enpitu


こんなに好きでもいいですか? すみれ 【MAIL】【HOME
BACK NEXT 初日から日付順 最新 目次

My追加

2002年07月31日(水) カメラチャット

彼から朝のメールが届くのが少し遅かった。
案の定、お寝坊さん・・・・。
何時もの朝の電話。

「今日も頑張ろうね〜! !」

彼のこの言葉を聞くと、私も頑張らなくっちゃ・・・そう思う。
御昼休みの電話は来なかった。
出張明けできっと忙しいのだろう・・・・そうは思っても、
何時もの癖で何度も何度もメッセを確認してしまう・・・。

「まだかな・・・・」
「今日はそんなに大忙しなのかな・・・・」

やっと夕方になって繋がった。

「今日はね・・・お昼は仕事の人と一緒だったから・・・」
「計算がね〜ナカナカ合わなくて苦労してたよ。」

遣る事がイッパイで彼の心労が心配。
仕事は忙しいのか暇なのか、その日によって色々違うだろうけれど、
売り上げも色々、大変なのだろう・・・・。

子供を迎えに行って、夕飯を済ませて御風呂に入る間、
ほんのチョットだけ彼と再びメッセ・・・。
会社にはもう誰も残業している人も居ないみたいなので、私から電話を掛けた。
メッセもそのままにしてあったので、電話とメッセを交互に繰り返して遊んでいた。

「これでカメラがあったら言う事なしなのにネ〜」

本当にそう思う。
土・日は顔も見る事も出来ないし、メールもナカナカ出来ないから、
彼の外出の時に電話で話すか、真夜中のチャットくらいでしか彼を感じる事が出来ない。
カメラがあったら彼の表情も状況もよく解かるのに・・・。
それに、文字だけの遣り取りで何度も喧嘩して来た経緯がある私達・・・・。
カメラがあったら回避出来た問題なのかもしれない・・・・。
でも、反面少し怖い部分もある。
深夜・・・家族が寝静まった部屋で静かにキーを打つ彼・・・、
きっと後ろに見える光景は彼がそこで私以外の人達と暮している様子が
映し出される事になるんだろう・・・・。
彼は私の家の状況をよく知っているけれど、私は彼の家へ一度も行った事が無い、
益してや彼が住む家の周りの風景も余り知らない。
彼の生活を覗き込んだ事のない私・・・。
それを知ってしまったら私はどうなるのだろう・・・。
又、嫉妬の嵐と化してしまうのではないだろうか・・・。
心の中では彼の優しい笑顔を見てみたいと思う気持ちと、
彼の生活を見たく無いという気持ちと、
どちらもあるのは確か・・・・。
それでも、私のPC環境と彼の環境は全然違うものだから、
カメラチャットはまだまだ出来そうにもない。
少し残念な気持ちと・・・安心する気持ち・・・・。
どちらが良いのかなんて、答えが出ない・・・。


深夜もメッセが繋がった。
子供が熱を出してしまって、メッセをしているうちに咳を何度かしていた。
そのうちに嘔吐してしまったので、ビックリして慌ててメッセを落とした。
それでも、彼は今日、何度も何度も言ってくれた。





チョッピリ・・・ノロケ? !↑エンピツ投票ボタン

こっちはMy追加のボタンです。



とても嬉しかったけれど・・・・。
どうして今、彼が横に居ないのか・・・。
そう思って又憂鬱の渦に飲み込まれてしまった。


2002年07月30日(火) 責任・・・。

彼は今日、日帰り出張に行ってしまった。
それでも、移動中はずっと電話で会話をしている。
彼は日々の私の憂鬱の原因を聞いて励ましてくれた。
私の無謀な性格は彼の見解によって軌道修正されている。
時々、意見が合わずに口論や喧嘩に発展してしまうけれど、
それでも彼は私の事を理解しようと努力してくれている・・・・。
彼の話をこうやって聞ける事を有難いと思う。
そして、感謝している。




同居人は今日の夜、予定よりも随分早く帰宅した。
午後8時30分・・・・。
子供との食事は済ませていた。
少し熱があったので御風呂はお預け・・・。
同居人が居間でテレビを見ている間、彼から出張から戻ったとメールが来た。
寝室に行ってコッソリ彼に電話をする。
そんな時に限って同居人は寝室に来たり居間に行ったりバタバタとしだす・・・・。
私は彼との電話を中断しなければいけない状態になってしまい、
仕方無しに受話器を置いた。
暫くボーっとしていたが、何となく寂しさが消えないので、
彼に電話を掛ける為、外に出て行く私・・・・。
今日は夜でも少し蒸し暑いけれど、風が頬を撫でると少し心地良かった。
何故か話が急展開に進んで、それから彼と私の家の途中にある駐車場まで車を
走らせる事になってしまった・・・。
車のキーを取りに一度、家に戻ると、凄い形相をして同居人が待っていた。

「どうせ男と会ってくるんだろ?昨日の事も・・・いい加減にしろよっっ! !」

だから、どうしたと言うのだろう・・・。
だからといって同居人に何が出来るというのだろう・・・。
そんな事を言われてもお構いなしで私は車に飛び乗った。
駐車場で暫く待っていると彼がやってきた。
自分の車を降りて彼の車の助手席へ・・・・。
帰りがけに御腹がすいたし、家には御飯があるかどうか解からないから、
ラーメン屋に寄って来ると言っていた彼だったが・・・。
テッキリ行ったものだとばかり思っていたのに、寄らないで真っ直ぐに待ち合わせ場所に
来てくれたようだった・・・・・。
出掛ける時の同居人との一悶着を少し彼に話す・・・。
それから、昨日の出来事も・・・・・。





↑エンピツ投票ボタン

こっちはMy追加のボタンです。

うっかり捨てるのを忘れて、デスクの上に置いておいた物を
同居人が見つけたみたいだった。

「すみれ? あれから・・・大丈夫だった?: 旦那に暴力振るわれなかった?
僕の責任でもあるね・・・暴力振るわれたのは・・・
どうしたらいいんだろう?どうフォローしたらいいんだろう・・・・・?
どうしたらいい?すみれ・・・・」

彼は昨日、何度も私に聞いてくれた・・・・。

「うんうん・・・大丈夫、心配しないで・・・・」

当然の事だが私が殴られたのは、彼の責任ではなかった。
私がウッカリしていたのがいけなかった。
ただ、その事で彼には迷惑を掛けたくなかったので、私はただ成すがまま殴られた。
同居人が私に対して何を言おうと何度殴ろうと何も変わらないのは
同居人、本人が一番、よく解かっている筈だ。
彼と付き合っているのを全て知ったとしても、
離婚出来ないのも別居出来ないのも、
同居人の無駄な出費と経済力の無さが、その要因となっている事も事実だろう・・・。
それにも益して、子供の事や同居人の親の事・・・・。
色々な柵が付き纏って身動きが取りづらいのも同居人の方だ・・・・。
だから、声を荒げて私に突っかかってくるのだろうか・・・・・。
今日も彼は私の手をシッカリ握って色々な話を聞いてくれた。
そして、あの擦れた声も・・・・聞かせてくれる・・・・。


別々の車で待ち合わせ場所まで来たから、
当たり前の事だけれど帰りも別々・・・・。
御互い別々の家へ帰るのは寂しいけれど・・・・。
何時もの帰りよりも、ずっとずっと寂しい・・・・。
遠くなる彼の車をバックミラー越しに見つめると、又切なくなってしまった・・・。
何時になったら、一緒に帰れるのかな・・・・・。
少し疲れた・・・・・。



2002年07月29日(月) 優しい人




立場は違うのに、



受け入れられる優しさを持っている人。



本当に優しい人は



何処かに強さを持っていて。



それは目には見えないものだけれど・・・・・。



きっと、わかる人にはわかる物・・・・。



大事にして行って下さい。



その強さを・・・・。



その想いを・・・。
















どうも有り難う。



とても救われた気がしました。






↑エンピツ投票ボタン

こっちはMy追加のボタンです。






2002年07月28日(日) 「どうして、こんなのが好きなの?」

夕方から近所のママ友達と町内会のお祭りに行って来た。
烏賊焼きや鳥串を子供達と食べて色々な話をした。
彼女の旦那様も私の同居人も仕事の帰りが遅いので、
私達は遅くまでそこに居て話し込んだ。

彼は今日も日曜なのに電話を掛けてくれる・・・。
毎日毎日、デートをしたり電話で話したりして繋がっている。
今日は髪を切って来たと言っている。

「今まで一番、短いよ〜」

そんな風に言って困っている様子だった。
床屋で寝込んでしまって起きたらビックリする程、短くなっていたようだ。
ただのオヤジのようになってしまったと嘆いて、
白髪が少し目立ってしまって恥ずかしいから髪の色を染めると言う。





↑エンピツ投票ボタン

こっちはMy追加のボタンです。


彼が唐突に言い出して私はビックリしてしまった。

「何処がいいの?こんなオヤジなんて・・・。」

彼の好きな所・・・・沢山ある・・・・。
前向きな考えや理解力のある所、頼りがいのある性格、
私に認めて欲しい事があるとイッパイ努力してくれる・・・。
彼に出逢えて素直に良かったと思える・・・・。
彼と出逢ってから私の毎日は楽しい事や素敵な事でイッパイになった。
でも・・・・・・・。
それと同時に切なさや寂しさの陰りも心に出来てしまった・・・。



私はどれ一つも彼に話さずに・・・・。

「本当に・・・何処が良いんだろうね〜?」

そうやって笑って話した。
反対に同じ質問を彼に投げかけたら、
このヤンチャな性格も長い髪も好きだと言ってくれて・・・。
少し照れながら私は沢山笑った。
彼は家の駐車場に着くまで私とずっと話をして居てくれた。
帰ってからPCを使って遣る事があると言っていたので、
私もPCを開けてみるが彼の姿は無かった。
夕方、洗車しに行くと言ってたが電話も無い。
その代り、深夜になってメッセが繋がる。
洗車は夜に行ったようだった。
朝になって拭き残しを見るのが楽しみと言う彼。
何故か話は私の幼い恋の話になってしまい、
彼は終始「うんうん」と何も言わずに話を聞いてくれた。
彼のそういう所も大好きだ・・・・。
電話でも逢っていても話す時間は私の方が断然、多い。
彼は私の話をただ頷いて聞いてくれて、
そして、一番最後に自分の見解を言ってくれる。
時には私の意向を汲んでくれない事もあって衝突してしまう時もあるけれど、
彼は私の良き理解者である事に変りは無い。
今日も空が白くなるまで話し込んでしまった。



おやすみなさい・・・・。
明日も元気で・・・・。
これを読んで下さっている皆さんも・・・・。





2002年07月27日(土) 切ない関係

彼から電話が来たのは午後・・お昼もスッカリ過ぎた頃だった。

「オヤジの所へ見舞いに行った帰りだよ〜」

きっと、御父さんの病気の事もこれからの事も彼はとても心配なんだろう・・・。
何時も何時も彼は自分の事では無く、誰かの事を考えている・・・・。
御父さんの事、子供の事、家の人の事・・・・。
何だか、このまま家に帰すのが嫌になってしまって、
私は渋る彼に無理に御願いをした。

「ねぇ・・・少しだけでも良いから私に逢いに来て?」

彼は同じ市内だというのに、高速を使って直ぐに私に逢いに来てくれた。
口には出さなかったが・・・
「全く・・もう! !子供じゃないんだからっっ」
と言うような困った顔をして家に来た。彼。
私はちょっとだけ嬉々として顔がほころぶ・・・。

「ちょっとだけだよ〜。30分だけね」

電話ではそう言った彼だが今日も時間はあっと言う間に過ぎて行った。
子供の御迎えの時間に彼も一緒に外へ出て、そのまま帰宅する。
その前に私の車が調子悪く、その部分を直してくれた。
私が忘れ物をしたので、「取りに行くから、帰ってもいいから・・・」と手を振ったのに・・・、
戻ってみると彼はまだ車を発進させないで待っていてくれた。
昨日も今日も・・・・何時も・・・彼は優しい。


子供を迎えに行った後、もう帰宅しただろうか?と思いながら彼に電話を掛ける。
明日は日曜日・・・・彼と繋がっている事は出来ない。
そう思うと、どうしてか気持ちに拍車が掛かってしまう。

「これから・・・有意義に過そう・・・」

どうしたんだろう・・・
私が昨日、不意に泣いてしまったからだろうか・・・。
イキナリ彼がそんな事を言い出した。





↑エンピツ投票ボタン

こっちはMy追加のボタンです。


私は彼のその言葉を聞いて、胸がキューンとなった・・・。
切なくならない付き合い?
この状況で?
こんな関係で?

