自身の夢と、 其の夢を破壊し兼ね無い、 相手の行為。
二度の堕胎を、 過去の相手に強いて、 猶も責任感の無い言葉を続ける相手に、 愛想を尽かし。
「子供ですよね。」 「最悪ですよね。」
酒精の勢いに身体を委ね、 愚痴を並べ。
旧知の友人の優しい言葉に、 誘われる様に。
遙か彼方に住まう友を、 訪ね、 抱かれ。
「やっぱり遠距離は無理です。」 「私には。」
酒精の勢いに逆らうかの様に、 冷静に言葉を選ぶ。
特急の車内で、 頬をほんのり赤らめて。
大っぴらには出来ぬ内容の話を、 お互いに交わした時間は。
案外楽しい時間帯だったけれど。
「小坊主さんがフリーだったら良かったのに。」
御嬢が。
小用に向かい席を立つ寸前に、 耳元で残した言葉は。
酔いに任せた、 何時もの冗談だろうか。
其れとも。
例え俺と御嬢がどんな選択をしても、 半年後は遠距離になると、 認識した上で。
口にした本音か。
---------- References Oct.13 2003, 「何番目の貝殻代わりですか」 |