気を許せば、 少し肌寒さを感じる、 微風に。
其の身を委ね、 揺らされながら。
可愛らしく、 振る舞う其の姿。
「私を観て♪」
未だ可憐な其の姿に、 魅せられた。
「可愛くて。」 「綺麗だよ。」
想いの土壌が、 其処に在るからこそ。
其の言葉を、 真っ先に届けようと、 其の文が、 産まれた筈なのに。
帰宅直後。
張り合うかの様に、 負けず嫌いの顔が二つ並ぶ。
「私を観て♪」
「私を観て♪」
食卓に上がり。
目の前で甘えながら、 盛んに食欲を意思表示する、 猫と。
「桜と私」 「どっちが大事?」
文の着信直後に、 返信を寄越した上で。
更に今、 目の前に顔を近付け、 盛んに対抗心を露わにする、 姫と。
飯。 喰っても良いか? |