「私が貴方を好きなうちは・・・・無理だよ・・・・。」

「そうか・・・」

私が答えると彼は残念そうに返事をした・・・。

この前、電話ではこれからの事や離婚の話をするのはやめよう・・・と言ったのは
彼の方だった・・・。
でも・・・敢てそれを言うのは・・・。

「僕はやっぱり離婚なんて出来ないから・・・。
無理にでもそれを理解して貰わないと困るよ」

まるで、そんな風に言われて居る様で悲しくなる・・・。
切なくならない・・・付き合いって・・・どんな物なんだろう・・・・。
彼の負担が軽くなるのなら、そういう付き合いをしてあげた方が良いのだけれど、
果たして私に切なくない・・・明るい付き合いなど可能なのだろうか・・・。
どちらにしろ、電話での会話では話が進まない・・・。

「今日は無理言っちゃったね・・・来てくれて有難う・・・・」

そう言って受話器を置いた。





2002年07月26日(金) 彼と私の10年後




子供が熱を出したみたいで、予定外に早く保育園に御迎えに行く。
午前中に送っていった時はとても元気だったのに・・・。
2歳になった、この時期は体調が目まぐるしく変わる頃なのかもしれない。
「男の子は小さいうちは弱いものよ〜」
同じ団地に住む、3人の子を育てたというオバサンは笑って、
私の子供を見ながら、言っていたが、そうなのかもしれないな・・・・と思う。
保育園に行くと、保母さんが「今日は元気にプールに入ったんですけどね〜」
と教えてくれた。
オデコに手を当ててみるが、思っていたほど熱くは無かった。
一度、家に戻って小児科にでも連れて行こうかと思ったが、
安心したのか子供は元気に遊んでいる。
「体温計をこんなに嫌がる子も居るのかな?」
そう思う程、うちの子は水銀の体温計を嫌がっていたが、
今はスッカリ慣れてしまった。
産まれてくる時の準備品として、耳で計る体温計を買っては見たものの、
前に一度、とても高い温度を示して、使い物にならず、
わざわざメーカー交換までして貰った。
今の小児科の先生に40度まで熱が上がったと言ったら、
「耳で計る温度計は当てにはならないですよ?」と言われて、
水銀の温度計を使う事を勧められた。
二つの体温計を使って熱を計ってみるが、今日も水銀の温度計の方が、
当たっていた・・・それ程の熱でも無く様子を見る事にする。




子供と一緒に居る時間は今の私にとって思うように行かないけれど、
とても楽しい時間だ。
アルバムを引っ張り出して2年前の写真を見ると、
こんなに大きくなったのが嘘の事の様にも思える。
子供も自分の写真が面白いのかアルバムをめくって、
自分の名前を言っている。
最近は砂が水を吸っていく様に何でも吸収するようだ、
「コナン」「コナン」とテレビを見ながら指をさす子供を見ていると、
親として改めなければ、いけない部分が沢山あるようにも思う。




同居人は思ったよりも早い帰宅だったらしく、
帰りに電話を掛けてきた。
何時もは遅くに帰ってくるので子供と一緒に夕食は食べられない。
少し子供にも可哀相な気持ちになったので、
今日は最寄の駅まで子供と2人して同居人を迎えに行った。
本当は・・・ゆっくり3人で食事をした後、
子供を遊ばせてあげたかったのだけれど、
何時もの様に私は、彼と連絡を取って逢う事にしてしまった・・・。
何時も考えているのは、子供の事や家庭の行き先なのに・・・・。
私の取っている行動はそれとは逆の事ばかりだ・・・。
いや・・・本当は違うのかもしれない・・・・。
本当は毎日、彼の事ばかり考えているのかもしれない。
家の事や同居人との、これからの行く先なんて、
コレッポッチも考えてはいない。
子供の事は大切だけれど・・・・・。
そんな事を考えながら、外に出る階段を降りると彼は何時ものように
車の中で下を向いて黙って私の事を待っていた。
街では恒例の花火大会が今日も行われていて、
私の家まで来る道程も混んでいただろうと思うが、
彼は急いで車を飛ばし約束の時間までに着いて居てくれた。
今日、彼は・・・・。
明日が休みという事もあり、とても私に逢いたかった様子だった。
私が車に乗り込むと、すぐに左腕で頭を抱きかかえて
自分の体にピタッとくっつけた。

「すみれ・・・・・。」
「うん?」

私が彼に自分の名前を言われ、どうしたのかと聞いても、
時々、名前を呼びたかっただけだからと、可笑しな返事しか返って来ない。
きっと、彼に聞いたら「全然、違うよ」と答えが返って来そうだが、
まるで小学生の時、クラスの虐めっ子が、後ろを向いている子に
名前を呼掛けて、知らん振りをしているような、そんな感じだ。
今日も何時もの麦畑に行って、二人して色々な話をした。
彼の友達の事、仕事の事、今日逢えなかったら又来週まで逢えなかったね・・・・。
そう言うと、彼が優しくギュッとしてくれた。


昨日、彼にこんなメールを送った。


「もう、同居人と一緒に居るのは限界です。」


「それでも、私と貴方の生活はどんなに頑張っても一緒になる事は無いから、
これからは掛け離して考えるようにしなくっちゃね」


「今は貴方の事が好きだから・・別れるその日まで、一生懸命に好きで居ます。」




彼は・・・このメールを読んで、もしかして切なくなったのかもしれない。
きっと、彼も私とは何時か別れなければいけないと思ってるのだと思う。
でも・・・そう思えば思うほど、
「別れたくない」「離れたくない」「もっと・・・・」
考えている事は彼も私も同じだ・・・。
色々考えていると、二人して下を向いて
「どうしたら良いのものか・・・・」と頭を抱え込んでしまう。
どちらからか、冷静に考えて「このままじゃ・・・駄目だね・・・」と言って、
終らせられれば、それでオシマイなのに・・・・。
今は二人とも、それが嫌で・・・怖くて・・・仕方が無い・・・。
彼は何時も「御互いに嫌いになれたら良いのにね・・・。」と言う。
そんな事、出来るんだろうか・・・。
彼を嫌いになるなんて・・・そんな事、あるのだろうか・・・。
でも、私は彼に言ってみた。






↑押すと文字が変わる投票ボタン

こっちはMy追加のボタンです。



笑いながら明るく言うつもりだったのに・・・・。
私は彼の膝に頭を持たれて泣いてしまった・・・・。
「これじゃ・・・いけないんだ・・・・。」
そう思って笑おうとしても、顔が歪んで上手く笑えない。
「ごめん・・・ごめん・・・・」
無理に言ってみても、虚しくなるばかりで、涙が止まらなくなる・・・。
彼はそんな私を見て、鼻水でグシャグシャの顔にティッシュをあてて
涙を拭いてくれる。
私は又彼の優しさが切なくて、涙が止めどなく溢れてくる・・・。
彼は私の背中をさすって、こう言った・・・。







↑二つもつけてゴメンナサイ。

こっちはMy追加のボタンです。






私は・・・・少し救われた気がした。
彼がもし、「ごめんね」と言ったとしたら、
それはとても、絶望的だと思っていた。
彼で・・・良かったと思った。
私の好きになった人が彼で・・・・・。








家に帰って来た後、
少し考えた・・・・。
どうして、私には予知能力が無かったのだろう・・・。
これから、10年・・・私はどんな風に過して行ったらいいのだろう・・・。
10年後はどうなっているだろう・・・・・。
私は当たり前の顔をしてキチンと母親業を全うしているだろうか・・・。
同居人とはどうなっているのだろう・・・。
彼は・・・・。
彼はどうなっているだろう・・・・。
良い父親として、彼も自分の生活を全うしているのだろうか・・・。
それとも、前に言っていたように、自分の為に何も犠牲にしないで、
自由に生きているのだろうか・・・。
10年後・・・私の前に・・・・彼の姿はあるのだろうか・・・・。
それとも・・・彼の姿は遠く遠く・・・・。
もう全く見えなくなっているのだろうか・・・。
10年先の予測なんて・・・誰にも解からないはずなのに・・・。
私はそんな事ばかり考えて・・・・。
又、一人で例えようの無い、暗い闇の中を漂っていた。









2002年07月25日(木) ハルニレの森と百合の花





暫く彼に逢わないほうが良いのか・・・とも思う。
このまま、彼に何時もの様に逢っていると、
麻薬患者の様に何もかも麻痺して、
別れる時は人間の殻だけを残して、
私の魂はスッポリ抜け落ちてしまうのではないかと思ったりする。
それはそれで、本望なのかも知れないが、
彼を失った後の事を考えると、少し怖くなる。






今日も朝の出勤時にメールと電話。
久しぶりに快晴の空を見ながら、御互い仕事なんてしないで、
ただボッーとして居たいねっ、なんて話をする。
私が思い出して、「百合を見に行こうって約束はどうしたの?」
と話した事から始まってしまった。
彼は最初「今日じゃなくっちゃ駄目なのかな?」と困った様な返答だったが、
「もう7月も終るし好きな百合も枯れてしまうょ」と言うと、
「そうだね、良い天気の日がそうそう続くとは限らないし・・・。
会社に行って今日の仕事に予め目を通したら連絡するね」
彼はそう言って電話を切った。
連絡があるまでの3・4時間・・・。
私は段々「百合はいいよ、又の機会にしよう・・・」
そういう考えに心が侵食されて来ていた。
何だか朝の口調で彼が無理をしている様にも思えたし。
毎日のように彼と逢うのも何だか色々と心苦しくも思えて、
百合を見に行く約束なんて別にどうでもよい事に感じて来た。





百合は私の一番、好きな花。
かのこ百合やスズメ百合という可愛らしい百合よりも、
カサブランカやマドンナ・リリィのように大輪で馨しい百合が好きだ。
時々、「百合の様な人」に出逢う時がある。
凛として人を何処かしら引き付ける魅力のある人だ。
近くに居て親しくなったとしても、
決して一線を越えさせない何か力強いオーラがある。
それは極端に冷たく感じる物ではなく、
受け取るこちら側の背筋がピンッと延びるような、
そんな素敵な優しさだったりする。
何時か・・・・私も・・・・・。
そんな風になれたらな・・・と時々、思う。




行こうか行くまいか、考えているうちに、
あっという間に時間が来てしまった。
御昼を押して私を迎えに来てくれた彼に、
オニギリを3つ手渡す。
中身はイクラと鮭と梅。
食べ物の好みは似ているから、きっと喜んでくれると思ったが、
その前にコンビ二のオニギリを2つも食べて菓子パンを摘んでいる所だった。
それでも、嫌な顔もせずに私の作ったオニギリを食べてくれる。
お目当ては「イクラ」・・・・でも、中々当たりは出なかった。
百合は時期が遅すぎてしまったのか、もう散る所だった。
他にも色とりどりの百合が咲いていたが、
私が見たかった百合ではなかった。
彼と見たかった百合は本当に少ししか咲いていなかった。
少し寂しかった・・・。
好きな百合が散る事はこの街にも本格的な夏が訪れる事・・・。
この街の夏が去るのは本当に早い・・・・。
夏が過ぎたら彼とも1年の付き合いになる。
1年前と何も変わらない・・・・。
1年前と何も変われない・・・・。
そう思うと、何となく又虚しさがやって来た。


百合の代わりにハルニレの木を沢山みつけた。
私達はその木の木陰にゴロンと横になった。
真っ青な空を見上げて目を瞑ると心地よい風が吹いて、
暫くすると手が届きそうな近さで飛行機やヘリが空を横切って行った。
私が持ってきた一眼レフで、
彼は寝転びながら空や木の葉を撮って遊んでいた。
とても楽しそうだった。
カメラを地面に置くと少し他愛のない話をして楽しんだ。
横を向くと彼は目を瞑ってジッとしていた。
とても気持ち良さそうに目を瞑る彼は、恐らく何も考えていなかったと思う。
私は・・・・。
私は色々考えていた。
頭の中でグルグルと、どうでも良い事を考えるのは何時もの悪い癖だった。








↑押すと文字が変わる投票ボタン

こっちはMy追加のボタンです。






そんな事・・・・・
あるはずも無いのに、
私はゆっくり目を瞑った。









2002年07月24日(水) 心と体


彼の離婚できない理由を聞いて、不倫する男の常套句だと解っているのに、
どうして私は彼と別れられないのだろう・・・・。
彼との将来などある訳も無いのに・・・・。
一緒に暮らす事など一生出来るはずも無いのに・・・。
彼が好きだから?
彼が優しくしてくれるから?
そんな事を一つ二つ考えてみても、又胃が痛むだけだった。


午前中から病院へ向う。
今日はエコーとCTの検査。
どんなに胃が痛んでも胃カメラは嫌だった。
最後にカメラを飲んだのは4年前、胃潰瘍で入院した時。
観念したようにまな板の上の鯉状態だった。
その前は6・7年程前だったと思う。
通院していた病院での検査。
ファイバースコープの管が胃に入った瞬間、
貧血が起きそうになってしまって、
その管を自分で引っこ抜いてしまった。
先生の後ろに居た看護婦さんが大声で怒鳴っているのを聞いた。
今日の検査は簡単な物だと思っていた。
エコーは何時もの通り、同じ所に何度も器具を当てられて、
やはり何処か可笑しいのかとドキドキしていた。
暫くすると点滴の用意の為に血管に管を入れられる。
CTの検査なのに点滴をするのだろうか?と不思議に思っていると、
造影剤を使うと言う。
前の診察の時には何も聞かされていなかったので、少し戸惑ってしまった。
私の血管は注射針を嫌っているのか、
どんなベテランの看護婦さんに針を刺されても一度で貫通する事は無い。
今日も両腕に2本ずつ刺されてしまった。
左腕に絡みつく点滴の管を綺麗に整えながら看護婦さんが私に言う。
「造影剤で稀に具合の悪くなる方が居ますので、
可笑しいと思ったらすぐに声を掛けて下さい。」
そんな事を言われると私はすぐに不安になってしまう。
5分も経たないうちに心臓の音が強くなっていく・・・。
「スイマセン・・・・・。」
不安そうな顔を見て看護婦さんが言ってくれた。
「大丈夫ですよ・・・造影剤はまだ入れていませんから・・・」
「何時も検査の時は具合が悪くなるの?」
自律神経が可笑しいと言うと、看護婦さんは苦笑いしているだけだった。
CT検査は思ったよりも早く終わった。
造影剤を入れると体が熱くなって大変だったけれど、
考えていたような発作は起こらなかった。
検査結果はやはり、消化器官が弱っているだけだったが、
人よりも器官が一つ足りないだけで、
こんなにも自嘲しなくてはいけない事があるのかと思う程、
日々の生活の注意点を挙げられた。
食べてはいけない物・睡眠時間・ストレスの解除方法・
適度な運動・禁煙・禁酒・etcetc・・・・・・・・。
まるで糖尿病患者か、これにホルモン剤なんか加わったら
更年期障害の人のような生活だ。
今日も大量の薬を貰って帰宅する。


