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先日、夢図書のBBSで、本のなかに出てくるお店で 行ってみたいところ、という話題があった。 この本の舞台である「ねこじゃら商店」もまた、 一生に一度は行ってみたいようなお店。 児童書好きの友人が、面白いのでぜひ、とすすめてくれた本だ。 絵も最高にマッチしていて、子どものころ読んだ 日本の怪談の雰囲気を思い出したりした。
店の主は、白菊丸というレトロな名前の ちょっと不気味な大猫。 店は気の向いたときに開けてるらしく、 町の狭い路地を入ったところなんかに、 こつぜんとあらわれるのだという。 なんでも屋なので、白菊丸の仕事も何かと大変だ。 横柄な客もいれば、こわがる客もいる。 たいていのものはそろっているのだが、 たいていのものは「在庫切れ」で、翌日までに 調達したりもする。技も知恵もいる仕事だ。
とはいえ、バッタを買いにきたガマガエルで始まり、 顔を買いにきたのっぺらぼうの話で終わる ねこじゃら商店のお客さんたちは、 皆が皆、ここへ来ようと思ってくるわけでもない。 波長が合って引き寄せられてくるというのが、 ねこじゃら式の集客方法なのかも。
白菊丸は化け猫ではないし、 宮澤賢治の『注文の多い料理店』のように、 怖いお店ではないけれど、お客から受ける注文は なかなかむずかしいものばかり。 ただし、この店で一度に買える商品の種類は、ひとつだけ。 欲張りは白菊丸のもっとも嫌うところらしい。 お代はたいてい、お客のもっているもので払う。 だから、磨いた小石のお金でもいいのだ。
私は何を買いにいこうかな。 昨夜見かけたノラ仔猫の新しい家、なんて 売ってないかなあ。
ニャゴ、ニャゴ、ニャゴ、ニャゴ。 (マーズ)
『ねこじゃら商店へいらっしゃい』 著者:富安陽子 / 絵:井上洋介 / 出版社:ポプラ社1999
2002年10月03日(木) 『ボストン夫人のパッチワーク』
2001年10月03日(水) 『星を継ぐもの』
2000年10月03日(火) 『恋愛的瞬間』
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管理者:お天気猫や
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