酒精と、 体温と。
風呂上がりの、 上気した身体を。
徐々に冷ましながら。
真横に寄り添う、 其の相手が。
一言呟いた。
「小坊主が居なくなったら。」 「何処に行くのかな?」
俺の膝の温かさに、 其の身体を埋め。
心地良さそうに、 眠る猫が。
呼んでも居ないのに、 尻尾を振る。
「何処に行くのかな?」
「姫の膝でしょ?」
俺が居なければ。
此の猫は、 俺の次に効率良く温もりを得られる、 姫の膝で。
心地良さそうに、 眠るに違いないけれど。
「姫の膝でしょ?」
「じゃぁ、私は。」 「小坊主と一緒じゃ無いって事?」
姫は。
其の風景を想いに乗せて、 其れを拒絶する。
「違うよ。」
此の猫が、 俺の膝の上を定位置にする様に。
今の、 俺の右隣の、 其の場所こそが。
姫の定位置でしょ?
---------- References May.23 2004, 「想いを託した本ですか」 May.04 2004, 「過ちは素直に認めませんか」 |