彼に病院から戻ったら、すぐに連絡する約束をしていた。
私の体調を一番、心配してくれていたのは彼だった。
同居人は「又、具合悪いのかよ・・・・・」と冷淡な言葉しか私に発しなかった。
結婚する時、母が言ったはずだった。
「この子・・・・私に似て弱い部分もあると思います。
普通の人みたいに何時でも元気という訳にも行かないですし、
貴方よりも10歳近く上で・・・この先、どうなるかなんて解らないのですよ?
それでも、良いという覚悟があるのなら、どうぞ結婚して下さい。」
母も元々、体が弱い人だった。
若い頃、病気になってその後、ずっと体調が思わしくないが、
何とか長年その体と付き合って来ている。
私も年々、母に似て来ている。
一年のうちに快調と言える日は何日くらいあるのだろうか?
この前、ネットをしながら日々の生活態度から寿命を割り出せる
そんなサイトを見つけて、早速チェックを入れたら、
私の寿命は50.2歳という結果だった。
長いのか短いのか・・・・・。
時々、バッと咲き乱れてパッと散っていく人生も素敵だと思ってしまう。
でも、実際はそう思っている人程、死に際はドロドロしている様にも思う。
彼に電話をすると、少し緊張した声で「どうだったの?」と聞かれた。
結果が悪かったら即、電話をする。
悪くなければメールで、入院したりする様な事があったらメッセで・・・・。
そう話してあったので電話が来た時は
きっと少し重たい気持ちになっていたのだと思う。







↑文字が変わる投票ボタン

こっちはMy追加のボタンです。


そう言うと、彼が安心して笑った。



病は気からとは昔の人も良く言ったものだ・・・。
優しくして貰って心が少し楽になると、
体も何時の間にか楽になったような気がして来た。


心と体は連動しているという事なのか・・・・?
それにしても・・・・・・・。
私という人間は全くもって単純・単細胞な女だ・・・・・・・。






2002年07月23日(火) 言い訳




朝の6時半に目覚ましをセットした。
今日は一日、彼の日帰り出張に付き合う予定。
頭の上で時計が鳴っている。
「えっ?もう朝なの?」
なんて短いんだろう・・・。
このまま、ずっと彼の腕枕で眠っていたのに・・・。
そう思ったけれど、彼より先にそっとベットを出る。
まだ彼は眠っていた。
私の頭を乗せていた腕枕はそのままの形で。


「御腹がすいたな・・・・・。」
昨日の夜、買ってあったレーズンのクッキーを食べる。
彼も私も子供の頃、人気だった御菓子が好きだ。
「カリントウ」や「いもけんび」など・・・レーズンクッキーもそうだけれど、
今でもコンビ二に置いてくれるのは嬉しい。
先日から胃痛が酷いが、時々、胃拡張と胃液の分泌が可笑しくなったり、
食べ物が入ると急に消化が悪くなったり・・・・。
今朝は何故か普通に御腹がすいていた。
レーズンクッキーを半分食べた所で、
彼も隣に私が居ない事に気がついたらしい。
「起きてたの?」
子供の様に目をこすりながら起きてくる彼。
煙草に火をつける頃には、もう7時を回っていた。


通勤ラッシュの車を気にしながらホテルを後にする。
日帰り出張の、この道を彼と走るのは何度目になるだろう・・・・。
彼の営業担当地区は海沿いの街と、私の育った北の街。
これからも、こんな風に彼とこの道を走って行けるだろうか・・・・不安になる。
随分前の事の様に感じるが、彼からの仕事を断ってから、
よく彼は出張に連れて行ってくれる。
市内での仕事では無く、
担当地区の仕事を貰っていたから見ないと解らない事も沢山、あるし・・・。
気を遣ってくれているのかと心配になる。
商談が終るまで駐車場の車の中で一人彼を待つ。
それ程、長く掛からない打ち合わせなので私は本を読んだり、
ライフワークをしたり・・・待っている間も寂しくはなかった。
長くても30〜40分で車に戻ってくる彼。
資料を揃えて「じゃ〜行ってくるね。」とキスする彼に、
ここが取引先の駐車場だという事を忘れているのではないかとビックリする。


3件目の商談を終えると、今日の予定はもう何も無い。
それでも、帰る頃は夕方だ。
お昼もスッカリ回ってしまったので何処かで昼食を取ろうと言い。
彼は「海鮮チャンポンを食べたいな〜」と言う。
一軒の食堂に二人で落ち着く。
私は大好きな雲丹丼・・・・。
彼の前で雲丹丼を食べるのはこれで2回目。
春からずっと食べたいと言っていた。
前に雲丹丼を食べた時も彼と諍いがあって、
二人で雲丹丼を食べる事は絶対、実現しないと思っていた。
今回も状況は似たり寄ったり・・・・。
雲丹丼は何時の間にか仲直りの印みたいなものになってしまった。


昼食をゆっくり取っていたせいか、帰りは遅くなってしまった。
急いで高速に乗る。
そして、彼がゆっくり口を開いた。
喧嘩の後の一泊旅行だったが、御互いその事については話さずに居た。
意味の無い旅行だったのかも・・・・そんな風に私は感じていたが、
彼が最後の最後になって真意を口にした。

「離婚はね・・・したいと思っているんだょ。
もう、家の人には何も想っていない・・・・・。」

「だけど・・・子供の事を考えると・・・・子供の成長をこの目で見たい。
成人した姿を見てみたい・・・。」

「立派な成人として世に送り出してあげたい・・・
それまでに・・・親としてやるべき事はやってあげたいと思っている。」


心の中で・・・・・・・。
「嘘吐き・・・・・・。」
と諦め顔の私が居た。


ザッと考えても彼の子供が成人するまで10年もある。
そんな・・・10年なんて・・・。
10年も彼と私が付き合って居る事なんて考えられない。
その内、きっと私は同居人と離婚するだろうし、
子供も小学校の高学年になっているだろう。
今よりも状況が悪化しているかもしれないし、
年を重ねる度にもっともっと、柵も多くなるかもしれない・・・。
年の初めに彼が私に言っていた・・・。

「今年は・・・・なるべく早く、すみれと一緒に暮らせるように努力する。」

全部、嘘だったのだろうか・・・・・。
彼は架空の話をしていたのだろうか・・・。
子供は何時か自分の元を去って行ってしまうし、
子供の為に自分の人生を賭けたりはしたくない。
自分のために・・・思うままに生きて行きたい・・・・。
そう言っていたのは誰だったのだろう・・・・。

どちらにしても・・・・。
彼は自分の子供との生活を選んだのだ。
それは・・・家族と生きて行くという事と同じ。
子供が成人する頃には彼の家庭も何か変わっているかもしれない・・。
家の人と心を触れ合わせたりしているかもしれない・・・。
先の事なんて誰にも解らない・・・・。
それでも、私に「子供の事が・・・・・。」という彼はきっと、
死ぬ時も子供に自分の人生を捧げて後悔はしないのだろう・・・。


「今は・・・・離婚出来ない・・・・。」
もう、何度も何度も聞いてきた・・・・。
子供が可哀相だから・・・・。
子供の将来が・・・・・。
何時も言い訳は同じような事。
そんなに子供が大切なら、
何で私と付き合っているのだろう・・・・。







↑エンピツ投票ボタン

こっちはMy追加のボタンです。




2002年07月22日(月) 御泊りデート



昨日の諍いで二人で決めた事、
電話やメール、メッセでは他の人の意見や離婚の話などはしない事。
私達は将来の確信は出来ない二人だから、
ほんの些細な事でもイザコザに発展してしまう。
それは私の、この支離滅裂な性格によるものが、ほとんどだけど・・・。
何かと顔を突き合わせていないと、
御互い何が真意なのかも解らなくなってしまった・・・。
「喧嘩はもうしたくない・・・」
彼がそう言う。
私も無意味な争いはしたくないと思った。
このままで良いのかも・・・・。
このままで・・・何も変わらない方が幸せなのかも・・・。
昨日は少しそう思った。

約束していた御泊りデートは行く気がしなかった。
こんなに心が乱れたままで行くのには気兼ねした。
でも、彼がどうしても「行こう・・・・」と言う。
何か・・・変るものならば・・・・そう思って頷いた。
午前中は血液検査の結果を聞きに行った。
そんなに深刻ではなかったけれど、幼い頃に手術を繰り返した結果、
消化器官の低下が頗る目に見えて衰えているとの事。
水曜にエコーとCTを使って再検査。

家に戻って家事をこなすと出掛ける用意の時間が無くなってしまった。
急いで用意をして電車に飛び乗る。
デパートで用を足して、彼に電話をする。
一緒に文具屋と本屋と彼の大好きなメーカーのプラモデル展へ行く。
とても、精密で細かい作品を見て回る。
「コレとコレね、子供の頃のクリスマスプレゼントでオヤジに貰ったよ。」
そう言う彼は今でも子供の様な目をしていた。
「一緒に生活していたら、真新しい棚を買って、
好きなだけプラモデルも陳列させてあげるのに・・・・。」
「この前・・・買ったコプラのプラモデルは何処に飾ってあるのだろう?
又、文句を言われて押入れの中になんて仕舞っていないよね。」
そんな事を思いながら一緒に回る。
彼は周りを余り気にしない。
「誰かに見られても外注のスタッフと言えばいいでしょ?」と笑う。
「それは・・・事実だけど・・・・。」と私が言うと、
「気にしないでいいよ。」と言う。
彼も私も・・・・思っている事は一緒なのかもしれない。
二人はどう見ても、彼と彼女という感じではない。
やはり、取引先の仕事相手といった感じたろう・・・。
夫婦って・・・・よく似てくると言うから・・・。
彼の家の人は彼に似ているのだろうか?と不意に思う。
例えば・・・・、
優しくて何でも包み込む様な瞳や・・・・。
穏やかな口調や・・・・。
私も彼と一緒に居たら、似てくるのかな?と思う。
私と同居人はよく姉と弟に間違えられた。
顔のパーツはそれぞれ違うけれど、オーラが似ていると言われる。
性格も価値観も全く違う夫婦なのに似ていると言われるのなら、
彼と家の人が似ているというのも、きっと当てはまるだろうと勝手に解釈した。

予約時間にピッタリとレストランには着いた。
予約と言っても電車に乗る前に私が電話しただけ。
何時もの様に庭側の席に座りたかったから・・・。
一応、結婚記念日のフルコース・・・。
でも誰が見ても夫婦には見えなかったかもしれない。
それに・・・世の夫婦は記念日にフルコースを食べには来ても、
こんなに会話をして笑いあったりするのだろうか?とも思った。
私の知っている仲良し夫婦は、
二人でネズミ講を楽しんでいるか、
ギャンブルを楽しんでいる様な人達ばかりだし、
仲が良いというのは何処で判断するのか解らないけれど、
ただ淡々と食事をして会話の無い夫婦が当たり前の夫婦に感じた。
時々、ポツリと言葉を交わして、そして少し笑みを交わして又食事する。
そんな普通の行為を普通にしている人達が、
本当の夫婦と言えるんじゃないかと思った。
「きっと・・・淡々としていても、
何か同じ目的を持って生活している人達は何時までも仲が良いのかも・・・。」
そう思いながら、私は周りのウェイトレスが私達をどんな目で見ているのか、
とても気になった。

「何処かドライブでもしようか?」
食事の後、どうしようかと思ったけれど、
一番良い部屋をタダで泊まろうと思っていたので、
「少しくらい前延長を取られても、損じゃないよね」と言って、
少し早目にホテルに行く事にした。
その前に一件だけドラックストアに行き白髪染めを買う。
もう決して若いとは言えない年齢の彼。
ホテルについたら白髪交じりの髪を染めてあげる約束をしていた。
丹念に髪染剤をブラシで塗る。
生え際も襟足も、そうそうコメカミも忘れちゃいけない・・・・。







↑エンピツ投票ボタン

こっちはMy追加のボタンです。



とても楽しい時間だった。
大きな喧嘩の後だったからか、
彼は私を終始気遣ってくれたし優しくしてくれた。
「う・・ん・・・時々・・・・・・・。」
そう答える彼から目を逸らして私は黙々と髪染剤を塗りながら、
「どうして、こんな事聞いたのだろう・・・・聞かなければ良かった・・・。」
と後悔した。
浴室に付いているテレビを二人で見ても、
暖かい手に触れていても、
それは心の何処かに引っ掛かって居た。
ただ、明日の朝、
目覚めても、隣に彼が居てくれる事が唯一の救いだった。









