突然、 目の前から消えようと。
何の前触れも無しに、 携帯が、 音声や文を受け取らなくなっても。
其れは、 何らかの意思表示か、 何らかの事情であって。
直接的に、 或いは間接的に、 自身へ関わる事であろうと。
全くの、 無関係であろうと。
自身の、 深く踏み込む所では無いけれど。
如何して?
其の理由や、 其の事情を、 想わぬ筈は無いから。
何時か、 其れを伝え残して欲しいと。
常に、 希って居るのだ。
飽く迄、 正常範囲の返事なのに。
妙な行儀の良さが、 何故か、 刺々しく認識される。
「そうですか?」
現実で目の当たりにした、 一時の再接近と。
同時に起きた、 行為や想いの擦れ違いが。
互いの、 何でも無い遣り取りに。
執拗に、 妙な違和感を挟み込む。
俺が、 過剰に意識して居るだけ。
何れだけ言い聞かせれば、 想いは、 休まってくれるのだろうか。
久しぶりに繋いだ、 其の先には。
赤色の人型の列に、 独り、 彼女の、 水色の人型が在るのに。
開いた窓へは、 一文字すら書けやしない。
---------- References Aug.10 2004, 「其の奥と脇が良いのでしょうか」 |