無責任賛歌
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| 2003年08月16日(土) |
危険な予感/『空想科学大戦1』(柳田理科雄・筆吉純一郎) |
「盆が明けたら来て下さい」と眼科医に言われていたので、出かけたけれども、月曜からであった。日にちをハッキリ指定しておいてほしかったものだと思うが、出かけるの前にそのまま帰るのももったいなかったので、「五風」でカレーライスを食べる。
鴉丸嬢から、ホームページ用のイラストを一枚、しげが預かって来る。 早速、アップするけれども、色調の補正がどうもうまくいかない。あの色立てればあの色立たずで、原画の色になかなか近づかないのである。だいたい色弱の私にできる作業じゃないのだ(^_^;)。 結局一枚アップするだけで小1時間かかる。いつまで経ってもパソコンに馴れないことだ。
夜、上司から電話があって、突然、アキレス腱を切ったので、来週から仕事を休むとのこと。まあ私もしょっちゅうカラダ壊して休んでるんで、こういうときはぜひ力になって差し上げたいのであるが、するってえと例のアノちょっと困ったお方とお仕事する機会が増えるということでもあるのだ。あの、それはちょっとというか、凄くツライんですが(T∇T)。
マンガ、柳田理科雄原作・筆吉純一郎作画『空想科学大戦1』(メディアファクトリー/空想科学文庫・630円)。 某所では散々叩かれてる『空想科学』シリーズのマンガ版。そりゃ突っ込めばいくらでも突っ込めるけれど、そもそも他愛のないお遊びマンガだしなあ。もちろん、このマンガの描写の方が科学的に正しいと思いこむ人間が目の前にいれば「そりゃちゃうで」、とは言うだろうが、そもそもこの程度の科学考証が正しいと思いこむようなアタマの持ち主ならば、会話なんてしない方が無難である。 SFはかなりハードな作品でもどこかファンタジーな部分を持ってるものなんだから、そこに突っ込むのは野暮ってものなんである。 そもそもヒーローがマッハで空を飛ぶと死ぬとか、怪獣は自重で潰れるとかのツッコミは小学生のころにみんな散々やってきてるだろう。わざわざ本に書いたりマンガに描いたりするほどの知識じゃない。それが商売として成り立ってしまうくらいに世の中には「遊び」の要素がなくなっちゃってるのかと、そっちの方がよっぽど悲しいんだけどなあ。
2002年08月16日(金) ドリンクバーの果てに/『フラッシュ!奇面組』1巻(新沢基栄)/『永遠のグレイス』(川崎郷太・伊藤伸平)ほか 2001年08月16日(木) 代打日記 2000年08月16日(水) 橘外男&中川信夫ワンダーランド/映画『女吸血鬼』ほか
| 2003年08月15日(金) |
記念日って何の/DVD『レッド・ドラゴン』 |
終戦記念日ということで、新聞でもテレビでも式典関係のニュースがテンコ盛りだけれど、さて、こういうの見てる人って、どれくらいいるんだろうか。 ハッキリ言っちゃえば、もう戦争経験者で当時の記憶を鮮明に持ってる人って70歳以上だから、どうしたって大半の人は親身になって見ることなんてできはしないのである。視聴率が取れないのがわかってるから、制作者側も戦争関係の話については8/15に閉じこめといて、他の日はンなもん、忘れて暮らしましょって構図になってると思うがね。 何にせよ、上からの押しつけで反戦教育やったって、誰も聞きゃしねえ、ということが最近どんどん鮮明になりつつあるんじゃないかな。
14日午後4時(日本時間15日午前5時)すぎに、アメリカ北東部と、カナダ南東部にまたがる広範囲で大規模停電が発生。ニューヨークでは都市機能が完全にまひして、停電に関連して1人が死亡。 相当大きな惨事のようだが、テレビのニュースキャスターは以前のニューヨーク大停電のときに比べて市民は落ち付いているとレポート。いつまで停電が続くか分らず、市民がパニックに陥って乱暴狼藉を働いた前回に比べて、今回は「復旧が着実に進んでいること」「テロの危険性はない」ことを各市長が市民に知らせていたことが効を奏したのだろうとのこと。 ちゃんと「前回の経験」を生かしているわけで、日本人はこう手際よくはいかないんだろうなあと思うと残念である。これだから「過去に学ばない」とすぐ叩かれちゃうんだけどな。
