無責任賛歌
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| 2003年06月23日(月) |
暗い話二題/『鉄腕バーディー』1巻(ゆうきまさみ)/『金色のガッシュ!!』11巻(雷句誠) |
朝起きたら、右目の前がどうもモヤモヤする。 よく見ると、黒い、糸のようなものがぶら下がっているのである。ゴミでもついてるのかと右目の前に手をかざしてみるが、指先に引っかかるものは何もない。 ああ、アレだ、明るいところで空なんかを見ると、糸クズみたいなのが見えるやつ。「飛蚊症(ひぶんしょう)」と呼ばれてるが、これはよく見える人と見えない人がいるらしい。私の場合、子供の頃からこれがやたら多かった。カエルの卵みたいに、ブツブツと点と線の続いた糸クズが、視界一面、雪になって降りしきる。見ようによっては美しいと見えなくもないが、鬱陶しく感じることも多かった。 これは、眼球の中の硝子体に生じている“濁り”の影が網膜に映り、眼球の動きとともに揺れ動いて見えるものである。この“濁り”はほとんどの場合、生理的な原因によるもので、普通、心配は要らない。母体内で胎児の眼球がつくられる最中には存在していた血管が、生まれたのちも硝子体に残存すると、これが“濁り”となって飛蚊症の症状を生み出す。恐らく、これまでのちらつきは全てこれだったのだと思う。 けれど、糖尿病や高血圧、外傷などの原因で眼底出血が起こり、その血液が硝子体に入って飛蚊症の症状を呈することもあるのだ。 今度の糸クズは、右目の上に引っかかったまま、ぶらぶら揺れて視界から消えることがない。今まで、こんなヘンな見え方をした“濁り”はなかった。やはり以前の健康診断で見られた出血はあったのではないか。面倒臭いが、また眼科に行かねばならないかもしれない。 糸クズはずっと揺れ続けている。その先端は、よく見ると、輪になっている。そしてその輪のところどころに黒い、血がたまりのような点が見える。まるで人を縊り殺した直後の絞首台の吊り紐のようだ。随分丈夫な紐で、いつまで経っても、どんなに揺れても千切れないのである。やだなあ。
ときおりこの日記に書いてきた職場でのトラブル、ちょっとシャレにならない状況になってきた。 上司と、同僚の女性との関係が険悪になっていて、板ばさみにあっていることを書いたが、その女性の心のコワレ具合がだんだん激しくなってきたのだ。 今日、上司がパソコンからあるデータを取り出そうとして、そのデータを管理している彼女にその旨を伝えた。彼女は露骨にそれを拒否した。 「今、忙しくてできません。ご自分でマニュアルを見てやってください」 困惑した上司が、私のところにやってきて、「藤原さん、あなたから、聞いてくれませんか」と頼んできたのだ。そんなこと言われたって、私だって困る。 「私が聞いてもして下さるかどうか分かりませんが」 「けれど、私では無視されてしまいますから」 ちょっと待てや(-_-;)。問題はまさにそこにあるので、“もしも彼女が私には親切にしたら”、上司と彼女の関係、ますます溝が深まっちゃうではないの。で、その原因を私に作らせようってのかい。 でも、断れないから、おずおずと、彼女のところに行って聞くのである。 「あの、すみません、コレコレナニナニのデータについてなんですけど……」 「あ、出し方ですか? こうすればいいんですよ」 そんなん簡単に教えるなああああ! もちろん出したデータは、上司のところに持って行きましたよ。すげえ緊張したけど。 上司も心の広い人なので、怒りはしなかった。怒りはしなかったが、苦笑して、「出してくれたの、あの人」と言って、データを受け取って、あとは何も言わなかった。こういう人を彼女はどうしてあそこまで憎むことになったのか。全くわからない。わからないけれど、人と人とのすれ違いなんて、こんなものなのだろう。……って達観なんてしてられねーんだよう(T∇T)。 