっと、 見積もる事など、 不可能だろうけれど。
其の香を、 望んで、 傍に呼ぶのか。
其れとも、 香が在るから、 漂うのか。
両者には、 明確な違いが在る筈なのだ。
其れ故に。
飽く迄、 より傍に在るのが何方かと言う理由が、 其処に、 在るのなら。
其の香には、 普遍性も、 必然性も、 必要性も無い。
姫は。
猫よりも、 俺の方が大切と言うけれど。
飽く迄、 俺が、 同居人だからだろう?
「もし、此の場に猫が居たら?」
「ふふ、猫の方が大事。」
公言して憚らぬ姫の、 其の傍に。
飼い猫を、 置いてやれぬ俺では。
所詮は、 飽く迄の同居人だ。
---------- References May.13 2005, 「俺より想いが深い日なのですか」 |