無責任賛歌
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2006年02月05日(日) |
いかれぽんちの論議に参加したくはないが/『仮面ライダーカブト』第2話 |
『仮面ライダーカブト』第2話。 やっぱりフィルム撮影の質感はいいなあ、と思いながら、主役の演技がまたまたどへたくそに戻ってしまっていたので(だいたい『クウガ』以降の平成ライダーシリーズに我々の世代がハマレなかったのは、役者の演技がシロウトに毛が生えた程度の高校演劇レベルだったというのが大きい)、早いとこアクションシーンに行ってくれ、というのが正直なところ。 確かに「変身」は言うし、「ライダーキック」も言っちゃくれるんだが、無理にそうして元祖ライダーに合わせようとすると、かえって「違うところ」にばかり目が行ってしまうので、「ライダーキックは回し蹴りじゃない!」と叫びたくなってしまうのだ。脱皮の変身は『イナズマン』だし、「クロックアップ」って加速装置? 『ライダー』じゃなくて『サイボーグ009』じゃん、とかね。 いや、そんなのは瑣末的なことで、やっぱり主役が気に入らなくて、腹を立てているのだな。せめてあの「お婆ちゃんが」って脱力な台詞はやめてほしいよ。企画会議の段階で誰か「それって面白いの?」って、誰も言うやついなかったのかなあ。 いや、前作も1話目、2話目はイマイチに感じてたから、まだまだ即断はいたしません。
朝日新聞は取ってないので、これもネットからのニュース採取であるのだが、2月2日付けの社説で、例の三笠宮寛仁親王殿下の女系天皇反対論議について、「発言はもう控えては」と書いて物議を醸しているようだ。私自身は「歴史的伝統に鑑みても」男系天皇に固執して皇室典範改定に反対する連中には根拠がないと考えてはいるが、「発言控えろ」ってのは言論封殺であって、日頃「民主主義」を標榜する新聞が書いていいこっちゃない。あいつらの「民主主義」ってのは「俺の主張を聞け」というお山の大将のワガママでしかないのだ。三笠宮批判をするのならするで構わないが、「控えろ」というのは次元が違う問題だ。 私は朝日新聞に「少し黙れ」とは言わない。馬鹿と言うだけである。 朝日にしてみれば、自民党内でも女系天皇慎重論が出てきたもんで、それを牽制しようと論陣を張ったつもりなんだろうが、もはや朝日の社説に権威らしい権威もなくなりつつある今日、これはもう逆効果にしかならない。余計なことをしなくたって、改定は順調に進むはずだったろうに、これで小泉首相はかえって足を引っ張られた形になってしまったなあと思う。今後の状況は予断を許さなくなってきたと言うか、穿った見方をすれば、あえて小泉首相の足を引っ張るために朝日は女系天皇推進を明確に打ち出してきたとも言えるが、そこまでの知恵は十中八九あいつらにはあるまい。まるでキラを崇拝する出目川のようだ(例え方に突っ込みは入れないよーに)。
男系天皇に固執すること、万世一系の伝統を強調することが馬鹿馬鹿しいことは前にも書いた。天皇家はこれまでに何度も直系の子孫を絶やしては、傍系の子孫(と言いつつ、その血筋はいっかな定かではない馬の骨)を招いては、その後釜に据えている。それでも血筋は血筋だと強弁する人も、まさか仲哀天皇の息子が応神天皇であるというヨタを普通の感覚の人間に信じさせることはできないだろう(知らない人も若い人にはいっぱいいるから書いとくと、仲哀天皇が死んで、応神天皇が生まれるまで、記紀の記録を照合すると、一年以上離れているのだ。普通は「応神は仲哀の息子ではない」と判断するところだが、記紀はあくまで応神は仲哀の死以前に皇后である神功皇后の胎内にあり、その間、彼女は、応神天皇を産むまいと、石を抱いて踏ん張ってたそうである。……信じるか?)。 更に言えば、明治時代まで神功皇后は15代目の天皇として数えられていたのだが、それじゃあ天皇家が男系だと主張できないから、系譜から外されてしまっているのである。しかし彼女を天皇だと認めないと、応神天皇が即位するまで、69年間も皇位が空席だったってことになっちゃって、やっぱり「万世」が崩れちゃうんだけれどもね。 何度も書いてるけど、皇祖神は天照大神なんだから、天皇家はもともと女系なの。天照大神に夫がいたかい? それは神話だからと主張するのなら、万世一系だって穴だらけの神話なんだと言い返そう。
要するに、歴史や伝統と言ってる連中だって、歴史の真実にはかなりほっかむりをして目を逸らしているのである。実際、「なぜ男系天皇に拘るのか」、その根拠をちゃんと示せている意見は皆無に等しく、ただ「伝統だから」とその伝統の中身を検証もしていない意見ばかりだ。やつらは、「女系天皇を容認すると、民間人の血が皇室に入り込むことになる」「天皇が男性の姓を持つことになる」と憂慮するが、美智子皇后も雅子様も紀子様も民間人じゃないのか。皇室に入ると同時に姓を捨てたんじゃなかったのか。男だって、天皇家に婿入りしたら、姓を捨てればいいだけの話である。そんなことにも気が付かない馬鹿ばかりが「ダンケイダンケイ」と口幅ったく呼ばわっているのだから、これを馬鹿と呼ばずして何と呼ぼう。自分の頭で考える力のない連中は、まず「男系」ありきという反論を否定する基準に基づいて論を進めているから、自分たちの言ってることに矛盾が生じていることにも、根拠が薄弱であることにも気が付かないでいるのだ。やっぱり自分たちの主張を押し付けたいだけだって点では、朝日と何ら変わりがないのだね。 「こんなに性急にことを勧めなくても」という主張についても、それこそ「有識者」の間では、もう何十年も「女性・女系天皇を認めなければいけないのではないか」という議論が進められてきた事実を知らない妄言である。昭和天皇が側室を受け入れることを拒否したころから、この問題はずっと論議されてきているのだ。男系天皇派は、皇籍を離れて何代も経っていて、それこそ「民間」にあって何一つ帝王学を学んでない元皇族を呼んできて、そいつらに本当に伝統やらしきたりやらを守らせていけると本気で考えているのかね? 普通の民間人に比べて、「元皇族」というレッテルに甘い汁を吸わせてもらっている分だけ、余計に始末が悪いと言うか、強く天皇家の利権に引き寄せられる有象無象を産む状況を作るだけだと思うがねえ。
