雲間の朝日に想うこと


< 知らないのは俺だけでしょうか >


事実を伝える事が、
必ずしも正解では無くて。


必要の無い事実が、
胸の中に隠されたとて。

何ら、
問題は無いのだ。


隠匿行為こそが、
相手の、
想う心なのだから。





けれども。


其の秘密が、
融け出した時に、
相手が、
抱えるであろう不安感を。

残らず拭う責務も。


想いの内に、
必ず、
添えるべきでは無いのか。











偶然出会った、
姫と、
姫の友人が。

久方振りの会話を始めた。





 「旦那元気?」
 「うん、元気元気。」

 「身体の方は?」
 「ああ、大丈夫。」

 「彼、あんまり強い人じゃないからねぇ。」
 「そうね。」












元旦那と、
連絡を取る事は。

必要不可欠の行為だ。


けれども。


俺の存在を無視して。

姫の友人は、
姫へ、
旦那の話を放ったのだ。





現在形で。








其の友人は、
料亭の、
女将じゃないか。


雰囲気を察せぬ筈が無い人物の、
其の一言は。


一体、
何を意味するんだ?

















帰り道の、
俺の視線に。

姫が、
気付かない筈は無いのに。






何も言わないんだね。





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References
 Aug.31 2004, 「跳べない鳥だと言うのでしょうか」


2004年12月05日(日)


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History
2003年12月05日(金) 躊躇の理由を考えないのですか
2001年12月05日(水) 貴女を奪っても良いですか





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