この話、読んでる方もハラハラするばかりで面白くないとは思うのだが、私の今後の身の振り方に密接に関係してくる可能性が大なので、書かずにごまかすわけにはいかない。 なぜ、彼女が私だけを信頼するのか、まずその理由自体、よくわからない。思いこみが激しく、記憶障害はしょっちゅう起こし、こちらの言ったことをやたら脳内変換しているらしいので、私の何気ない言葉を勝手に「極度に美化」した可能性もあるが、私自身、どんな言葉がきっかけになったのかサッパリ見当がつかないのだから、どうにも対処のしようがない。 今は私を信頼し、上司を「いつか刺すかもしれない」とまで口走っているが、その矛先が私に向かないとも限らないのだ。なんでそんな心配しながら仕事をせにゃならんのだ。私ゃ、こんなスリルとサスペンスな職場で働きたいわけではないぞ。 あああ、ホントにシャレにならん。どうすりゃいいのかタコのフンドシ(T∇T)。 気が晴れないので、帰宅途中につい博多駅の紀伊國屋&メトロ書店で、本を買って散財。まる一週間くらい、部屋に引きこもってただひたすら本だけ読んでたい気分である。
しげが仕事から早めに返ってきたので、一緒にDVD『ウォレスとグルミットのおすすめ生活』を見る。 7年ぶりの新作、という触れ込みだが、2分程度の短編のシリーズを10本集めたもの。まあこれまでのエッセンスはあるが、見応えはもう一つ、というところか。欽ちゃんの声アテも私は好きじゃない。辻村真人さんのバージョン、NHKはもう一度放送してほしいよ。あっちは正確に「グローミット」と発音してたしな。 見てる途中で、いつのまにか寝る。
マンガ、ゆうきまさみ『鉄腕バーディー』1巻(小学館/ヤングサンデーコミクス・530円)。 ゆうきまさみの最高傑作になるはずであった(^o^)未完の傑作を、一から仕切り直し。 宇宙のテロリスト、クリステラ・レビの一味・ギーガーを追って地球にやってきた、宇宙連邦警察の捜査官、ウルト……もとい、バーディー・シフォン・アルティラ。別名「狂戦士(バーサーカー)殺しのバーディー」。 しかし彼女は、廃墟マニアの少年、千川つとむをギーガーと見誤って殺してしまう。つとむの命を救うために、二人は一つの体を共有することになったが……。 って、ストーリーは先刻ご承知の方が多いでしょうね。前作とストーリーラインは同じでも、細かい設定の付加があって、それがドラマに厚みをもたらしている。でもつとむが「廃墟マニア」になってたのには驚いちゃったな。結構マイナス志向が強くてバーディーとの信頼関係もなかなか作れないつとむなのだけれど(全然色っぽい展開にならないんだよなあ、せっかく青年誌に移ったのに)、そういう根の暗さっつーかオタクっぽさっつーか、それを象徴するものとして随分「旬」なものを持ってきたなあ、という印象である。旬なのか、ホントに。 このあたりは、『パトレイバー』で各キャラクターの描き分けをしてきた経験がモノを言ってるように思う。キャラクターこそがドラマを作る基本だってこと、当たり前のことだけどなかなかできないマンガ家さんも多い。ゆうきさんも初期の作品は類型的過ぎるキャラが多くて、面白味も深みもなかったものなあ。それを考えると、ゆうきさんの作劇手法、ちゃんと進歩してるのである。 でも、できればこれからはもっとセクシーな展開を望むね(^o^)。 バーディーの眼、猫の眼のように瞳が細くなったり丸くなったりしてるんだけど、前作からそうだったかなあ? 巻末のおまけまんが、ゆうきさんがHPで「今回は鉛筆描きしみじみ3ページまんがもおまけについてます。自分で言うのもナンですがしみじみしますよ」と仰ってる通り、こういうバーディーはすごく好きだ。めがねっ娘はやっぱ、どこかださくないとね。趣味走り過ぎかな。