こないだから、手をぶら下げてるだけで指先がジンジンするようになっているのだが、キーボードをしばらく叩いていると、痺れるだけでなく関節のあたりが痛くなってくる。関節炎か、それとも糖尿が進行してきているのか。
夕方から父のマンションで送り火。 「お母さん、また来いね」と父が声をかける間もなく火が消える。母も慌しいことだ。 そのあと父としげと食事に出る。「金龍」の横を通りかかったとき、「ここのラーメン屋はどげんや?」と聞かれたので、「とんこつだよ?」と答えたら「とんこつは好かん」と一刀両断。なんども書いてるが博多の人間がみんなとんこつラーメン好きだというのはただの偏見なのでご注意。 「大河すし」に案内するが、蕨餅まで流れてくる雑多さに、父はいささか閉口したようである。「まあまあかな」とこれも一蹴。実の父とは言え、舌の肥えた人間を案内するのはひと苦労だ。
DVD『レッド・ドラゴン』。 原作はレクター博士登場編で、かつて『刑事グラハム 凍りついた欲望(1986)』というタイトルで映画化されている(ビデオは『レッド・ドラゴン レクター博士の沈黙』という更にトホホな題に変更)。 原作はかつて小林信彦がクサしてたんで、たいしたことないかと思って読んでないんだが、どうやらレクター博士人気に押されて、原作者が書き直したらしい。今回の映画はその改訂版に基づいたものらしいので、厳密に言えば「二度目の映画化」というのは当たらないのかも知れない。どっちにしろ原作を両方とも読み比べないことにはハッキリしたことは言えんな。 冒頭の「レクター博士逮捕劇」(これは先の映画版にはない)、実はこれが映画の中で最も面白いシークエンスなのだけれど、残念なことに面白さもつまらなさも同時に凝縮されているんだなあ。 刑事ウィル・グレアム(エドワード・ノートン)がなぜハンニバル・レクター(アンソニー・ホプキンス)を逮捕できたか、ということなんだけれど、本当はこれだけで一本の作品を作らないと、観客はどうしても「薄味」の印象を持ってしまうことになる。でも、「探偵が実は犯人」ってトリックはミステリーではもう腐るほど書かれてきていて、よっぽどの妙手が書かない限り、面白いものにはならない。だからあっさりと終わらせるしかなかったってのはわかるんだけど、その結果として「物足りない」印象に終わっちゃったのはやっぱり失敗だと思う。 簡単に言えば、自分が犯人だって証拠を残しまくりのレクターが、ただのバカにしか見えないのよ。『羊たちの沈黙』の時にはクラリスという更に大バカなヤツがいたからレクターのバカも目立ちゃしなかったんだが、やっぱりああも簡単に逮捕されちゃねえ。バカがいなけりゃリコウは目立たぬと言うが、シャーロック・ホームズが天才に見えるためにはやはり「ぼくのボズウェル」ことワトソン博士が必要なのである。 その「犯人がバカ」ってのは「噛みつき魔=トゥース・フェアリー(Tooth Fairy)」フランシス・ダラハイド(レイフ・ファインズ)にしても同じなので、幼少期のトラウマが犯罪の遠因になってるとか、サイコ・サスペンスの定番な設定をああも工夫もなく提出されると、見てるこっちは気恥ずかしくすらなってくるのである。だってねえ、ダラハイド、自分の力強さを見せつけるために新聞記者フレディ・ラウンズ(フィリップ・シーモア・ホフマン)に背中のレッド・ドラゴンの刺青見せるんだよ。アンタこれ、『ねらわれた学園』の峰岸徹の「私は宇宙だ!」と変わらんがな(^_^;)。 犯罪者ってのが何らかの形で自我肥大を起こしてるってのはわかるけど、それを抑制する知性がなかったら、探偵と犯人の理知の闘いのサスペンスは生まれないんだよね。 あと、ヒロインのリーバ・マクレーン(エミリー・ワトソン)も、いかにもダラハイドに騙されそうなマヌケっぷりを披露しているのも興醒め。ちったあ疑えよって。