2002年07月21日(日) 彼の跡



昨日はどうやら、泣きながら眠ってしまったらしい。
朝は少し目が腫れていた。
決めていた御泊りデートも一方的にキャンセルしてしまった・・・。
日曜日でも連絡はくれると思っていた。
家に居ても、仕事でPCを開く時はメッセで、家人の目を盗んでメールで、
ちょっと外出する時は電話で、時間のある時は逢ったりして、
彼と私は繋がっていた。
そうやって彼は休日でも気に掛けてくれていた。
土曜も日曜も同居人は出勤だし、
子供と二人でボッーと家に居る私を寂しがっては居ないかと
心配してくれていた。
でも・・・・・。
今日は電話もメールも要らないと思っていた。
彼は私を束縛する事に関して「もうしないよ。」と言っていたが、
私自身、束縛されたい気持ちと束縛されたく無い気持ちと・・・・。
どっちつかずなのに何か置いて行かれた様な・・・・。
そんな気持ちになってしまった。
こんな子持ちで、みすぼらしい一主婦である私の事を
執着して考えてくれる事自体、有難い事だったのかもしれない・・・。
そんな風にも思ってみたり。
これから先、私が離婚して同じように束縛されても、
それを窮屈と思わずやって行けるのだろうか?と思ってみたり。
午後に彼のPCに一通のメールを送る。
「どう考えても、貴方に私を束縛する権利は無いです。」と・・・・。



夕方「これから、オヤジの見舞いだよ。」とメールがあった時、
電話をしないほうが良いのだろうか?と思っていた。
でも、反射的に受話器を握り締めている私が居た。
そう・・・何時もそうやって彼の優しさに甘えて居たし、
何時の間にか、そういうのが当たり前になってしまった。
もしかして・・・彼の思惑なのかも知れないとさえ思った。
優しくされる事、そして束縛される事で
私は自分を何処にも逃げられないように追い詰めてしまっていたし、
どうしても声が聞きたい、逢いたい、一緒に居たい、
そうやって横暴な欲求を抱え続けて、ここまで来てしまった。
何か・・・方向転換しなくっちゃいけない・・・。
今度はそういう気持ちに追い詰められていた。



電話を取った彼は優しかった。
一通りお父さんの様子を伝えてくれると、
「今日は何してたの?」と優しく聞いてくれた。
心とウラハラに静かに経過を聞居ていたが
何時の間にか昨日の事で押しつぶされそうになって、
とうとう言ってしまった。
「ねぇ、昨日のあの問題・・・もう少し後から話そって言ったのに、
どういうつもりで話題にしたの?」
酷く攻撃的な言い方だったと思う。
彼も束縛し過ぎて私が崩壊し始めた事に気がついていたし、
束縛しないでと言われるのに、
それを続けて嫌われるのが嫌だったのだと思う。
「だから・・・もう束縛しないって・・・。」
そう言われて「うん」と一言頷けば良かったのかも知れないけれど、
一度、流れ落ちた私の気持ちは後戻りできなくて、
彼に在る事無い事、自分の気持ちをぶちまけた。
「離婚も出来ないのに今まで何で親みたいな顔で私を束縛してきたの?」
「私が誰と遊ぼうが誰と寝ようが、貴方には関係の無い事でしょ?」
彼もホトホト私の攻撃的な物言いや、短絡的な所に
嫌気が差していたのだと思う。

















↑エンピツ投票ボタン

こっちはMy追加のボタンです。











私は耳を疑った・・・・。
へっ?今何て言った?
私の性格が嫌だから?離婚しない?
何、それ・・・・。
だったら、何で今まで付き合って来たの?
こんなになるまで解らなかった訳じゃないでしょ?


日曜なのに彼を呼び出した。
何度聞いても「今日は駄目だよ」と言う彼だったが、
「来ないなら死んでやる」位の勢いの私に圧倒されて彼も深夜にやって来た。


何を言ったか・・・ハッキリ覚えていなけれど。


「アンタなんて家族に愛されてもいないくせに・・・・」
「そうやって、年を取って死んじまえ! !」
「私の性格が嫌いなら、もう構わないでよ! !」
「いい加減、自由にしてくれっっ」

そうやって、彼を罵った。
大声で何度も罵った。
彼の車の中で私は錯乱状態だった。


彼はただ、頷いて・・・・。
「ごめんね」
と言うだけだった。
何を言っても・・・・。


「ごめんね・・・・」
「ごめんね・・・・」
「ごめんね・・・・」


何時もそうだった。
自分の感情を表に出さないで、
「ごめんね・・・」と言って逃げてばかり。
































私は・・・・・。

















思いっ切り・・・。





















彼を・・・。






















殴った。


















左の耳を押さえて、
彼が背中を丸めていた・・・。

















又、私が怒り出すと・・・・。
彼は私の両腕を押さえて、
「すみれの・・・そういう所を見たくない。
怒ったり泣いたり怒鳴っている姿を見たくない。」
そう言う・・・・。
「こんな風にしたのは貴方じゃないの?」と私が言うと、
「うん・・・・・・。」
と言って少し目を閉じて何かを堪えている様に見えた。























「あのね・・・あのね・・・・
束縛が嫌な訳じゃない・・・・。
それが当たり前になっていって・・・。
そして、自分が自分をガンジガラメにするのが怖かった・・・・。」



















「どうして・・・・一緒に居られないの?」




















「ねぇ?・・・・・どうして・・・・・・・?」




















何かを必死に堪えている彼を見て、
私はそう言うと、大声で泣き出した。
彼は・・・・・・。
何も言わず、
ずっと私の背中を擦っていてくれた。

























私達・・・・・。
やっぱり別れられなかった・・・・。





















家に帰ってきてみると、
両方の手首にクッキリ彼の指の跡・・・・・。





































ずっと・・・・。
消えなければいいのに・・・・。
ずっとずっと・・・・・。





























そう思った。





















2002年07月20日(土) 接点

ごめんなさい。今日も又、長くなってしまって居ます。
読むのが大変だと思いますが、書く事で少し救われている私をどうか許してください。








海の日、祝日。


夏はやっぱり、どうしても好きになれない。


長い休みが来る・・・・。




学生の時も社会人になった時でも。
休みがあるとどうしても、好きな人に逢えない時がある。
普通に同棲していても同じ事・・・。
結婚していなければ他人・・・・。
結婚していても、勿論、他人だけれど。
家族じゃないから、実家に帰省する時も一緒には帰れない。
どうして・・・・・・・・・・・・・・。
好きじゃない人とは一緒に居られて・・・・。
好きな人とは一緒に居られないんだろう・・・・。

神様は時々、意地悪をする。

それが私に対する試練で後から試練に耐えた御褒美が待っているのなら、
幾らでも耐えて見せるのに・・・。
今は御褒美も試練の報いがあるのかも解らない・・・。
辛くて長い道程の上に私は居る・・・。
彼もそうなのだろうか?
彼も今は辛くて長い道程の旅人なのだろうか?

何も解らない・・・・。

きっと、楽しい事が好きで向上心も人一倍ある人だから、
私のように辛くて切ない付き合いなんて思ったら、
すぐに嫌気がさしてしまうだろう・・・・。
元々、私達は人生においての接点なんて何処にも無かったのかもしれない。
私達が出逢ったのは必然ではなくて、
ただの偶然だったのかもしれない。
「必然と言う名の偶然・偶然と言う名の必然」
そんな・・・・
格好の良い物ではない。
ただ、都合がよい位にそこに居ただけだ・・・・。
ネットでの出逢いなんて、そんな物だ・・・・。
そして、御互いの生活に欠如している物を、ただ逢って満たすだけ・・・。
それが不倫だ。

もしかして、
その日によって、

疲れた心を癒したり、癒されたり、
昔話を聞いたり、聞いてもらったり、
夢を話したり話されたり、
大切な物を見たり、見せられたり、

そうするかもしれないが・・・・。

究極は・・・。
渇いた体を潤す為に、
求めたり、求められたり、

そんな事の繰り返しだ。
そんな事しか出来るはずも無い。

何処にも交差する部分が無いのかもしれない。
同じ道では無く。
脇を走る線路の様に平行線で、
そして、それは何時しか、それぞれの道を行ってしまう。



なんて悲しい関係なのだろう・・・・。



彼は今年の夏、何をして過ごすのだろう・・・。
夏期休暇が御盆休みの他にもあるらしい。
家族とどうやって過すのだろう・・・。
今日のような休日を家の中で、どうやって過しているのだろう・・・。
これからの・・・・。
長い時間を彼は家族の為に費やすのだ。
決して、私の為じゃない・・・。
彼の人生は家族の物だ・・・。
私が・・・・・。
幾ら彼の事が好きでも。
喉から手が出る程、一緒に居たいと願っても・・・。
どうやったって・・・・。
何も・・・・手に入らない・・・・。
彼は家族の元で生きて死んでいくのだ・・・そう決めたのだ。
例え家族に自分が愛されていないと解っていたとしても・・・。

何もかもが悲しくて・・・。
何もかもが切なく見える・・・。










私は離婚を考えている。
同居人と暮していくのはもう、精一杯・・・・。
好きな人でもない。
そんな気持ちは長い結婚生活で何時か見失って行くものだと
思っているけれど、
何よりも人間としての基本が好きじゃない。
「何故に結婚したのか?」
と言われれば・・・・。
「この結婚は失敗で間違いでした。」
と答えるしかない。
このまま、この人と人生を歩いて行く気も無い。
何も見つからない人生なんてイヤだ・・・。
私は何かを見つけて、それを手にする為に生きている。
それが何かと問われても、
まだまだ、知らなくてはいけないことがや山積みで、
本当はそれを見つけるべき人と一緒に居たい。
同居人は私の本当のパートナーでは無いのだ、
そして、同居人も同じだと思う。

ただ、離婚となると、色々な問題が生じてくる。
私の実家から借りたお金の事・・・。
私が独身の時にコツコツ溜めたお金・・・。
養育費の事。親権の事。
将来、面倒を見ていく約束だった、
同居人の障害を持つ両親の事。
私の実家にも両親を見る人が居ない。
そして、幼心に絶対、傷つくだろう子供の事・・・。
私と同じような傷を子供にも作りたくは無い・・・・。

結婚とはこういう物だったのだ・・・・柵の中に身を投じる事。
結婚しなければ解らない事が多すぎた・・・。
経験しないと解らない事が人生には多すぎる。
悲しい傷が増えていく・・・。
誰だって子供のまま・・・。
蒼いままで居たいのに・・・・。

お金の事は妻と言う立場になって、
家を支える一員として、税金の事も詳しくなった。
毎年、夫婦喧嘩の末、大怪我する私の事だ・・・。
医療費還付制度にはすぐに飛びついた。
先日、お金の事で同居人と喧嘩した・・・。
別居しようという気は御互いあるのだ・・・。
暫く離れて暮す事も良いだろう・・・と同居人も言った。
ただ、先立つ物が何処にも見当たらない。
借金まみれの生活は何も残してはくれないし、
日々、借りた金を払うので精一杯の生活だ。
貯金なんてあるはずも無い・・・。
私は生活の為に自分の定期預金を全て使ってしまった。
私が働いていた時、何かがあるといけないと思い。
本当にコツコツと貯めて来たお金だった。
同居人にそれを返して欲しいと言った。
それがあれば別居は簡単な事だったのだ。
私のお金だから・・・と言うと、二人の生活の為に使ったのだから、
致し方ないだろうと言う。
何か、ふに落ちない・・・。
私は二人の生活で借金などした事が無い。
当たり前の事だ・・・・。
同居人が勝手に作った借金の為に生活が厳しいのだ。
そして、そのせいで私の貯金を使わなければいけなかった・・・。
後日、家庭内裁判の事について書いてある本を漁る様に見ようと心に誓って。
これからの家計や現金の出納は全部、同居人に任せる事にした。
理由はその他にもあったのだけれど、
お金の事でブツブツ言われるのはもう耐えられなかった。
自分の稼ぎの悪さや自分がした借金の意味を解れば良いと思う。
それで私が楽に慣れるのなら後の事は知らないで良い・・・。
投げやりの結婚生活なんて、こんな物だ。

私の家の離婚や別居は彼には関係の無い事だ。
勿論、私が離婚したら彼は今までの様に逢いたい時に逢えないという、
不都合からは開放されるだろう。
一緒に居たいときは居られるかもしれない。
寝たい時に寝られる都合の良い女になるかもしれない。
私はそれでも、良いのかも知れないと思った・・・。
実際、今私は彼の事が好きで、彼の喜ぶ顔が見たいとも思っているのだ、
私と逢って私を抱く事で彼が喜んでくれるのなら、
それはそれで本望だろう・・・・。
でも、そう考えれば考えるほど心が軋んでいくのは何故なんだろう・・・。
私が離婚しても彼の生活は変わらないだろう。
私は・・・・・私の生活は・・・・・。
きっと、彼一色になってしまうだろう・・・・
それも、今と変わらない事なのかもしれないが・・・。
それでも、きっと・・・。
別にもう一つ、彼の家庭があるように振舞ってしまうだろうし、
今よりももっと彼を必要とするだろう。
それは避けなければいけない・・・・そう思った。
「私は私であって、彼の人生とは何も関係の無い女なのだ・・・。」
「どう思ったとしても、彼には家族という人達が居るのだから・・・。」
自由に生きたい・・・・。
私は私の良いように生きたい・・・。
そう思って、偶然に繋がった夕方の彼とのメッセの中で言ってしまった・・・。