マンガ、雷句誠『金色のガッシュ!!』11巻(小学館/サンデーコミックス・410円)。 しげが「『ガッシュ』はギャグの部分しか面白くない」と言ってたが、確かにギャグの部分はとことんバカバカしくていいわ。そのあたりは読者も分かってると見えて、今回行われたキャラクター人気投票、ウマゴンやキャンチョメ、フォルゴレあたりが結構上位に食い込んでいる。つーか、「バルカン300(空き箱と割り箸で作ったおもちゃ)」が7位だぜ。キャラじゃないじゃん……。 新登場のナゾナゾ博士とキッド、パティもいい味出してくれてる。マジョスティック12って、なんだよこれ(^_^;)。いや、どこがどう面白いかってのはトテモ言葉じゃ説明できないんで、まあ、立ち読みでもしてみて下さい。
2002年06月23日(日) ふつーの休日/『狼には気をつけて』4巻(遠藤淑子)/『民俗学者 八雲樹』2巻(金成陽三郎・山口譲司)ほか 2001年06月23日(土) 愛のバカクサ物語/『フロン』(岡田斗司夫)/DVD『ウルトラQ』1巻ほか
| 2003年06月22日(日) |
寂しいニュースばかり/映画『シベリア超特急2』『シベリア超特急3』 |
花紀京さんが、5月20日、自宅で入浴中に倒れて、救急車で病院に運ばれていたことが昨日になって判明。 低酸素脳症と診断され、現在は「生命に別条はないが、意識が回復していない状態」だという。 でも、5月20日から意識不明って……1ヶ月じゃん。昨日になってようやく発表っての、もう「回復の見込みがない」って判断したからじゃないのか。まだ66歳だぞ。関東より向こうの人間にはまるで理解できまいが、花紀さんは東京で言えば森繁久彌や三木のり平や益田喜頓やフランキー堺や渥美清に勝るとも劣らないほどの芸人なんだぞ。吉本新喜劇が若手中心になってつまらなくなって、もう舞台中継なんかでたまにしか姿を見られなくなっていたけれど、老けこむには早いと思っていたのに。 もっとも、「低酸素脳症」をネットで検索かけてみると、意識不明後1年して回復した例もないわけではない。奇跡を望む。
庵野秀明監督の新作、実写版『キューティーハニー』だってねえ。 しかも主演はサトエリだってさ。 もう、「何をやってもいい」と開き直ってないかな、庵野さん。それともあえて自分を貶める「修業」のつもりなのか、はたまた「もう『エヴァ』以上のものは作れない」というあがきなのか、あるいはアニメオタクの毛嫌いしそうなものをワザと作ってやろうという意地悪なのか。 案外、「本当は『マジンガーZ』を実写化したいけど予算的にムリだから、とりあえず『ハニー』を」、ってなところが正解かもしれない。 いやまあ、出来たら見に行くけどね。永井豪ファンとしては。 けど、サトエリの七変化って全然そそられるものがないなあ。かと言って、他にハニーにふさわしい巨乳って思いつかないしなあ。MEGUMIでも小池栄子でも、なんかケバいだけだしなあ。
山本弘さんとこの掲示板、例の文化庁の国語調査についての話題で盛りあがっているが、ともかく国語能力の低さを本人たちが露呈しているようなテイタラクに陥っている。 これは誤用だ、いや、誤用ではない、私はこう思う、それはただの思い込みだ、と、「辞書引いてから発言しろよ」と言いたくなるような浅薄な意見が続出している。中には間違いが誰の注意も受けずに放置されてるものもあるが、もう、あそこの連中に何か言っても詮無いだけだと思っているので、書きこむつもりはない。
朝はいつもの『鉄腕アトム』、チャンネルを設定し損ねて、最初の2、3分、でじこが映っている。あんな「にょにょ」言ってるバカキャラなんぞ見たくもないわ。 えいくそ、またアニマックスで録りなおさねば。
昼はのんびり日記書き、そのあとちょいと昼寝して、夕方、練習から帰ってきたしげと「焼肉のさかい」へ。 「つけ焼きハラミ」という新製品が出ていたので、それを注文。タレをつけて焼いたあと、生卵にもう1度つけて食べるのである。……ってつまりすき焼きじゃん。まあ、美味しかったからいいけど。 積文館で、買い忘れてた本を何冊か物色して帰宅。
