出掛けの喧噪。
毎朝繰り返される、 忙しない刻。
加えて。
共有の時間を、 手放せずに。
限界迄、 傍に寄り添うから。
余計に、 喧噪が増加する。
其れでも。
二人が、 寄り添いたいと願うなら、 構わないけれど。
姫の理由は、 其処に無いのだ。
「行かなきゃ。」
「もう五分待って。」
「もう行かなきゃ。」
「嫌だ、五分だけ。」
今朝も、 姫は駄々を捏ねる。
僅か数分で。
姫は、 戦闘態勢に入れるから。
貴重な、 もう五分は。
愛では無く、 所詮、 悪戯の口付けに、 費やされるだけなんだね。
---------- References May.17 2004, 「何の為の化粧ですか」 |