2002年08月15日(木) 母の呼ぶ声/『フルーツバスケット』5〜9巻(高屋奈月)/『神罰』(田中圭一) 2001年08月15日(水) 代打日記 2000年08月15日(火) 盆休みも終わり……なのに毎日暑いな/映画『シャンハイ・ヌーン』ほか
| 2003年08月14日(木) |
やっぱり長く書けません。/映画『SF巨大生物の島』/DVD『天才マックスの世界』 |
朝、今日会う予定だった友人より電話があって、都合で会えなくなったとのこと。予定が空いてしまったので、溜まってる日記をつけることにする。 更新が遅れているので、書きたいことは多々あれどかなり省略。それでも原稿用紙にして10枚以上軽くかかってしまう日もある。結局二、三日分しか書けず。指がちょっと痛くなる。
夕方、NHK‐BSでハリーハウゼンのダイナメーションシリーズ、映画『SF巨大生物の島』。これも随分昔にテレビで見たっきり。 ジュール・ヴェルヌ原作の『神秘の島』が原作だが、同じ原作をもとにしたアニメ『不思議の海のナディア』とは似ても似つかぬ。『島編』で舞台が海岸線になってたことくらいか。 ネモ艦長を演じているのがハーバート・“ドレフュス署長”・ロムなんだけれど、なんでインド人じゃないのか。多分脚本家も原作よく読んでなかったんじゃなかろうか。 昔見たとき、「カニをわざわざ人形アニメにしてどうする」と思ったものだが、ホンモノのカニは思い通りには動いてくれないだろうからなあ。ハリーハウゼンの中でも珍品な方か。
DVD『天才マックスの世界』。 ビル・マーレイのフィルモグラフィーに長いこと“Rushmore”と原タイトルだけ載ってたんで、てっきり例の「ラシュモア山(あのワシントン、ジェファーソン、リンカーン、セオドア・ルーズベルトの顔が彫られてる山ね)」に関する話かと思ってたら、「ラシュモア」って、この映画の舞台になってる名門私立高校の名前だった。 中学校のころに書いた戯曲の天才的な出来映えに感嘆したラシュモア高の校長の推薦で入学したマックス・フィッシャー(ジェイソン・シュワルツマン)。ところが、マジメな勉強よりも課外授業の方に熱心な彼は今や落第寸前。ところがそんな切羽詰まった状況だというのに、ラテン語のクロス先生(オリビア・ウィリアムズ)に恋をしてしまい……。 オープニング、黒板の難しい数式をスラスラと解く夢を見ていたマックスが目を覚まし、校長から「史上最悪の生徒だ」と毒づかれ、学校新聞の発行、フェンシングチームの主将、演劇部の演出家、養蜂部の部長まで、18の部活を掛け持ちする様子が描かれるあたりまでは、こりゃどんなに面白い展開になることかと期待させるのだが、マックスが恋にのめり込んで行くと、話がどんどん辛気臭くなってしまうのである。 恋には必ず難関が立ちふさがるもので、マックス君のライバルは鉄鋼会社の社長、ブルーム(ビル・マーレイ)なんだけれど、彼を陥れるために不倫を奥さんにバラすなんて卑怯なマネ、「天才マックス」のやるこっちゃない。なんか一つ一つのエピソードのあと味が悪いんだよなあ。結局ラシュモア校も放校になっちゃうし。 全体的に悪い出来とまでは言えないんだけど、もっと面白くできなかったものかという物足りなさを感じてしまうのだ。。 マックスを慕い、後半心の支えとなる女学生、マーガレット・ヤン役のサラ・タナカ、これが吉本ばななを美人にしたような(微妙な言い方だな)メガネっ娘でかわいい。
2002年08月14日(水) 魔性の女/DVD『プカドン交響楽』/『藤子不二雄論』(米沢嘉博)ほか 2001年08月14日(火) 代打日記 2000年08月14日(月) せっかくいい気分だったのに……/映画『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』ほか
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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