しげと一緒にDVDに録画しておいた『シベリア超特急2』『シベリア超特急3』を見る。 1作目のトリックにもなってないミステリモドキよりは随分骨格がしっかりしてきているが、やはり「あの作品とあの作品からパクッてるなあ」というのは、ミステリファンには一目瞭然であろう。もっとも、どんなにすばらしいシナリオを脚本家が書いたところで、演じるのが水野晴郎のドシロウト以下の演技の前では、紙吹雪のように舞い散ってしまうだろうが。 いや、一応あれでもミステリなので、トリックとかは明かしません。悪しからず。
2002年06月22日(土) 発熱は冷やしてあげなきゃいけないもんでしょ/『楽勝!ハイパードール』vol.1(伊藤伸平)ほか 2001年06月22日(金) 冷蔵庫は8年で買いかえるものだそうな(電器屋談)/『ななか6/17』1巻(八神健)ほか
| 2003年06月21日(土) |
こんにちは/映画『チャーリーズ・エンジェル フルスロットル』/『あひるの王子さま』6巻(森永あい)/『ななか6/17』12巻(八神健) |
しげ、昨日の喧嘩など全くなかったような顔でサバサバと起きだしてくる。 「出て行く」「もう離婚やね」と自分からやたら言い出すくせに、「じゃあ離婚届取ってこいよ」と言うと、「何でアンタが幸せになるために私が努力してやらないかんと?」と言い返すのである。 っつーことは、オマエは私と一緒にいて私を不幸にしているという自覚があって、それでもなお私にしっかりしがみつくつもりだってことなんだな? ……それって、「悪魔」じゃん(-_-;)。
休日で昨日の疲れを癒す……のは明日にして、今日はお出かけ。 もっともしげはいつもの練習だが、私は買いものと映画である。 休みでも最近はなかなか一緒に行動できなくなってるなあ。 博多駅の紀伊國屋で買い忘れの本やDVDを買ったあと、久しぶりにゲーセンでちょっと遊ぶ。と言っても私ゃUFOキャッチャーしかしないのだが。トロのぬいぐるみを首尾よくゲット。 昼飯はマクドナルドで豆腐バーガーにチキンナゲット。ここで買ったばかりの鳥山明『ドラゴンボール 完全版』13・14巻を読み切る。とうとうサイヤ人編(アニメだと『Z編』だね)に突入だが、連載当時は「もう終わろうよ、いい加減で」って気持ちだったな。「亀仙人がもちっとだけ続くんじゃ」と言ってたわりに、これまでの分量分軽くかかってたなあ。「ドラゴンボール」が使えるのもあと一回のはずだったのに……。
バスに乗って、ワーナーマイカル福岡東まで。考えてみたらバスでそこまで行くのは初めてだ。バス停の見当がつかないので(駅の地図で「福岡東サティ前」というのを見つけたのだが、掲示板を見てもそのバス停が身つからなかった)、ともかく別府まで行く。そこから歩いて15分もかかった。 映画は2時から『チャーリーズ・エンジェル フルスロットル』(原題:CHARLIE'S ANGELS:FULL THROTTLE)。 今日の先行上映にわざわざ出かけたのは、「パーフェクトガイド」というパンフレットがタダでもらえるという特典が付くから。実質的な千円興行だね。こういうサービスをしてくれるってのはありがたい。 しかも、福岡東、相変わらず客入ってないから、上映10分前でもゆっくり座れる。見たとこ100人弱くらい? 前の方なんかガラ隙である。キャナルシティなんか、今日は三館上映やるそうだけど、それでも押すな押すなになるんだろうなあ。
昔のテレビシリーズがグレードアップで映画化、ということになると、かつてのオールドファンからたいてい「昔のとイメージが違いすぎる!」と文句が出るものだけれど(私も『スパイ大作戦』が『ミッション・インポッシブル』になったとき、あのオチはないよなあ、と思った)、なぜかこの『チャリエン』シリーズはあまり不満の声、聞かれないね。昔のイメージ、これだけ破壊しまくってる映画もないって思うんだけど(^_^;)。MTV出身のマックジー監督の映像センスがいい意味で発揮されてるのだ。初期のバカ映画撮りまくってた頃の大林宣彦を彷彿とさせるような、とたとえたら怒る人もいるかな(^o^)。 チャーリーが昔と同じくジョン・フォーサイスだってのもポイント高いけど、「リメイク」ではなく「続編」として制作したのが勝因だろうね。