確かに、 忘却は記憶の為の術で。
新たな風には、 忘却の存在が不可欠だけれど。
同時に。
確かに歩み、 蓄積して来た全ての想いを、 消し去る事を。
引き替えにして行くのだろうか。
時の経過が、 全てを解決する筈は無いけれど。
何時の間にか、 時は、 事の解決を済ませて居る。
自身に、 気付かれる事無く。
「五年経ったのか。」
五年振りに、 ツアーが組まれると。
目の前の画面は、 音声と共に歌を流すけれど。
大阪の、 玉子形の場所で。
彼の時。
隣のアイツのはしゃぎっ振りを、 確かに、 目の当たりにした筈なのに。
もう、 顔すら浮かばないのだ。
俺は、 何を視ながら生きて来たのか。
時々、 自信が無くなる。
きっと何時の日か。
全身全霊で視て居る今も、 消えて終うから。
---------- References Mar.20 2003, 「矛盾を武器にして良いですか」 |