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なにものかを読む人々や読まれる人々、 生きものたちの姿をもからめて 京都の街を舞台に撮った写真集。
撮影時期は、1975-1997年。
長い。
22年の歳月をかけて、読むということに
こだわったモノクロの風景が並ぶ。
どの写真にも、独特の匂いがあって、 京都だからなのか、背後に隠れているという「強烈な物語」の ゆえんなのか、その匂いが、 読むものの背後にある匂いを呼び起こす。
読むという特権は、読書好きだけのものではない。 書店のなかで、あるいは外で、 何かを熱心に読んでいるらしい薄汚れたオジサンたち。 彼らの異様に集中する姿、それが写真に写った事実であることを 不思議に思わずにはいられないし、 おそらくは偶然に彼らを撮った写真師の目にも 捨て置けない瞬間だったのだろう。
猫も読む。
赤んぼうも読む。
猫を読む。
赤んぼうを読む。
巻末のプロフィールを読むまで 作者のことは何も知らなかった。 が、私の知る京都人も被写体として収まっていたので、 この人と京都との関係は深かろうとは思っていた。
写真に添えられたコピーは、あっても なくても良いのかもしれないが(笑)、 そこにコピーを添えた詩的感性が この普遍的テーマの一冊を、日本のオリジナリティーに つくり変えたともいえる。 (マーズ)
『on reading』 著者:甲斐扶佐義 / 出版社:光村推古書院株式会社
2001年10月02日(火) 『快眠力』
2000年10月02日(月) 『養生訓』
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管理者:お天気猫や
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