無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2004年09月03日(金) 悲しい知らせ

 久しぶりに妙ちくりんな夢を見る。
 しげと映画に行く約束をして、映画館の前まで行くのだが、急にしげが倒れて、「私のことは構わないからあなただけ一人で映画を見て」と青息吐息で言い残し、救急車に乗せられて運ばれて行く。けれどもチケットが一枚余っているので、一人で見るのももったいないと、鴉丸嬢を誘ってみたのだが、「今、三頭身だからダメなの」と断られた。三頭身ならしょうがないよな、と一人で映画を見たのだが、よく考えてみたら、三頭身だとどうして映画が見られないのか、理由がよくわからない。つか、あの子は時々三頭身になってるのか。ちなみにその時に見にいった映画は『ダイ・ハード』だった。


 忙しさが倍増中。
 ここしばらく、炎天下での仕事が続いているので、体力の消耗がいつになく激しい。さらにもう二つ三つ、並行してやらなきゃならない仕事も控えているので、それの準備も重なって、休憩するヒマもない。昼飯だって食ってないんだからね。
 だいたいこの時期になると決まっていきなり倒れてリタイア、という人が増えるのだが、既に今年も同僚が一人入院していて、肩代わりの仕事を頼まれたところなのである。そもそもウチの職場、安月給のわりに労働条件が苛酷だってこと、も少し上の連中にも考えてもらいたいものなんだがね。この6年間、労働時間は変化してないのに給料上がってるどころか減ってんだからな。余計なところに予算使ってるの切り詰めれば、もちっと人件費上げられると思うんだが、なんか余り工夫してるような様子見られないしなあ。
 いや、私の給料増やせとは言わないから、新しい人あと三人雇ってよ(+_;)。


 しげの鬱が治って、なんとか仕事に復帰することになったことは最近の日記にも書いたことだが、以前ほどの苛酷なスケジュールではなくなったことは、私にとっても、ありがたいことである。おかげで私の仕事帰りに、車で迎えに来てもらいやすくなったのだ。何度か書いてるけど、ともかく今の職場、交通の便が悪くて家まで直行で帰れない。車だと二十分の距離を、バスと地下鉄を乗り継いで1時間半かけて帰るのは、気力体力ともにかなり消耗するのである。
 定時に駐車場で待ち構えていたしげに、今週で終わる映画もあるので、何か見に行くかどうか聞くと、「明日は仕事だし、明後日は練習だから今日はウチで寝る」と言う。それでも買い物だけはしたいと言うので、ダイヤモンドシティに向かうことにした。
 「買い物って何を買うんだ?」
 「新しいストラップとねー、あとねー……」
 ところが、ダイヤモンドシティを目指している途中で、しげの携帯が鳴った。
 よしひと嬢のお父さんが亡くなられたという知らせだった。
 もう10年以上昔のことになるが、しげも私も、よしひと嬢のお父さんには随分お世話になったことがあるのだ。そのころのしげはかなり貧乏で、私にもよく「タカリ」に来ていたのだが、私だってそんなに裕福なわけではない。特に独身のオタクは食費削ってでもマンガなどに金を費やしているものであるから、しげにしょっちゅう奢ってやる余裕はなかった(つか、当時はそんな義理なかったはずなんだがなあ)。
 で、しげがよく食事を奢ってもらっていたのがよしひと嬢のお宅だったのである。当時、しげとよしひと嬢とは演劇活動を通して知り合った先輩、後輩の間柄ではあった。しかし、だからと言って、人間、際限なく他人に甘えていいものでもなく、そこには何か節度というものがあって然るべきだと思うのだが、しげにはそんなものはカケラもなかった。よしひと嬢のお宅に何の屈託もなく押し掛けて行って寝泊りし、上げ膳据え膳、衣服の世話まで含めてまさに「衣食住」をあちらのご家族から世話をしていただいていたのだから、厚かましいにもほどがあるのである。しげの寄生虫性格はこのころから堂々としたものだったのだが、それを文句一つ言わず、優しく受け入れていたのだから、よしひと嬢を含め、ご家族のご寛容、心の優しさ温かさ深さにはただひたすらに感嘆するほかはない。これはもう、義理人情を云々せずとも、何がなくともしげがお悔やみに行かないというのは、到底お天道さんの許すところではないのである。
 けれどしげはなんだかオロオロして、渋面を作っている。
 「お通夜は明日? じゃあ、一緒に行くか?」と聞いたら、しげはベソをかいて、
 「どうしよう、明日は仕事だよ」と言う。なるほど、確かに仕事に復帰したばかりで「また休みます」なんて話は通るものではあるまい。これだから簡単に鬱になどなるもんじゃないのである。
 「オレはちょうど休みだから、明日、行ってくるよ。お通夜の時間と場所は?」
 「あ、聞き忘れた」
 全く、義理のある相手に対して後足で砂かけてるようなものである。仕方なく私の方から折り返しよしひと嬢に連絡を入れて、お通夜の時間と場所を確認する。そのあと、しげに、「出入りがあるから、ストラップはナシな」と言ったら、また渋面を作られた。
 結局ダイヤモンドシティでは、しげの職場へのお詫びのお菓子、それと香典袋を買っただけで帰る。


