無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2005年05月17日(火) 今日もまた石野眞子/『おねがい☆ティーチャー』1〜8話

 石野真子の余韻に浸りつつ一日を過ごす(笑)。
 いや、別に意図してそうしてるわけじゃなくて、頭の中で自然と「石野真子メドレー」が流れて来ちゃうのよ。『デカレンジャー』のスワン役くらいでしか石野真子を知らない若い世代には、何でそんなに石野真子が、と思われるかもしれないけれども、70年代半ばの山口百恵・桜田淳子・森昌子の「花の○○(←「中二」から「高三」まで学年が入る)トリオ」の時代から、80年代には入り、松田聖子・中森明菜を中心に、アイドル全盛時代を迎えるちょうど間隙にあたる時期に、石野真子は殆ど唯一と言ってもいいくらい、青少年の人気を集めていたのだ。
 ここが大事なとこなのだが、まだ当時「オタク」という言葉はなかったが、オタク的傾向の強いやつほど、石野真子にハマッていたのである。ライバル視されていた大場久美子は歌がダメでどっちかと言うとドラマ『コメットさん』人気の方が高かったが、それも子供が中心でだったし、榊原郁恵はヒット曲では石野真子に拮抗していたが、より大衆的で、バラドル的な売られ方をされていた。その点、石野真子は、単に可愛かっただけではなく、高橋三千綱原作の『九月の空』という正統派アイドルとしての主演映画もあったし(滅多にテレビでも再放送されないんだよなあ。日本映画専門チャンネルにリクエストしたろか)、何より繰り出す曲の数々が今聞いても何じゃこりゃあ? と言いたくなるくらいマトモではなかった。
 「のんのんののー、のんのんののー、のんのんののー、のんのんののー、今日はー、わたーしのー、失ー恋記念日ーですー♪」って、『失恋記念日』の歌い出しなんか、今でも何を言っているのか全然意味が分からない。最初聞いたときには何をウワゴト言い出したのだ石野真子は、と目の前がクラクラしたものだった。昨日歌ってくれた『ハートで勝負』も、サビの部分は「フラッシュ! まぶしいあなたならー、私をーどうぞー、ご自由にー」である。お前の彼氏はハゲか。でもって自由にしてって言ってても石野真子はきっと自分が自由勝手気ままにふるまうに決まっているのだ。ともかく石野真子くらい現実味というものから遠いキャラはかつてなかったし、カラオケで男が石野真子の歌を歌うと、これはもう気が狂ってるようにしか聞こえないのである。
 デビュー曲『狼なんかこわくない』のタイトルはもちろんディズニーのパクリであるが、この時点で石野真子の「ファンタジー」なキャラクターであることに注目していたプロダクションは慧眼だったと言えるだろう。そう、なぜ石野真子がオタク的青少年に人気があったか、彼女は当時の「リアル二次元キャラ」であったのだ。
 「石野真子はいい!」という台詞は、70年代末期、絶大な人気を誇っていたギャグマンガ、江口寿史の『すすめ!! パイレーツ』で使われてたギャグである。そして、彼のマンガには、石野真子を模したキャラクターが「あはははははは!」と、あの脳天から突き抜けるようなけたたましい笑い声とともにしばしば登場した。江口寿史はリアル二次元キャラを自作のマンガの中に「逆輸入」してキャラとして立たせることが絶妙にうまく、それだけ石野真子がもともとマンガチックだったと言えるのである(薬師丸ひろ子をとんでもない悪辣なキャラに仕立てたときにはのけぞっちまった)。
 考えてみれば昔から私は普通にかわいかったり美人なだけのアイドルには興味を惹かれなくて、何か一つでも現実との「違和感」のあるキャラクターに魅力を感じていたようだ。もちろんリアルな演技をする女優さんの価値を認めないわけではないのだが、オタクというものは大なり小なり現実との「違和感」の中で自分自身の居場所を見つけられずに右往左往しているものである。どこか現実になじめない、SFチックと言ってもいいようなキャラクターに共感を覚えるのは、悪く言えば現実逃避ということになるんだろうけれども、まあ、コンサート追っかけて学校や仕事サボるほどのことまではしなかったし、日常に支障は来たしてないと思うから(多分)、いいんじゃないですか(自分で自分を勝手に許すな)。
 今の私の悩みは、ベストアルバムのCDは買うとして、今度博多にも来る石野眞子コンサートに行くかどうかである。40過ぎて今更アイドルかよって言うやつもいるだろうが、私ゃ石野真子より一つ年下なんだからね。