かつてのエンジェルたちのイメージはそのままに取っておいて、今の若い子をチャーリーが雇ったら、まあ、こいつらみたいなイカレたやつらでもおかしかないか、と納得はできるし。いつも通りオープニングで三人の過去や活躍ぶりを紹介するのだけれど、相当ヘンだよ、三人とも(^_^;)。 いやもう、前作のトンデモないバカ映画ぶりは、あの中野貴雄氏をして「この映画を見るために生まれてきた」(「映画の歴史は『チャリエン』を生むためにあった」だったっけ?)と言わしめたほどの出来であったが、もちろん私はこーゆーのは大好きである。誰も認識しちゃいないが、推理の部分も(ミステリなんだよ、これ一応)案外キッチリしてるんである(テレビシリーズよりも今のアッパラパーに見える彼女たちのほうが知性的には上だったりするのだ)。だいたい、女の子が3人いればそのうち一人はボケ役に回るものだけれど、みんな頭いいんだものなあ。元ヤンキーのディランまで知性派ってのはどういうわけだ(^_^;)。
今回のエンジェルたちのファースト・アサインメントは、モンゴル奥地に拉致された米警察機構の要人、カーター(ロバート・パトリック)の救出。 任務自体は成功したものの、カーターが持っていた対組織犯罪の最重要証人のリストを隠した「指輪」は敵に奪われたままだった。 そして、そのリストに載っていた証人が次々に狙われる事件が起こる。しかもそのリストの中にはディランの名前も含まれていた。彼女はかつてアイリッシュマフィア「オグレディファミリー」の殺人現場を目撃していたのだ。かつての恋人、シーマス・オグレディ(ジャスティン・セロウ)に命を狙われることになったディラン。ナタリーとアレックスに被害が及んではと、彼女は一人姿を隠した。 その間、事件の黒幕を追っていた残る二人は、カーターに目を付ける。ところが、彼はあっさり殺されてしまった。そしてその殺害犯人、真の黒幕は……。
ミステリの定石としてはこれから先は秘匿しておくのが筋なんだけど、もうCMでもなんでもバラしてるから、問題はないね。 今回の敵は、かつてチャーリーの元で働いてた「最強のエンジェル」、マディソン・リー(デミ・ムーア)なんだね。しかも、彼女の最初の殺しの相手がカメオ出演の元夫ブルース・ウィリス。でもって、ウィリスの過去のテレビ出演作『こちらブルー・ムーン探偵社』の彼の相方の役名が「マディ」だったことを思い出すと、このお遊びがずいぶん凝ってるものだってことがわかる仕組みだ。当初、ムーアの役名は「ヘイロー」になる予定だったから、これは確信犯的な変更だろう。 そのムーアは、5000万円近くもかけて自らのカラダをアクション用に改造したとか。確かに胸も以前に比べて小さくなってるし、あまり揺れない。黒柳大徹子か(←安永航一郎のギャグです。念のため)。何をどう改造すればそこまでかかるのかねえ。170億も製作費がかかるわけだな(^_^;)。 楽屋オチで言えば、今回、3人のうちナタリーにもアレックスにも恋人がいるのに、ディランだけは一人身に戻っている。前作のチャドちゃんがいなくなってるのである。これは私生活でもドリュー・バリモアと付き合ってたチャド役のトム・グリーンと別れたのを、そのまんま映画にも持ちこんでるのだな。セルフパロディっていうか、実生活反映映画(^o^)。でもって、かつての殺し屋には狙われるわ、前作で変態ぶりを見せつけてた「痩せ男」(クリスピン・グローバー)には言い寄られるわ(前作の爆発でよく死んでなかったなあ)、3人の中での汚れ役は前作同様、ドリューが一手に引き受けようって感じ。これはプロデューサーでもあるドリューの二人に対する敬意だろう。 前回も自分の過去の出演作、『E.T.』や『ウェディング・シンガー』をパロってましたが、今回はBGMに『炎の少女チャーリー』が流れます。そんなとこにまで気がつくなんて、私ゃドリューのファンなのか(^_^;)。いや、3人とも全然私の好みじゃないんだけど。 ディランの本名も今回初めて判明。