正直、男系派の馬鹿どもは、本当は天皇家が存続することを望んでいないのではないかという気がしてならない。もちろん、ただ単に馬鹿なだけなんだろうが。もし本気で天皇家の存続を考えてるんだったら、側室制もちゃんと主張しなさいよ。もちろんその余波が「民間にまで波及すること」を予測した上でね。 でも、朝日だって女系天皇推進派かどうかはホントのところは怪しい。あれだけ小泉批判をやらかしてきたのに、急に小泉擁護みたいな発言をし始めたのは、どういう変節だ、とも思うが、そもそも朝日に「腰」を求めること自体が間違いなのだろう。あのふらつきぶりは、やっぱりエセフェミニストたちに意見を検閲されてるからなんじゃないか(笑)。 天皇家の継嗣問題は、「女性にも権利を」なんて低レベルな話ではなくて、いかに天皇家の血筋と伝統を守るかの論議であるのだが、やはりこの問題は「政治」がらみになってきて、文化とは何か、という次元では語れなくなる状況が生まれてきてしまったのである。全く、朝日は、毎回毎回余計なことをしてくれるものである。 朝日がモノを考えずにしまくってきた数々の放言についてはもはや閉口の度を越しているんだが、それこそ文化のブの字も知らない馬鹿がこんな形でしゃしゃり出てくると、それに巻き込まれてモノを言うことが非常に難しくなってしまう。朝日が後押ししたような形になったことで、女系天皇を主張しただけでアカだとか言われかねなくなつちゃったもんなあ。逆だっちゅーに。 天皇問題について語ることがタブーになつてしまうってのも、「文化と伝統」の問題に、こういう「思想」が絡んでくるからなのだが、ネットを見ていると、本当に「思想に絡んだ」論理も何もない既知外発言がやたら見受けられる。勝谷某のブログなど最たるもので、朝日も狂ってるが、こいつも狂ってる。どっちもどっちで、この問題に絡んでくるのが既知外ばかりだということになれば、恐怖に駆られる人が出てくるのも当然だろう。もはや右と左のどちらも狂ってるという状況になっているのなら、ネット上の何の気なしの発言が、政治的に利用される危険もこれからは高まってくるだろう。ますます「沈黙は金」の時代になってくるんだなあ。タメイキ。
既知外と言えば、またまた占い師の細木数子であるが、3日、フジテレビのバラエティー番組『幸せって何だっけ』の中で、ホリエモン(未だに調べないとこの人の本名を認識できていない)についての占いが当たった当たったと吹聴しているのだそうな。でも実際に当たったのかどうかということについては、やっぱり予言者特有の「どうとでも取れる」発言を利用したインチキであるらしい。 確かに彼女は「彼はスッテンテンになりますよ」と言ったことがあるらしいのだが、それは、昨年7月に「25時間テレビ」の中で「女には気を付けなさいよ。スッテンテンになるから」と、「女性で失敗する」というニュアンスで発言していたということである。もしかしてこれは地検への情報リークをしていたのが、ライブドア内部の女であったとでも言いたいのかな?(笑)予言者や占い師の常として、「こうしなければこうなる」というのは常套手段で、こうなろうがなるまいが、この予言は「当たる」ようになっているのである。「あなたの言う通りにしたけれども、うまくいきませんでしたよ」と非難されても、「まだ努力が足りない」と言い逃れられるのである。 で、「当たった」と吹聴しておけば、たとえ新聞や雑誌やネットがいかに「ライブドア株価が5倍になる」と予言したのは外れた、と主張しても、外れた方の意見を気に止める人間はじきにいなくなる。だいたい占いや予言を信じる方が馬鹿なのだから、占いを真に受けてライブドアの株を買って大損した連中は、自業自得でしかない。詐欺罪にもなりゃしないのである。 いや、占い師であろうとなかろうと、いかにマトモな顔して説教してようと、所詮バラエティー番組に出ている人間は「見世物」でしかないのだ。「丈三尺の大イタチ」同様、基本的にその存在自体が「眉唾」なんであり、ウソを生業としている人間ばかりである。しげは細木数子を蛇蝎のごとく忌み嫌っていて、テレビの画面に彼女が出るたびに「チャンネル変えて!」と怒鳴るが、まだまだ修行が足りない。 胡散臭い人間が、一見マトモなことを喋っているように見えて、実は合法的な詐欺を働いていて(まあ裏では非合法なことやってるかもしれないが)、それにまんまと乗せられてしまって改名してしまった芸能人や、癒された気になって恍惚としているだろう視聴者の馬鹿っつらを想像することで楽しむのが細木数子の「正しい」見方なのである。
夜は父を誘って映画に行く予定。時間的に午前様になるので、感想とかは明日の日記に書くことになるが、果たして更新があるかどうかは神のみぞ知るのであった(笑)。
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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