 今日は七時半から町内会に出席の予定だったのだが、仕事が押してて残業しないといけないことが事前に分かっていたので、しげに出席を頼んでおいた。頼んではいたけれども、こういう会合はコミュニケーション不全のしげが一番嫌うところである。もしかしたらサボってないかと仕事の合間にメールを入れたが返事がない。
 不安に思いながらも八時近くになってようやく仕事がひと段落着いて、電話を入れると、やっぱりしげは愚図って「行きたくない」と家に引きこもっていた。「ばかやろう、早く行け」と脅して、電車に飛び乗った。
 会場の公民館に着いたときにはもう九時になっていたが、まだ会議は終わっていなかった。慌てて駆け込んで、それでしげが来てなかったら間が抜けてるよなあとは思ったけれども、しげ、何とか自分を鼓舞して出席していたのでホッとする。全く、ちゃんと動けるのなら最初からぐずぐず言わずに動いてほしいものである。いちいちこっちに気を使わせないでほしいもんだ。
 あとで会合の様子を聞いたら、しげ、憤慨して「どうして十分で終わる会議を一時間半もかけてやるんだよう!」と叫ぶ。テキパキとコトを片付けなきゃなんない会社の会議とかに比べたら、そりゃ、爺ちゃん婆ちゃんばっかりの町内会なんて、そんなもんだろう。
 「でもあの会長、見て思い出したよ。店に来て、こっちが案内するまで絶対に動こうとしなかったいやな客だ!」
 まあ、同じ町内なんだから、どこかですれ違ってたっておかしかないんだが、いやなすれ違い方をしているものである。また場合によってはしげに会合に出てもらわなきゃなんないこともあるかもしれないのに、これでまた愚図られそうで、今から気が重いのである。


 食料が尽きてたので、マルショクで買い物。「安くて腹の太るもの」を頼んだら、しげ、ラーメンをたっぷり買いこんできた。だもんで、遅くなった夕食はラーメン。
 夜も遅くはなっていたが、ともかく一日になにか一つは本を読むなり映画を見るなりしないではいられないので、CSチャンネルNECOで録画しておいたアニメシリーズ『おねがい*ティーチャー』を一話から八話まで見る。三年前にWOWOWで放映されてたやつだけど、そのときには飛び飛びにしか見てなかったので、今度は一挙にまとめて。
 これもまあ、タイトルから推して知る通り、思いっきり「萌えアニメ」で、ヒロイン・風見みずほが、宇宙人と地球人のハーフの、メガネの、巨乳グラマーの、そんでもって学校の先生で、主人公の男子高校生草薙桂とひょんなことから夫婦になってしまうという、設定だけ聞きゃ「ふざけるな」と言いたくなりはするのだが、これが黒田洋介脚本なおかげで、意外にもかなり「見られる」ものになっているのである。
 確かにみずほ先生のキャラクターはかなり「天然」で、対する桂くんはストイック、二人の仲が進展しそうでしないのはシチュエーション・コメディの定番でありすぎるし(邪魔もしょっちゅう入る)、みずほ先生の声がまた井上喜久子と来ればこりゃどうしても『ああっ女神さまっ』のパクリ企画のように見られても仕方がないっちゃ仕方がないのだが、少なくともあかほりさとる脚本作品のように、腐れオタクに迎合するだけのアニメにはなっていない。
 先生と生徒のカンケイ、ということになると当然、学校から問題視されることになるが、詰問する校長の前で堂々と「僕たちは夫婦です」と言い切る桂くんの勇気、これが物語を転がすために必要な台詞に過ぎないとしても、そこにやっぱり少しは世間の偏見とかレッテルとか、そういうものをぶっ飛ばしてやりたいという脚本家の気概を感じるのである。腐っても黒田洋介、と言ったところだろうか。
 定番のシチュエーション・コメディなのに、いや、定番だからこそ、そこに「萌えアニメのもう一つ先にあるもの」が作れないか、とスタッフが頑張ってるんじゃないか、と、『おねがい』シリーズにはちょっと注目しているのである。作画も、キャラクターの細かい仕草になかなか凝っているのである。

 ところがこれ見てるとしげが段々イライラして来るんだねえ。やっぱりワンパターンってのが気に入らないのと、みずほ先生がやたらと「最優先事項よ」って繰り返すものだから、いい加減「うるさい」のだそうな。確かに毎週一話見るならともかく、八話連続で「最優先事項よ」「最優先事項よ」「最優先事項よ」「最優先事項よ」「最優先事項よ」「最優先事項よ」「最優先事項よ」「最優先事項よ」って聞かされたらうるさいわな。
 なんかまたヘンなアニメにはまってるな、と思われる向きもあろうが、まあ概ね冷静に見てるので、「みずほセンセイ萌え〜♪」とかは間違っても言い出しません(笑)。

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