「ヘレン・ズアス」ってのがそうなんだけれど、続けて発音すると、「へレンズ・アス」、つまり「ヘレンのお尻」って意味になる(字幕では「ヘレン・ノケツ」になってた。ムリがあるなあ)。でそこから延々、「ケツ」の駄洒落が続く(「出身は“アス”トラリア?」とか)という下品な展開(^_^;)。こういうベタなギャグがある意味では映画版『チャリエン』の真骨頂なのだけれど、そういうのが嫌いな人にはこのシリーズ、いまいち楽しめないかも。もちろんここまで開き直ってシモネタ百連発って感じでやってくれれば、私は大好きです。 アレックス役、ルーシー・リューの父親役、ジョン・クリースもシモネタ担当(なんでイギリス人のクリースの娘が中国系なんだってことだけど、ちゃんと映画中に中国人のお母さんと映った写真が出てきます)。娘のアレックスを「イタチちゃん」と呼ぶくらい溺愛してるのだけれど、彼女の恋人、ジェイソン(マット・ルブラン)から「実は彼女はヘルス嬢だ」(そうジェイソンも思いこんでいるのである)と言われて、アレックスの一言一言に勘違いかまして呆然となる。まあ、「チャーリーのこと、黙っててごめんなさい、きっと心配すると思って……、でも今、私この仕事がとっても楽しいの! 今日も50人の男を相手にして、イカしちゃったのよ!」なんて娘に言われりゃねえ(^o^)。前作のギャグ担当はビル・マーレーが主に受け持ってたけど、今回はクリースがいい味出してます。 前回ボスレー役のビル・マーレーは今回は写真のみの出演(前作でスタッフにワガママ言いまくるルーシー・リューとソリが合わなかったらしい。リュー本人は否定してるけど)。代わってのボスレーはバーニー・マックが演じている。でも、同じ役ではなくて、マーレーの弟という設定。でもマックは黒人なんだけど(^_^;)。これも本作で明かされる秘密だけど、ボスレーおの母さん、子育てが趣味で、人種に関わりなくどんどん養子を取ってるのである。だもんで、今回も15歳の若いボスレーが誕生。こうやってボスレーはどんどん増殖していくのである(^o^)。……ってことは、テレビシリーズの初代ボスレーの故デビッド・ドイルも養子なのかな。それとも、あの黒人のお母さんが奥さん? ともかく、そういったお遊びはあちこちに満載。とても全部は追いきれないし、よくわかんないものもある。初代エンジェルのジャクリーン・スミスの出演シーンなんか、私は息を飲んじゃったんだけど、お客さんはよくわからずに見てた感じだったしなあ(前作でも出演依頼があったけど、もうトシ取ってたので辞退したらしい。そのせいか今回、紗をかけまくり(^_^;))。 全体的に客席の反応は鈍い。アクションには見入ってるけど、お話(というほどたいしたことないけどね。マディソンの犯罪動機が「スピーカーに使われるのがイヤになった」って、おまえはコドモかい)やギャグには興味ないって雰囲気。こういうバカバカしいお話を余裕で見られる感覚に欠けてる人間が多いってのが困りものなんだよねえ。まあ、確かに喫茶店なんかでこの手の話をしてると周囲から白い目で見られちゃうけど(^_^;)。 一つだけ文句つけるなら、タイトル。テレビシリーズから気になってたけど、どうして複数じゃないのか、それがフシギ。 しまった、ナタリーのキャメロン・ディアスに全く触れてない。 えーと、前回も受けてた「パンツ」のギャグ、今回もあります。なんと彼女、男モノのブリーフはいてる(^_^;)。多分恋人のピート(ルーク・ウィルソン)のを拝借してるんだろうけど、女は恋人のなら平気でパンツ履けるのか(全然動揺してなかったから、間違えて履いたわけではないのは確か)。 しげは履くんだよな。しげとキャメロンの唯一の共通点であろう(^o^)。 でもってもう、何枚も私のパンツ履き潰してる(履いたあと洗濯に出さないで放置するのである)。だもんで私のパンツがどんどん減ってるのである。 「買って返せ」と言ったら、「私の代わりに履いていいよ?」だと。 誰が履けるかああああ!
