背中に爪痕を負う程度で、 願いが叶うなら。
想いの存在価値など、 糞喰らえ。
何時でも 何処でも、 何れ程経っても。
代償として、 身体を縛り付けるから。
其の日、 其の刻を。
丁寧に丁寧に、 想い、 紡げるんだ。
君の職と、 俺の職は。
然程離れて無い筈なのに。
「頼みがあるんだけれど。」
「何?」
「相談したいんだよね。」
本格的に、 仕事の話を振るのは。
初めてである事に、 気付いた。
ようやっと。
乾いた心が、 潤い始めたのか?
其の想いは勘違いであると、 瞬時に悟る。
「旅行に行ってたの。」
「どこに?」
「香川。」
「そっか。」
香川。
君に求婚した雄の住処。
今更と、 そう想い続ける事だから。
代償なんだよね。
---------- Background shela " sakura "
---------- References Feb.21 2004, 「其の料理を食べに行きませんか」 Aug.03 2003, 「其れは違うと言えないのでしょうか」 |