↑エンピツ投票ボタン

こっちはMy追加のボタンです。




彼は今まで、私を束縛し続けてきた。
いや、束縛とは言わないかもしれない。
束縛されていると思わない以上、
束縛とは言わない物なのかもしれない。

私のPCを彼が触る時、
PCを教えて貰っている身なので無防備にメールもネットのキャッシュも、
全てを曝け出して来た。
パスワード設定もしていなし、何もかもが筒抜けだった。
きっと・・・・見たい事、知りたい事もあるだろうと思って
中身は全部、見せて来た。
彼は私の事を信用していなかったみたいだし、
結婚前に付き合っていた男の人の話を色々して来てしまったから、
過去の私の行動と今の私の行動を全部織り交ぜて考えてしまっている様だった。
「別に良いんだよ、見たかったら見ても・・・。」
メールの受信ボックスを開けたそうな顔をしていたから、
やはり気になるのだろうと思って、今まではそう言ってきた。
ホットメールのパスワードを私から言ったのはスッカリ忘れていた。
それで見られては、いけない物を見られた時はビックリしたけれど、
彼の思うがままにして来たのは私だったから、
自分のした事を自業自得にしたのは仕方ない事だと思った。
それにPCの事ばかりじゃなかった・・・。
誰と何処へ行ったのか、誰と電話で話したのか、
内容は?僕の事は話したの?何て言っていた?
言わなければそう聞かれたし、そんな事も何度かあって私は何時の間にか、
自分から色々、話す様にしていた。
別にそれは嫌な事ではなかった。
好きだから心配する彼の気持ちも解ったし、
私自身、心配してもらえる事は喜ばしい事だった。
これが束縛と言うものなら・・・・。
束縛とは固執したり執着したりするものだろうから、
執着する何かがそこにあるはずだとも思った。
彼が私に執着するのは私の事が好きで心配で、
何時か裏切られたりするんじゃないかという不安から来る物だと思った。
余計な心配はさせたくないと思った。
そして・・・・・・。
何時の間にか私は自分で自分をガンジガラメにして来てしまっていた。
今考えると・・・。
自分が一人になったからといって、束縛されていると感じるのは・・・。
もしかして、私の彼への愛は・・・・。
本当に本当の愛とは言えない物なのかもしれない。
自分の横に同居人が居て安全と言えるうちは彼からの束縛や執着心に
答えられている事が出来ても、
状況が変わったら、束縛や執着をしないで・・・と言うのは、
何か可笑しいとも思った。
本当の愛って・・・状況が変わって幾ら自分が最低の中に居ても、
相手の事を認めて受け入れる事なんじゃないのだろうか?
そう思うと、考えが纏まらなくなった・・・。

束縛しないで、と言う私の意見に彼は
「すみれは・・・男友達が居ないと駄目なの?」
と聞いてきた。
「好きなだけで心配してはいけないの?」
「将来がハッキリしないと束縛しちゃ駄目なの?」
「なんか・・・寂しいよ・・・。」
そう言っていた・・・。
私も寂しかった・・・。
心配はして欲しかったし、
彼が私を他の人に取られたくないというサインだと思っていた。
何時も何時も気に掛けていて欲しかった。
でも・・・一人になって・・・・彼しか見えなくなって・・・・。
誰も周りに居なくて・・・・そして、彼は離婚しなくて・・・・。
それで・・・・・・遣って行けるのだろうか?とも思っていた。
私は一人で子供と一緒に将来の不安を抱えながら生活しているのに、
彼は家に帰って御飯を食べて、御風呂に入って、
家族と談笑しながら生活していくのだ・・・。
彼の事だから、私には時間の許す限り逢いに来てくれるだろう、
でも、家があるのだから・・・そこに帰るんだろうし、
生活もして行くんだろう。
そういう些細な事に日々、考えさせられながらやって行けるのだろうか?

「この話は又、落ち着いたら話そうね」

そう言って夕方のメッセを終らせたのに、
深夜になってからのメッセで又この話がぶり返してしまった。
御互い、罵倒の嵐だった。
私は彼に束縛する権利は無いと言い。
彼は束縛は独り占めしたい気持ちだから、
何故にそれがいけないのか?と言う。
私は中途半端な心配だったら、して貰わなくて結構と言い。
彼は私のそんな所が不安材料だから束縛して来たと言う。
やっぱり・・・・。
接点なんて何処にも無い・・・・・。
二人とも最初から交差する部分なんて持ち合わせていなかったのだ・・・。










束縛する権利・・・・。
結婚でもしなければ起き得ないのかもしれないねと二人でPCの前で頷く。






「もう、束縛はしないよ・・・・・・。」




彼が諦めたように言う。



まるで私と一緒に居る事を諦めたように言う。







彼も私も酷く悲しくなった・・・・。
悲しさ紛れに彼が私に意地悪をする。

「でも・・・・すみれは僕と結婚しても・・・・
誰からも束縛されたく無い人だよ、きっと・・・。」







違うよ・・・・。
違うんだよ・・・。
束縛はされたいんだよ・・・・ホントは・・・・。
ガンジガラメにだって貴方にだったら、して欲しいと思ってるんだ。
それはとても楽な事なんだよ。

周りが何も見えなくなって・・・・・。
貴方に翻弄されて・・・・・・。
貴方が居ないと息も出来なくなって・・・・。
溺れて溺れて・・・・・。

そうやって生きて行けたらどんなに楽なんだろう。
出来ればそうしたいけれど、
最後にそんな私を見た時に貴方はどう思うだろう?
スンナリ手を差し伸べてくれるだろうか?
それでも、貴方の肩には家族が乗って居るんでしょ?
私が乗る所なんて残っていないでしょ?

何か考えなくっちゃいけない・・・・。
一人になるなら何か・・・・・。








束縛されたい気持ちと・・・・・・。
束縛されたく無い気持ちと・・・・。
束縛されたい気持ちと・・・・。
束縛されたく無い気持ちと・・・・。





あぁ・・・・・今日は・・・・・・。
このまま眠ろう・・・・・。
何も考えたく無い・・・・・。





















2002年07月19日(金) 花火は好きですか?

突然、同居人が仕事を休んだ。
二・三日前から体調が良くないらしいが、段々、酷くなっていく様だ、
朝はずっと眠ってる、掃除機を掛けられない・・・・。
時々、寝たり起きたりしている。
私も午後からは病院へ。
胃が最悪な状況になる前に手を打たなくっちゃ・・・。
胃カメラを飲まなくても薬を貰える唯一の病院へ行って見る。
血液検査の結果は月曜日に出るらしい、
大量の薬を貰って家に帰る。
帰ってみると同居人はテレビを見て寝転んでいる、
その姿はどう見ても、体調の悪い人という感じではない。
朝、具合が悪くて出来なかった洗濯をする。
洗濯をするのは割と好き。
小中学生の時、学校へ行く前の朝の仕事が「洗濯」だった。
養父と母と妹2人と祖父母と私の分の洗濯物をガラガラと回す。
その間、すぐ下の妹と家の中の掃除機掛けと拭き掃除。
洗濯物を干すのも私の仕事だった。
何処に何を干せば、効率良く干せるのかを考えながら、
洗濯物を一枚一枚、物干し竿に干していくのが好きだった。

「なんで、同居人の下着まで洗わなくっちゃいけないんだろう・・・。」

私は急に現実に引戻されて思った。
頼んだ事も何一つスンナリとしてくれないのに、
私には家事の事も食事の事も何時も、横から口を挟んで来る・・・。
洗濯物も食事の仕度も全部、自分で遣れば良い。
文句を言うエネルギーも減って楽だろう。
私はきっと、同居人の事はコレッポッチも愛していないんだろう。
何も思って居ない他人の世話で、ここまでするのだから、
毎日、うんざりだ・・・・。
ここに居るのが彼だったら、どんなに幸せだろうと思う。
彼だったら・・・彼のだったら・・・・。
そう・・・・彼の為だったのなら・・・。
食事の仕度も掃除も洗濯も・・・生活の全てが楽しくて、
素晴らしい物に感じるだろう。
何も障害が無く結婚していたのなら、もしかして同居人にと同じように、
彼に対しても、そうは思わなかったのかもしれない。
「亭主元気で留守が良い」
なんて、昔のCMであったが、今の結婚生活がまさにその通りだ。
だから尚更、次は何があっても好きで居られる人と一緒に居たい。
それは・・・・気持ちの問題にしても、現実的にも無理な話なんだろうか?
私はさっさと洗濯物を干すと、PCのある部屋にズッと閉じこもって同居人と
顔を合わせない様にした。喧嘩になるよりは幾分マシだ。
そして、それは一日中続いた。

今日、彼は会社でのデスクワークの日。
3度程、メッセが繋がる。
3度目のメッセはもう、時計の針は8時を回っていた。
もう少ししたら直帰するという彼、今日は車が混んで居るので、
ナカナカ家に着かないね〜と話す。
今日は私達が住んでいる街の大きな花火大会がある日。
川の河川敷で行う花火はもう、1年以上前から近くのホテルの部屋や、
ラウンジは予約でイッパイらしい、
過去に私も、その河川敷のすぐ横のマンションで暮して居る事があった。
その間に花火大会を見る事が出来たが、
非常階段の踊リ場は何処の階も満員だった。






↑エンピツ投票ボタン

こっちはMy追加のボタンです、ポチッとして下さいね。




何時も私は悲しいのはイヤだから結末を見ないで、
空が明るいうちに帰ってきてしまう。

幼かった頃、御祖父ちゃんの背中で見た花火は、
何だか怖くて大声を上げて泣きながら見ていた。
皆が「ホラ見て御覧、綺麗だね〜」と言っても、
花火の後の静寂が、まるで独りぼっちを思い知らされているようで、
人の群れが空を見上げて彷彿としている顔を見ていると、
ここが現実の世界なのか、夢の世界なのか解らなくなるのは
大きくなった今も変わらない・・・・。

それでも、花火を嫌いになれないのは、
余りにも儚くて潔いから・・・・・。
一瞬一瞬は美しくても、終わって行く時はあっという間の出来事で、
情熱的な恋を見ている様。
そんな想いで花火を見ていると、
周りで空を仰いでいる人達に問うてみたくなったりする・・・・。

「この花火は何時まで続きますか?」
「この恋も終わりが来るのですが?」



花火(sanbun)for the summer1995 Copylight(C)sumire.





こんな、くだらない散文を書いたのは、もう今から7年も前の事なんだな・・・。
夏は余り好きじゃない、元々、とても寒い土地で生れたから、
暑いと死んでしまう・・・。
夏は外には出ない。
仕事をしている時は朝早く会社に行って帰る頃には日が暮れていたし、
ずっと屋内に居たから良かった。
冷房で体を痛めてしまって苦しかったけれど・・・。
花火の散文を書いた時は21も年上の妻子持ちの男と暮していた。
もうその頃は情熱的とは言えない恋愛期間に入っていた。
今の彼がこう言った。
「夏を知らない二人なんだね。」と・・・・。
私達は秋に出逢ったから、まだ夏を知らない。
あっという間に過ぎていく夏・・・。
夏が過ぎたら何か変わるだろうか・・・。
職業柄、言葉の使い方が上手い彼の発した、その言葉を想って、
少し切なくなってしまった。
とにかく、私は夏が嫌いなのだ・・・。
そして、花火も昔から好きじゃなかった。
でも、嫌いにもなれない・・・・。
不倫も好きじゃない・・・。
でも、彼の事を嫌いにはなれない・・・。
違うようにも思うし、似ているようにも思う・・・。



私は花火は見に行かない。


見た事が無いと言うと嘘になる。
でも、もうこれからは見に行かないと思う。
多分、一生・・・・。


きっと、沢山の人達が泣き叫んでいたと思う。
暑くて苦しくて・・・・。

「助けて」
「お願い通して」

そんな声が今でも聞こえてきそうだ。
誰かが最初に前の人の背中を押して、
それから、始まったと言っていたのを聞いた。
屋根に若い男の人が何人も飛びのって、叫んでいたとも聞いた。
若い男の人が道を確保するように叫んでいたとも聞いた。




誰かが悪かったのかもしれない。
誰も悪くなかったのかもしれない。




一緒に行った人が、
赤ちゃんが泣き叫んでいるのを聞いたと言っていた。
若い女の人達の履いていたサンダルだけを何処かで見掛けたとも言っていた。


彼女は斜め前に居た赤ちゃんを抱いた若いお母さんが、
必死に子供を庇おうとしているのを目にして、
場所を譲ってあげたのだった。
そして、彼女は端へ端へと押し流された。
一緒に居た人達の姿はもう見えなくなっていたと思う。
後ろにあったのか、前にあったのか、
鉄の柵が曲ってしまうほどの力に彼女の体は押し曲げられて、
そして、体全体が鬱血してしまった。
最後に彼女を見た人は顔も手も真っ青だったと泣いていた。
真っ青・・・・・。
そんな言葉じゃない・・・・。
どす黒かったのだ・・・・。
優しい彼女の顔はもう見られないほどに・・・・。

小さい頃は近くに住んでいた。
何時も優しく頭を撫でていてくれた。
大きな町になんて、行かなければ良かったのだ。
引越しなんてしなければ良かったのだ。
ここよりも暑い所の暮らしは大変だったのに・・・・。


又、あの夏が来る。


私の大切な祖母は言った。
「よくテレビだけで解ったね・・・。」
「見つけてくれて有難う。」
眠っていた私が何気なく起きてテレビを見て愕然とした。
10時か10時半だったのか・・・・。
何処かで聞いた事のある名前・・・。
心臓が音を立てて居た。
親類の一覧を書いた電話帳を開いて名前を探す。
違うよね・・・こんな苗字じゃなかったよね・・・。
手が震えていた。