映画が終わってしげに電話をかける。 どこかで待ち合わせをするかと考えていたのだが、ちょうど穂稀嬢を家まで送るついでなので、福岡東まで来るとのこと。 その間にサティの中の本屋で買い損ねてた『Newtype』などを買う。
ほどなく、しげの車がマイカル前に到着。 穂稀嬢、なんだか以前よりふくよかになっていらっしゃる。 ふと、ドアを開ける左手の指先を見ると、クスリ指に指輪が。 思わず「なに、穂稀さん、結婚したの? それとも男避け?」と聞いたら、「違いますよう。たまたま拾ったから、付けてんです」。 しげが驚いて「拾ったあ?」。 穂稀嬢、慌てて、 「あ、拾ったと言っても、自分の部屋でです」 と否定する。 「……つまりそれは、部屋でなくしてたのを見つけたってことで、もともと自分のものなんだね?(それならそう言えよ)」 ( )はもちろん心の声であるが、カッコ付けにしなくても、この程度のニュアンスは汲み取れるであろう。穂稀嬢以外の人間なら(^o^)。 「はい、そうです」 しげ、「よかったあ、ハカセ、ホントにどこかで拾ったものを指にはめてたのかと思った(おまえならそれくらいしかねん)」 「さすがにそこまではねえ」と私が言ったら、穂稀嬢、「まあ、『心頭を滅却すれば火もまた涼し』と言うじゃないですか」。 ……たとえの意味が繋がってねえ(-_-;)。 「なんだそりゃ」と言ったら、穂稀嬢、「いえ、しげさんが暑そうだったから」。 人の話聞けよ、おまえは! まあやっぱり相変わらずの「ハカセ節」なのであった。
そのあと、しげと「びっくりドンキー」で食事。 5時近かったけれど、昼のランチをまだやってたので、注文。ハンバーグに野菜の掻揚げというちょっとミスマッチな組み合わせだけど意外に美味い。 その足で、ベスト電器、BOOK OFF、ブックセンターほんだを回る。今日のうちに買うもの買って、明日はゆっくりするつもりなのである。 ゲーセンで、猫のマグカップをゲット。こういうのなら、しげはあまり文句を言わないのである。 帰宅は七時過ぎ。しげはすぐに爆睡。 チャットでヨナさん、鍋屋さんと話す。鍋屋さんの「トンデモ本大賞」のレポート、もうすぐ上がるということで、楽しみである。 買ってきた本などを見ているうちに私も寝る。
マンガ、森永あい『あひるの王子さま』6巻(完結/角川書店/あすかコミックス・420円)。 結構ドロドロになりかけてたからどうなることやらと思ったけれど、オチが付くというより、「騒動はこれからも続く」パターンで終わりましたね。これもまた『李さん一家』チルドレン。もうこうなるとつげ義春はマンガ界の「空気」のようなものである。みんな吸ってるのに気付かない。 けど、ミスターと蘭姉さんの始末をああいう形で方付けるとはねえ。わはは、麗一とミスター、穴兄弟になりましたな(お下品)。
マンガ、八神健『ななか6/17』12巻(完結/秋田書店/少年チャンピオンコミックス・410円)。 完結ものが続くね。 でも実に、いい終わり方をしたよなあ。 ……ごめん、読みながら泣いた。だから、誰かが消えていくって話、基本的に駄目なんだよ、私(誰に謝っているのだ)。まあ「アルジャーノンじゃん」という批判はあろうが(^_^;)。 いや、これも稔二と七華、雨宮さんとの三角関係はそのまま継続、という形なんだけれど、明らかに稔二も七華も雨宮さんも「大人」になったからね。同じ世界観がこれからも、という終わり方とは違う。 七華のように多重人格にならなくても、人は大人になって行く過程で、自分の中のたくさんの「子供」を一つ一つしまいこんでいく。その「子供」の正体は、たいてい心の「傷」だから、ただしまいこむだけで忘れてしまおうとする。時としてそれは、忘れなければ生きていけないことでもあったりするから、仕方のない面もありはする。 けれど、本当は覚えていなければならない「傷」だってあるはずなのだ。そうでないと、人は「大人になったふり」をしてるだけで、ものが見えなくなってしまうから。もちろん、一番見えなくなっているのは「自分」なのである。
しげからはこういうマンガに感動してる私がバカに見えるらしいが、実際、バカなんだからなあ。だから私も「置き忘れてきたもの」がたくさんあるんだよ。で、それを取り戻せた七華がうらやましいのだよ。 それと、同じチャンピオンマンガのほのぼの路線括りで、「小山田いくを好きなヤツはこれだから」という言い方はちょっとやめてほしいな。あれとこれとは全然ベツモノだよう(T∇T)。八神さんは小山田さんみたく自分自身が作品世界に埋没してるんじゃなくて、も少し現実とちょうどいい感じで距離を取ってると思うよ。
2002年06月21日(金) やっぱりカネがあると肉/映画『ウォーターボーイズ』/映画『アイ・アム・サム』 2001年06月21日(木) つーきも、おぼーろに、しらーああうおの、/舞台『黙阿弥オペラ』(井上ひさし)
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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