 帰宅して、風呂に入っていると、しげが何やら赤黒い塊を洗面器にぶちこんで来た。
 続けて、「ケツが真っ赤〜♪」と笑いながら自分も裸になって湯舟に飛び込んできたが、塊の正体はしげの汚れたパンツであった。
「なんだよ、お前、生理か」
「うん、パンツ見てビックリ。もうだだ洩れ♪」
「喜んで言うな! しかも人がフロに入ってるのに、ケツ汚したまま来るか、普通!」
 と、怒鳴ってみても、もう入ってしまったあとではどうしようもないのである。
 私のほうが慌てて外に出て、「あと、ちゃんと風呂の栓を抜いて風呂桶洗っとけよ!」と言い置いたが、普通、女性ってものは生理の時は風呂の外で身体を洗うだけで、湯舟にはあまり浸からないものじゃないのだろうか。しげはそのあたり全く気にせずにお湯を血だらけにするばかりか、その湯を換えもせずにまた翌日もそのまた翌日も入ろうとするのである。いくらやめろと言っても聞かない。こういうところもまたしげの狂っているところなのだが、いくら狂っているからと言って、自分で気持ち悪くはないのだろうか。どうにも理解し難いのである。
 おかげで生理中のしげはいつも生臭くて近寄りたくもないんだけど、周囲の人間は気づいていないんかなあ。気付いてて知らんふりしてくれてるのかなあ。とするとこれもまたしげが周囲に迷惑かけまくってることの一つということになるんだけど、いい加減で「無自覚の迷惑」、少しは自意識に上らせてほしいのである。それとも脳にシワがないから意識も全てツルンとすべってやがるのか。


 玄武亀吉君であるが、どうもその成長の早さからすると、女だったようである。既に大きさは竜宮亀太郎君の1.5倍。女の毒気にあてられたのか、竜宮くんが一向にエサを食わなくなってしまったので、これはまずいと玄武嬢の方を小さめの別の水槽に移し換えてみたのだが、竜宮君の元気、すぐには回復しないようである。亀って飼い方簡単と言われてるわりになかなか繊細なところもあるようだ。
 とりあえず、「玄武亀吉」という名前は、「玄武亀代」に変更します。で、やっぱりオトコだったってことになったら、また改名かな(^_^;)。

2003年09月03日(水) 不明を恥じるハナシ/『ビートのディシプリン』SIDE2(上遠野浩平)
2001年09月03日(月) 変わるわよ♪ ……何がだよ/アニメ『こみっくパーティー』第1話ほか
2000年09月03日(日) 警察も役所/『ら抜きの殺意』(永井愛)ほか



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