名前は同じだった。
一字一句、ピッタリだった。
母に急いで電話する。
彼女の家族は気がついていなかった。
「また、何処かへ友達と行ったのだろう・・・」
「そのうち帰ってくるさ」
そう思っていた様だった。
最初に気がついたのは私だった。
悲しかった。
彼女はもう戻って来なかった。
元気な姿は見られなかった。

ソックリだった。
とても、仲の良い姉妹だった。
離れていても、お互いの事を気遣っていた。
本当に優しい人だった。



















私の大切な御祖母ちゃんの妹が突然、消えた。



































2001年7月21日
明石花火大会歩道橋事故
死亡





















































夏が嫌い















早く過ぎてしまえばいい

















私は二度と花火大会には行かない





























2002年07月18日(木) 運の力<当たりくじ>

昨日も「運」についての日記でしたが・・・。
今日も続けて「運」の事など・・・。



昨日、ポストの中に一枚の封書が入っていました。
見覚えのある、オジサンのキャラのついた封筒でした。
「あれ?これって?」
家に帰って開けてみると、







↑エンピツ投票ボタン

こっちはMy追加のボタンです。



前にネットのラブホサイトでアンケートに答えると抽選でプレゼントして貰える
ラブホ宿泊券をいとも簡単にゲッチュー出来たようでした。
それに、宿泊出来るホテルは4月にリニューアルオープンしたての、
この街でも人気のホテル。
思わず、彼にすぐ電話してしまいました。
出張先から帰路途中の彼もビックリで「何時まで?」と
聞かれ、有効期限を見てみると今月中とスタンプが押されていました。
先日の御食事も御流れになってしまったし、「どうしよ〜か?」と聞くと、
「来週、食事をして、お泊りもしよ〜。」と快い返事をしてくれて、
「次の日は有休取ろうかな〜?」の一言に、私も飛び跳ねるくらい嬉しかったです。
久々のお泊りデート・・・。
今から、ドキドキです・・・。
そう言えば、その御食事も・・・実は前に行ったお気に入りのレストランで、
アンケートに答えてゲッチューした葉書を持参すると、通常よりも低料金で
コース料理を食べられるという代物・・・。
この葉書の有効期限は8月中旬まで・・・。
でも、その前に私は、同じレストランから届いた、
結婚記念日のコース料理が安く食べられる葉書を使ってしまいたいのです・・・。
お気に入りのレストランは同居人とは一度も行った事が無いし、
彼と初めて、そのレストランに行った時、結婚記念日も近かったので、
わざとに正確な結婚記念日を書いたのです。
彼と一緒にお祝いをする為に・・・。
予定は来週の月曜日。
同居人が帰ってくるなり予定を入れないように念を押しました。



ただ・・・・。
私はこんな風に時々、良い事や嬉しい事が度々あると、
「こんな所で運を使い果たしてしまって、
後から大変な事が起こるんじゃ無いだろうか・・」
と、とても心配になってしまいます。
今まで経験して来た事柄のせいか、
私は酷く悲観的な考え方やマイナス思考気味の性格に
なってしまったんだと思います。

随分前にテレビでノストラダムスと
エドガー・ケイシーの特集をテレビで見ましたが、
睡眠で予知能力を発揮できるケイシーの場合、
眠ると夢のような大きな図書室に自分は居て、
図書館の沢山ある本棚から、知りたい本を引き抜くのだと言っていたそうです。
そして、その本の中には、ある程度の運命みたいな物が書かれてあるのだと
言うのです。
「私は、その中に書いてある事を御話するだけです。」
ケイシーは言っていたそうです。
私はそれを聞いて怖くなりました。
「えっ?運命って・・・・決められた物なの?初めから決まっているの?」
もし、私の運命が決められた物なら、
どう足掻いても騒いでも私の人生の行方はもう決まっていて、
私が「こうしたい、あーしたい」と思う事とは
もしかして、逆の結果が待っているかもしれないという事で・・・・。
ケイシーは自分の力で、運命を変えていく事も可能と言っていましたが・・・。
力が無い人は運命に翻弄されて行くだけなのでしょうか?
やっぱり・・・考えると怖いです。
くじ運は悪くて良いです。
抽選も当たりは時々で良いです。
どんなに辛く悲しい世の中でも・・・・。
最後の最後に持ちきれないくらいに幸せが手の中にイッパイあれば・・・・。


そんな事を考えていたら、夕方から酷い胃痛に襲われました。
原因は解っているのです。
暴飲暴食・飲酒・煙草の吸いすぎ・睡眠不足・etc・・・・・。
前に胃潰瘍の軽いのをやってしまって入院した時と同じ症状でした。
放っておくと酷い事になるので、煙草は我慢して横になっていると、
疲れていたのかウトウトとして来てしまいました
彼に電話すると、「酷い声だよ・・・」と言われてしまいました。
子供を何時ものように迎えにいって御飯を少し食べさせて、
そのまま一緒にウトウトしてしまいました。
ナカナカ、横になっても胃痛は治りませんでした。
同居人も体調が悪いのか、12時にはもう横になっていました。
彼が近くの道の駅からメールをくれた時は1時間前でしたので、
後、1時間もしないうちに自宅に帰るのだと思っていました。
その次にメールをくれた時、少しだけ嬉しい気持ちでした。

「家に帰る前に・・・すみれの家を見ておきたくて・・・。
もう真っ暗だったよ・・・逢いたいけれど、体調も悪いし、
この次に逢うまでは元気になっていてね」

咄嗟に何処に居るのか聞いて、コッソリ家を出た私は、
急いで彼の車に乗り込みました。
「5分だけだよ。」御互いよく解かっているのにも関らず、
1時間もオーバーしてしまいした。
彼が帰り際に、

「思いがけずに逢えて・・・良かった チュだけのつもりが・・・
ギュになっちゃったね。
3日も逢わなかったし とっても恋しかったから・・・。
体調悪いのに 逢ってくれて ありがとう おやすみ」

とメールをくれたようでしたが、私は本当に体調が悪くなってしまい、
家に帰りついた途端にベットに倒れこみました。
「彼に出逢った事自体、私の全部の運を使い果たしてしまったのかも・・・・」
そんな事を考えながら眠りに落ちた私・・・次の朝はとても、夢見が悪かったです。




2002年07月17日(水) 運の力<ママ友と男運>


何とか子供の熱も下がり登園出来ました。
今日は御弁当の日でしたので、彼とメッセが終った後、
眠らないで御弁当を作りました。
本人も久しぶりに友達に逢ったような感じで園に行くと騒いでいました。
日中はやらなくてはいけない事を少しずつ片付けたりしました。

御昼過ぎに御友達が家に遊びに来ました。
前に近くの団地に住み、児童会館等に一緒に行っていたママ友で、
離婚承諾を旦那から得る為に実家から出て来て、
うちにも顔を出しに来たのです。
私は今回もこの若いママ友に自分のエネルギーが
吸い取られるような気がして少し怖い気持ちになっていました。

今回も・・・というのは、実は・・・。
この夫婦は私にとっては、とても曲者で、
特に相手の旦那様とは激しく意見が合わないのです。
ママ友が子供を児童会館へ連れて行くのを嫌がったり、
私とママ友が一緒に御買い物へ行くのも良い顔をせず、
私の家へママ友が遊びに来るには良いが、自分の家へは来るな・・・。
そのような旦那様の意見で、
まぁ、私が旦那さんに、嫌われてた訳ですが、
ママ友は旦那様との性格の相違、性の不一致、
その他諸々で今年の春に実家に帰ってしまいました。







↑エンピツ投票ボタン

こっちはMy追加のボタンです。



っと名指しで私の事を、そう言うんです。
その前に私はママ友にキチンと、
「ママと旦那様が仲たがいしてしまうのなら、
私はママと余り会わないほうがいいね。」
と、それとなく本人に忠告したのですが、
なにぶん、家が近いのでその後も勝手に遊びに来たりしていました。
ママ友達は20歳で、まだギャルママと呼ばれる世代、
児童会館でも1人ポツンと浮いた存在だったのですが、
私はそんなママ友を不憫に思ったり、子供も歳や生れ月が一緒で、
話しやすい状況だったという事もあり、自然と仲良くなりました。
見た目ほど悪い子ではなく、私は歳の離れたママ友の事を妹の様に
思い始めていました。
御互い団地に住むもの同士、家庭の不満や旦那の至らぬ点を話したり、
一緒に買い物へ行くのにも、今日の卵の値段に一喜一憂したりして、
私達は楽しく可笑しく日々の憂鬱をやり過ごしてきました。

そんな私達をママ友の旦那様は「俺の大事な嫁を取られた」とでも、
思っていたのでしょうか・・・。
ある時、ママ友から私の事を呼び捨てで「あのやろう! !」などと
旦那様が言っていたと、聞いて少し腹がたっていました。
旦那様の意見は・・・。
私とママ友が一緒に居るとママ友が洗脳されてしまう、
家庭を疎かにしている、他人が家の中の問題に首を突っ込むな等、
色々、言いたい事はあったようなので、
「そんなに言いたい事があるのなら、面と向って話してください。」と
言ったのですが、一度も旦那様は話に来ませんでした。
ママ友はその頃、ある男性と御付き合いしていて、旦那様の事を、
もうどうでも良いと思っていたのだと思います。
それ以前、私も「?」と思うことが旦那様には沢山、あって・・・。
例えば・・・。
子供の前でAVのビデオを見たり、
出勤前の玄関で自分のパンツを下げて、
見送りに出たママ友と子供の前で「触って〜」とやってみたり、
「イヤだ」と言うママ友の髪を引っ張りながらも、性行為をやめなかったり、
家計が苦しいのを知っていて、勝手にPCを買って来てみたり、
初めて女の子と付き合って、そのまま結婚してしまった、この旦那様は、
自分の行動で相手の気持ちが良くも悪くもなる事を全然、解らない様子でした。
ママ友は御付き合いしている人の事を抜きにしても、
「もう、やっていけない」と言って出て行ってしまいました。
所謂、「DV」というものに似ている家庭環境だったのだと思います。
でも、いざ「離婚」という時に旦那様は私を攻撃してきました。
「本当に離婚になったら、お前の事を訴える」と言い出して来ました。
普通のママ友と代わらずに、そのママ友とも御付き合いしていた様に、
思っていた私は、
ちょとビックリしてしまいました。
ママ友にも
「えっ?私が旦那様に何かした?」
「家に居て愚痴を聞くだけで訴えられてしまうの?」
とは言ったものの、彼女は旦那様の事を、
「あ〜いぅ〜人だから・・・。」
と言って私の事を弁明しようとはしませんでした。
そして、私だけが悪者になってしまった様な感じになってしまいました。
私も、別にどうでも良かったのですが、
今年の春に色々、心配になり和解の為、
ママ友が実家に戻ってしまって不在のお宅に出向きました。
でも、何故かそこに居るのは、隣に住んでいる離婚経験者の親族でもない
他人のオバサンでした。
このオバサン・・・ママ友が居る時はママ友の味方の振りをして、
ママ友と一緒に旦那様の悪口を言い。
ママ友が実家へ戻ると旦那様とママ友や私の悪口を言うという、
とんでもない人でした。
私は旦那様よりも、このオバサンに責められるだけ責められました。
「年上のアンタが一緒に居て、何でスンナリ実家に帰らせたの?」
家族でも無い私がママ友がどう行動しようと、咎められるはずも無いのに、
他人に、そんな事を言われました。

「夫婦の事は夫婦にしか解らないので」
自分から私の事を貶しておいてお門違いの事を旦那様は言ってる
そう思いましたが、この問題から逃れられる良い機会だと思い、
「そうですよね〜じゃ〜私は一切、関係ないですから・・・。」
と言うと・・・、
「それは、これから先の風向きが決める事」
と言う旦那様・・・・。
最後の最後まで、自分のせいで離婚するという自覚が
全然、なされていない様子でした。

あれから、半年以上経ちます。
ママ友は御付き合いしていた独身の方と別れてしまいました。
思っていた人と違うという事で、ママ友から別れたそうです。
でも、実家から旦那様の所へは戻ってきませんでした。
今は「離婚したくない」と言う旦那様の一点張りで、
状況は何も変わっていないどころか、
今回も「離婚届にサインするから」と言ってママ友を呼び寄せたくせに、
土壇場で「離婚する気は無い」とサインしなかったそうです・・・。
この男・・・女々しいのにも程がある・・・・と思うのは私だけでしょうか?
自分の離婚を他人のせいにする程、かっこ悪い男を見たのは初めてかも・・・。
何せ、28歳にもなって初めて付き合ったのが、ママ友だったそうで・・・。
もてない男が、やっと付き合えた女を大切にしないどころか、
家庭内セクハラ紛いの日々・・・。
私にはサッパリ、理解不能です。
しかも・・・・・。
「離婚するなら慰謝料はもちろん、養育費も払わない。」
「養育費を払うくらいなら、子供は俺が育てる。」
と言うのですが、私に旦那様は・・・。
「離婚して子供を引き取ることになったら、
俺は仕事もあって育てられないから・・・
子供はあんな母親よりも・・・施設に入れて育てた方が幸せで子供の為だ」
と話し合いに行った時、言っていたのを思い出しました。

