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夢の図書館新館

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-- 2003年10月02日(木) --

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「Heaven?」その2

佐々木倫子の『Heaven?』が、第6巻にして完結してしまった。 本誌の連載は読んでないので、単行本になってから知った。

シリーズを集めているのは私だが、 私より先に買って読んだシィアルは、 まさかこんな風に突然終わってしまうとは、と 言いながらパラパラと読み返している。 いろいろ思うところがあるようだ。 終わってほしくなかった、と言う。 気分は地団太を踏む子どものようだったらしい。

私は言った。 9巻も10巻も続けるより、今ここで終わるほうが ロワン・ディシーらしいのでは、というようなことを。

まあそれはいいのだが、番外に入っている 短い書き下ろし漫画の内容について私がたずねると、 彼女は、あれは本編とはまったく関係ない、と言い切った。

でも、読んでみると関係あった。 ロワン・ディシーのカウンター常連の、 気弱なお客さんの話だったのだ。

それにしても、あの伊賀観が。 そういうふうに。 という終わり方であった。 心なしか、それぞれのエピソードの厚みも、 最終巻にふさわしく、各方向から作品を支えていたし、 伊賀君の両親(父も良い味を出していた)も再登場して、 最初のころの容易ならざる出来事を思い出させてくれた。

話の筋には関係なく、どうでもいいことなのだが、 なぜ少年漫画系(青年誌を含めて)は フキダシのなかの文章に「。」をつけ、 少女漫画系は、それをよしとしないのだろう。 『Heaven?』や『おたんこナース』は青年誌連載なので、 佐々木倫子が少女漫画誌に 書いた漫画とはちがって、「。」が ついている、ほんとに瑣末なことだが。

ただ、私たちにとっては瑣末でも、書くほうにとっては けっこう大きな問題かもしれない、とは思う。 広告のキャッチコピーに「。」がついてないと、どうも おさまりが悪いと思うが、漫画のフキダシには 「。」がないほうが読みやすいのは、 単に私が少女漫画系で育てられたせいなのか。

ともかくも。 最終章は、「楽園」。 それがタイトルの疑問の答えとなっている。 よくもここまで生きながらえてくれました。 ロワン・ディシー、6巻まで楽しませてくれて、 ありがとう。 (マーズ)

さっそく補足:読んでくださった方から教えていただきましたが、 「。」がつくかどうかは、出版社によって決まるとのこと。 書店で見たら、サンデーにはついていて、マガジンやジャンプには ついてませんでした。女性向けのは基本的についてません。 セリフをしゃべる人のキャラによってつけたり つけなかったり、というのがあってもいいですよね。


『Heaven?』 著者・絵:佐々木倫子 / 出版社:小学館2003

2002年10月02日(水) 『on reading』
2001年10月02日(火) 『快眠力』
2000年10月02日(月) 『養生訓』

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