「どうでもいい人達の為に無駄なエネルギーを使っちゃたなぁ〜」
「うちも可笑しいけれど、世の中にはホントに可笑しな夫婦が居るもんだ・・・」
そう考えながら、半年間この夫婦に振り回された記憶が蘇ってきました。
「最初から、弁護士頼めば良かったね・・・」
そんな事を言うとママ友が、
「ホントに私って男運が悪いよね〜。」
と言って帰って行きました。
「私もかも・・・・・ね。」
ママ友が去った玄関で私もママ友と同じだと思いました。



彼はママ友一家と私の事をよく知っているので、出張先から電話をくれた時に
報告してみました。
「40分くらいで帰ったよ〜」と言うと、
「エネルギー吸い取られなかった?」と聞かれました。
それから・・・「私ね、最近運が良いのかも・・・」と、
ある事も一緒に報告しました。
今日の日記は又、長くなってしまったので、
それは、又後日の日記で書こうと思います。
深夜のメッセは子供が愚図って酷かったので、ほんの少しで終ってしまいました。
明日の夜、やっと彼が出張先から戻って来ます。
でも、遅い時間帯なので逢えないと思います。
とにかく・・・無事に戻ってきてくれれば、それだけで良いです。






2002年07月16日(火) 柔らかな時間



子供が寝冷えをしてしまったらしく、急な発熱で登園出来ませんでした。
本人は熱がある他は至って元気でしたので、
彼から電話があった10時過ぎにはキャーキャー言って騒いでいました。
最近はウルトラマンがお気に入りらしくて、本を開いては、
「ウルトラマン・・・ウルトラマン・・・」と、たどたどしく話します。
「あれっっ?保育園には行かなかったの?」と聞く彼に、
状況説明をして出張に行く前の今日のランチを断りました。
私は彼が、お父さんの事で出張を取り止めにしたと思っていたのですが、
強行して行くとの事で、何度も何度も「大丈夫なの?」と聞きました。
彼は病院の駐車場から電話を掛けていてくれました。
今日が入院日だと聞いていたので、朝の電話も
遅くなる事を予想はしていましたが、
何時も決まった時間に来るメールが待ち遠しくて、
何度も彼用の受信ホルダーを覗いていました。
昨日の夜から、お兄さんが実家に泊まり込みで、
入院の準備をしてくれた様で、病院の駐車場で待ち合わせをしている彼。
「今日は駐車場が満車だから、兄貴達が来たら駐車場を譲って、
そのままオヤジに声を掛けたら、出社しようと思ってるんだ。」
そう言う彼に、
「声を掛けるだけでも良いから、お父さんの事が心配で病院まで行ったの?」
と思い、本当にお父さんの事が心配で堪らないだな・・・と思いました。
約束の入院時間まで随分、時間があったので30分くらい話をしていました。
「会社に戻って出張に行く時間になったら又、電話するからね。」
と言ってくれて電話を切りました。
少し子供が眠そうにしていたので、お昼寝にはまだ早く、
夜はナカナカ寝てくれないなっと思ったのですが、
熱もあり汗を掻かせないといけないと思い、私も横になりました。
彼が電話をくれたのは3時近くでした。
私達はそれまで寝てしまって居たのか・・・。
気がつくと子供も御腹をすかした顔で起きま出して来ました。
「御腹すいた〜すみれの家で御飯食べてもいい?」
そう私に聞く彼に「コンビ二で御飯買って来るんだろうな〜。」
と思って、「今から親子丼作ろうと思うんだけど・・・食べる?」
と言ってみました。
「えっ?ホント?食べたい! !」と元気な返事が返って来たので、
私も笑顔になりました。

でも・・・彼が家に来る事を少し戸惑っている私も居ました。
この前、彼が「離婚できない・・・」と言った時、
私の中で、「すみれ?この恋愛にはやっぱり、リスクが在り過ぎるよ。」と
呟く、もう一人の私が居ました。
彼とは今まで平然のように外で逢って食事をしたり、
旅行に行ったり、家に来て貰ったり、子供と遊んで貰ったりして来ました。
子供と彼を逢わせるのは、もうやめた方が良いのかも・・・。
私は、この前の事でそう思い始めて来ました。
彼と私の子供が始めて会ったのは、
彼の出張へ便乗して旅行に行った時の事でした。
子供がロビー中の噴水へ入ってしまい、フロントの従業員の人と彼とで、
大騒ぎして思い出に残る旅行でした。
次に子供と彼を逢わせた時、彼が選んでくれて、
近くの郷土資料館へ行った時の事でした。
そこで少し子供を遊ばせた後、帰り近くになって笑いながら彼に聞きました。
「何度も子供と、こうやって遊んでいると、
子供がパパは誰なのか、解らなくなっちゃうかもね。」





↑エンピツ投票ボタン

こっちはMy追加のボタンです。


私達3人は和やかなムードで資料館を後にしました。
私はその後、事在るごとに
「血の繋がらない子供を持って、本当に育てて行ける?」と彼に問いました。
「うん、普通に育てていけると思うよ?」
彼は何時も穏やかに、私を宥める様に答えを出してくれていました。
「離婚出来ない」という彼・・・・。
子供もあれから半年が経ち、色々解るようになって来ました。
彼と逢うと子供は満面の笑みで彼を見ています。
それは同居人と居る時の顔とは、まるで違いますが
少なくとも彼に特別の感情を持っている事が解る表情です。
この幼い無垢な心は彼をどう思っているのでしょう?
ママと仲の良い優しいおじさん、とでも思っているのでしょうか?
彼の腕に抱かれている子供は何時も安心して、
満足げな顔をして私を見下ろしています。
彼も・・・・この不可思議な状況を何と思っているのでしょう?
家に来る事も、子供と会う事も、当たり前だと・・・
もう、麻痺した気持ちなのでしょうか・・・・。


そんな事を思いながら、親子丼の用意をしていると、
家のチャイムが鳴りました。
彼は手にスーパーの袋をぶら下げ、その中には熱のある子供にと、
プリンやゼリーや子供用御菓子やジュースが沢山、入ってありました。
3人で親子丼を食べました。
家の食卓テーブルは2人用で、
子供の食事用チェアーが真ん中に設置してあります。
「美味しいね〜すみれの家には親子丼用の鍋もあるんだね〜。」
ニコニコしながら私の前で親子丼を食べている彼と、
ニコニコしながら、そんな彼を見て、おどけながら親子丼を食べる
私の子供を見ていると、

「今日のメニューは私には余りにも酷だったかも・・・。
親子丼なんて・・・・。」

そんな事を思ってしまいました。
私達に御互いの家族や・・・両親や・・・・。
そして世の中の柵が無ければ本当の家族として一緒に居られる
時間があるのかもしれません。
それを思うと又、切ない想いが、何処からとも無くやって来てしまいます。
彼は出張に出発する少しの時間を子供と絵本を読んだり、
外れていたステレオのスピーカーの配線を繋げてくれたりして過してくれました。
「そろそろ、行ってくるね」と玄関先へ行く彼を夢中で追いかける子供。
それでも、同居人が外出する時の様に泣き叫んだりはせずに、
「ばいばい・・・・ばいばい・・・」と手を振っていました。
彼はそんな子供を見ながら「早く熱が下がるといいね。」と子供にキスをして、
そして、そっと私にキスをすると、
「それじゃ〜行って来ます。」と自分の家から出勤するように出て行きました。


夜は又、出張先からネットを繋げて私とメッセをする彼・・・・。
どんなに遠くなって姿が見えなくなっても・・・。
私は貴方の事が好きです・・・・。
今日は柔らかな時間を有難う・・・・。
いつかね・・・ホントの親子になれたらいいね・・・。
でも・・・それは出来ない事だから・・・・。
この次ね・・・この次は・・・・。
私があなたの子供にでも・・・母にでも・・・何でもいいよ・・・。
貴方と一緒に居られるなら・・・何にでもなるよ・・・・。
そう呟きながら、キーボードでは別な事を叩いている私でした・・・。





2002年07月15日(月) 卑屈な想い


彼は日帰り出張でした。
食事の予定はキャンセル。
「早目に帰ってこれるからね」と何日も前から言って居てくれたのに・・・。
どちらにしても、彼のお父さんの事があるから行けなかったけれど・・・。
少し気分転換が必要と思って台風が迫っているというのに、
ガラガラとカーテンなどを洗濯し始めました。
そんな私の気持ちを知ってか知らずか・・・・
仕事の合間に何度も電話をくれる彼。
普段、デスクワークをしている時にでも、
休憩時間になると欠かさず電話をくれる彼ですが、
出張中は仕事をしている時間よりも移動時間の方が必然的に多くなるので、
電話が掛かってくる事も比例して多くなるのです。
「お父さん・・・大丈夫かな?」
私が心配して言うと、
「大丈夫だよ、何かあったら兄貴も居るし。」
朝、電話をしたら、お父さんは観念したように病院へ行くと言っていたそうで、
昔の人は本当に病院嫌いだよね・・・とそんな話をしていました。
今日の何度目かの電話で彼が言いました。
「明日から出張だから・・・・又寂しくなるね・・・・。
午後から行こうと思ってるんだけど、もし出来たら行く前に、
ランチしない?」
丁度、高速に乗る前に私の家があるので、時間帯も程良くて、
私も息抜きになると思い明日のランチの事を承諾しました。
出張前ですし、少しの時間で他愛の無い話が出来る事は、
嫌いな事では無いので、ドンヨリとした天気の景色を見ても
明日の事を考えると、楽しい気持ちになりました。
ところが、彼が仕事を終らせ家に帰る前の連絡で、
又、状況が大きく変わりました。





↑エンピツ投票ボタン

こっちはMy追加のボタンです。


「えっ?ホントに?」
私はビックリして大きな声を出してしまいました。
昨日のメッセで、お父さんの事やお母さんの最期を聞いていただけに、
まるで彼が想像していたような最悪の事態になってしまったようで、
胸に暗い影がポツンと出来てしまったような、そんな感じでした。
暫く病状などを聞いて、彼が徐に言いました。
「ごめんね・・・明日、入院みたいだから・・・・。
出張もどうなるか解らなくなってしまったし、ランチも・・・・出来そうに無いから・・・・。」

「良いんだよ気にしないで、それより、お父さんの入院の事や手続きの事で、
大変だと思うから・・・・。ランチは何時でも出来るからね。」

彼を元気付けて電話を切りましたが、
何時もは彼の家の駐車場に着くまで話をしているのに今日に限って
電話を早目に終らせる彼を少し恨めしく思ったりもしました。
今日、彼のメッセは開きませんでした。


お父さんが入院となると・・・。
きっと、それについて家の人とも話しをしなくっちゃいけなくなるんだろう・・・。
今晩は・・・話合いをしているのかな・・・・・?
幾ら脳神経外科といっても、高齢のお父さんには付き添いが居るだろうし、
毎日の洗濯や着がえを家に取りに行ったり・・・・。
子供達にしてみれば大事な御祖父ちゃんだし・・・
子供を連れて御見舞いとか・・・。
あぁ・・・・何て卑屈な想いなんだろう・・・。
でも、どうしても・・・こんな事ばかり浮んでは消え、浮んでは消え・・・。
ヤッパリ、私は他人なんだな・・・・。
彼の事も彼のお父さんの事も、
幾ら大切な存在といっても、何も出来やしない・・・。
卑屈な私は何処までも、こんな考えばかりで、
益々、窮屈になって行く一方です・・・。







2002年07月14日(日) 繋がり・・・・。



日曜なので彼は家に居るはずと思っていました。
私もそうでしたが、今日は彼も昨日の朝方のメッセで、
カナリの睡眠不足のはずです。
今日は生憎の雨で子供を公園に連れて行くことも出来ず、
子供と2人でシマジロウ・ビデオを見ながら、
歌を歌ってみたり、踊ったりして過ごしていました。
夕方に非通知の電話が来たので、彼が煙草でも買いに行く途中に
電話をくれたんだと普通に思っていました。
電話に出ると、今日は御父さんの所へ行って来るとの事。
御母さんが亡くなってから一人で住んでいる御父さんを
彼はとても、心配している様子でした。
話を聞くと、最近とみに調子が悪いと言って元気が無い様子のようで、
彼は御母さんを亡くした時の事が脳裏に浮ぶようです。
彼の御母さんは晩年、寝たきりだったようですが、
彼はその時、既に結婚をして独立して居たので、
何時も御母さんの様子を見てあげることも出来ずにいました。
元々、寝たきりの生活を余儀なくされていたので、
最後に脳梗塞と気がつくのが遅くて、
そのまま入院して逝ってしまわれました。
私と出逢う1年前の冬の事だったそうです。
「あの時・・・もっと早くに気がついてあげていれば・・・。」
彼は何時もそう言います。
暫く話をして彼はお父さんの所に到着して電話を切りました。
又、何時間後に電話が掛かってくるはずでした。
日曜日は電話もメールも出来ない日だと思っているので、
不意の電話があると少し嬉しくて、
そんな彼の心遣いに感謝していました。
御父さんの家から自宅に戻る途中に又、電話をくれるだろうと思い
私は又、子供と遊んでいました。
30分も経ったでしょうか?突然、電話が鳴りました。彼からでした。
「あれ?どうしたの?早いね・・・。」と私が言うと、
彼はとても気だるそうな声で、
「あのね・・・・女の人が来た・・・。」と言いました。
彼が家に居ると電話が掛かって来て、お父さんが徐に「来ればいいよ。」
と相手の人に言っていたそうです。
5分もしないうちに家に客人がやって来て、玄関で何か話している様子で、
客人が家に上がると、軽く会釈を交わしたそうですが、
お父さんからは何も紹介されず、少し居心地の悪くなった彼は、
家を後にしたとの事でした。
少し、機嫌の悪い彼・・・。
「紹介してくれれば良いのに・・・」と怒り口調でした。
「そうだよね・・・」私が同意すると、心配そうに・・・。
「あの雰囲気は普通じゃないな・・・」
とも言っていました。
2年前に大切な人を亡くしてしまった彼・・・。
そして、大切なお父さん・・・。
私は敢えて言いました。
「お父さんも一人身じゃ可哀相だよ・・・、
女の人は伴侶を失っても強く生きていくと
よく言うけれど男の人の方が、そういう時は弱いって言うよね?」
「うん・・・・そうだけど・・・・。」
彼は納得していないような返答でした。
父を母とは別の人に取られるようで心細そうな彼の心は
まだ、子供のような物なのでしょうか?
「すみれは・・・解るよね、そんな気持ち・・・。」
私にそう言う彼・・・。
少し子供の頃の記憶が蘇って私は胸がチクッと痛みました。
「兄貴も居るし、相談してみるよ・・・。」
そういうと、彼は何時もより早目に電話を切りました。

今日は血の繋がらない妹に夜、電話をする用事がありました。
時間は9時頃でした。
一度、電話を鳴らしてみたのですが、出なかったので、
30分後に電話をすると、やっと出てくれました。
でも、「何?」と冷たい返答でした。
ナンバーディスプレイで私の電話番号が解ったので、
そんな、素っ気無い第一声だったのだと思います。
私は用件だけ伝えると「遅くにごめんね。」と言って電話を切りました。
彼女は私の結婚式には出席してくれませんでした。
妊娠中だという事もあり、遠い道中を避けての事だと思いますが、
一番下の妹とも大きな喧嘩の後だったからか、式には来ませんでした。
友人にそれを言うと、「えっ?ほんと?酷くない?」と言われてしまいました。
「血が繋がってないから・・・」と言うと、
「それにしても・・・」と笑っていました。
それから、何だか忘れていた気持ちがムズムズとして来てしまいました。
彼女も一番下の妹も今は私と同じ街で暮していますが、
顔を合わせる事など全くと言って良いほどありません。
数年に一度、実家へ御盆休みなどで帰省した時、
タイミング良ければ会えるといった程度です。


深夜に同居人が帰宅して、
「明日、仕事だからぁ〜」と気軽な感じで言いました。
「えっ?そんなの困るよ・・・。
仕事の打ち合わせが入っていて夕方から出かける予定なのに」
と言うと「仕方ないだろう」と言います。
明日は彼と早い時間から食事の予定をしている日です。
二人で行こうね、と約束していたレストランで一週間ぶりに、
色々、話す予定でした。
同居人は・・・。
「どうしても行かなくっちゃいけないなら、託児所に子供を預けて行け」
と言います。彼と逢う為に、そこまでは出来ないと思い、
私は同居人と口論して眠ってしまいました。
起きてみると、もう4時でした。
開けっぱなしだったPCを見てみると彼はまだ、メッセで待っていてくれました。
やはり、お父さんの事が心配だったらしく、眠れない様子でした。
彼はお母さんが無くなった時の事を話し始めました。

「亡くなる1日前・・・親父が仕事だからって・・・僕が会社を休んで・・・
見にいったんだ、 そばを作ってあげて・・・ 熱かったから・・・
火傷しちゃいけないと思って・・・
ぬるくく・・・してあげたんだけど・・・今考えたら・・・
ぬるくておいしくないはずなのに・・・
おいしいね〜おいしいね〜って・・・食べてくれた、
ちゃんと話が出来たのは・・・それで最後だったけどね。
あの時、病状の変化に気がついていれば・・・
だから、オヤジの事も心配で・・・・。」

「何時もは御飯も作らない息子が自分の為に
色々、やってくれてお母さんは嬉しかったんだよ・・・。」

私は彼にそう言ってあげました。
でも、そう答えるのは一度ではありませんでした。
彼は私に、このお母さんの話を何度も何度も繰り返し話して来ました。
それだけ、心残りが多いんだと思います。
今回のお父さんの事は、お母さんの事もあり尚更、心配のようです。
その後、お父さんと誰か・・・、
彼のお兄さん一家が一緒に住んであげたら良いのにね。
と話をしましたが、お兄さん一家は、これから、マンションを買って
住むと言い出している様で、お父さんはこれから、一人ぼっちなのかな?
と話は進んでいきました。
「イザとなったら兄貴にもキチンと相談するよ。」と彼が言った頃は、
もう明るくなって来てしまい、
私はお父さんの事もあるし、私の予定もあるし、
明日のお出掛けは中止にしようと言って、メッセを終らせました。



今日は彼の事を保護者の様な気持ちで考えた日でした。
私が母を取られた、と子供の頃に思った様に、
彼も父親を知らない人に取られるのはやっぱり嫌な気持ちなんだろうな・・・。
そして、彼の子供も私に彼を取られたら同じ気持ちなんだろう・・・・。
でも、お父さんが再婚するとなると複雑なのは彼だけじゃなくて、
彼のお兄さんや奥さん達も・・・・。
今日は妹の電話の事もあって、






↑エンピツ投票ボタン

こっちはMy追加のボタンです。


と考えさせられてしまいました。






2002年07月13日(土) 私の知らない人



何も無い一日になるはずでした。
彼は午前中に近所の人の車に、オークションで落札してあげた
スピーカーを取り付けてあげると
昨晩のチャットで言っていました。
御互いの家の人には、内緒との事でした。
オークションで御買い物をした事も、
PCを弄ってオークションで落札してあげた事も、
知られると文句を言われるので、内緒の作業だと言っていて、
私は「何て窮屈な環境の中で生活している人達なんだろう・・・」
と思って居ました。
私だったら・・・・そんな事で文句なんて言わないのに・・・。
そう思っていました。

お昼過ぎにメッセを開いてみると、オフラインを残しておいてくれていました。
夕方にはメールも来ていました。
私は突然、思い立って夜の予定を変更しました。
今日は子供を保育園に迎えに行った後は何処にも出掛ける予定は
ありませんでした。
何時ものように食事の仕度をして、子供と2人で御飯を食べて、
少しテレビを見た後、御風呂に入って子供の身支度を整えたら、
添い寝をしてあげて・・・・・・。
同居人の帰りは今日も遅いはずなので心配はしていませんでした。
私は急いで子供を迎えに行き、猛スピードで食事の用意をして食べさせたら、
或るグランドへと車を走らせました。
家から近い、その場所は30分も走るとすぐに見えてきました。
ナイター用の照明が照らされた、そのグランドは
もう数人の人がボールを蹴って練習をしていました。
5分位待つと、試合が始まるようでした。
まるでコンサートに来た様に胸がドキドキしました。
「○番・・・○番・・・・。」
私はある、ゼッケンを背中につけた人を一生懸命目を凝らして探していました。
フェンスの反対側の路肩に車を止めてジッと転がるボールよりも、
そのゼッケンの人を見ていました。
そうです、私は今日・・・・。





↑エンピツ投票ボタン

こっちはMy追加のボタンです。


予定は3試合でした。
最初の試合は守備位置が近くて50mも離れていない所で
彼はボールを追っていました。
近くまでボールが来ると30mも離れて居なかったと思います。
私は近くに彼が来る度にドキドキしました。
でも、彼は私の方を見ませんでした。
まさか、私が見に来ているなんてコレッポッチも解らなかったと思います。
2試合目は反対側のグランドだったので、遠くてナカナカ見えなかったです。
3試合目は他のチームの試合で彼のチームの試合はそれで、終了の様でした。
私は壁に持たれ掛かっている彼を見つめながら、
彼の名前をつぶやくと、何故か涙がポロリと落ちました。
彼の横で、試合観戦しているチームのサポーターの人達が、
とても、羨ましく見えました。
「こんな車の中からじゃなくて、私もあそこへ座りたいのに・・・。」
そう思うと益々、切なくなりました。

チームの人と談笑している彼・・・。
歩きながら、ボールを片付ける彼・・・。

私は今まで、私と一緒に居る彼しか知りませんでした。
私以外の人と一緒に居る彼を見たのは初めてでした。

私の知らない彼・・・・。
私の彼って誰なんだろう?
あそこで笑っている人は一体誰なんだろう?

少し試合を見に来てしまった事を後悔しました。
「もう帰ろう」
そう思ったのですが、私はそこを動く事が出来ませんでした。
ただ遠くから彼の事をジッと見ていました。
暫くするとグランドの清掃が始まりました。
丁度、掃除用具を片付ける時に近くまで歩いて来たので、
私は彼に解るように車を発進させたのですが、
やはり、気がつかない様子でした。
「車って何処に止めてあるんだろう?」
私はグラウンドの裏の駐車場回って見ました。
そして、一方通行の道に出ると「ここを通って帰るはず・・・」
そう思い、少し待っていました。
「何の為に私は、ここで彼が出て来るのを待っているんだろう?」
今日、彼はチームメイトを乗せて帰る事になっているので、
もし、解ったとしても車を止めて話をする事も出来ないはずです。
私はそれを解っているのに、自分の行動を自分でも理解できませんでした。
「やっぱり、こんな所で待っていたって・・・・」
そう考えていると1台の車が私の横を通り過ぎました。
運転席には確かに彼が乗っていました。
後続車が居ない事を確認して、
私はまるで刑事ドラマに出てくる尾行車のように、
車を滑り出させました。
大きな道に出るまでズゥーっと後ろを走っていました。
丁度、大粒の雨が降り出して、
「あぁ〜。試合の後の雨で良かった・・・。」
運転しながら考えて、きっと彼もそう思っている筈と思いました。
彼の帰り道と、私の帰り道は違うので、
十字路に差し掛かる一歩手前で車線変更をして、
彼の車を追い抜きました。
チラッと横を見ると助手席に乗っていたチームメイトと笑顔で話をしている
彼が見えました。
「あぁ・・・・満足なんだな・・好きなサッカーが出来て・・・。」
私はそう思うとアクセルをふかして十字路を曲がり帰路につきました。
帰り道、少し考えて、
「このまま別れて彼と逢えなくなっても、時々こうやって試合を見に来れば
いいんだな・・・・
でも・・・私の知らない彼を見たら、もっと悲しくなるだろうな・・・・。」
楽観的な考えと刹那的な考えと・・・。
又、頭の中がグルグルして来てしまいました。
家に戻ってみるとメールが1件来ていました。

「Subject:すみれ〜
ひょっとして・・・見にきてた〜?○駅近くのモスの辺りで抜かして行った
すみれの車を見たよ・・・ボロ負けしたけど・・・応援してくれていた?ありがとうね」

あぁ〜やっぱり、解ったんだねと思い、少し嬉しかったけれど・・・
又、少し寂しくなって子供を御風呂に入れて寝かせた後、
何時ものように一人でボトルを空けてしまいました。
少し眠った後、起きてみると
もう空は明るくなり掛けて居ました。
pcを起動させると彼はずっとメッセで待っていたようでした。
何時もよりも一段と上機嫌の彼・・・・。
「すみれが見に来ているって解ったら、もっと張り切っていたのに〜」
そう言う彼の笑顔が少しだけ見えるような気がしたけれど、
やっぱり、私の切ない気持ちは言えなくて・・・・。
益々、もう弱音は吐けないんだな・・・と思ってしまいました。



私が今日、見ていたのは誰ですか?
貴方は私の彼ですか?



聞きたかったけれど、息を飲んで
私は流れて行くログだけを見つめていました。






2002年07月12日(金) 同じ空の下で・・・。


雨が降りそうな一日でした。
食べすぎと少しの頭痛でボンヤリした日でした。
午前中、彼の出勤時に電話した後、買い物などへ行きました。
何時も家から出る時は彼に報告してから出掛けるのですが、
今日はPCも開けずにパッと家を出ました。
帰って来てみたら3時間も経っていて、
慌ててPCを開いたのですが、メッセは繋がっていない様子。
御昼御飯の時間になってもメッセが繋がらないので、
電話してみたら、まだ立て込んでいる様子でした。
何も言わず出掛けた事を少しビックリしている感じでした。
夕食の後、まだ会社に居る彼と少しメッセをして、彼も帰宅。
帰り道、少し電話で話しました。
深夜にも彼とメッセが繋がりました。
今日はスムーズに繋がって安心しました。
最近、彼の仕事が忙しいのと、
私のPCのワイヤレス接続が上手く行かないのとで、
余り長い時間メッセも出来ない状態ですが、
今日は沢山、話したような気がしました。


彼は来週、出張があるのですが、少しそれが寂しいような雰囲気で、
今週も一泊してゆっくり出来る出張があったのですが、
何が何でも帰ってくると言ってました。
その出張は台風で流れてしまったのですが、行かずに済んでホッと
している様子のようです。
来週、彼が出張が行く場所は又、私達が初めて行った旅行先で、
行く途中のトンネルや道のりを走っていると私と旅をした時の事を
想い出すんだと思います。
出張先の宿泊ホテルでもPCを繋げてメッセをしてくれる彼ですが、
何時も寂しい寂しいと、まるで子供のようです。
今回もきっと、メッセは出来ると思いますが・・・。
そういえば、何日間の出張なのか聞くのを忘れてしまいました。
週末はサッカーの試合と・・後は良き父として過ごすのだと思います。
月曜は食事の約束をしているので、
その時にでも出張の詳細を聞いてくるつもりです。
仕事の都合で余り早い時間に逢う事が出来ない私達なので、
外で食事をするのは久しぶりです。
何時もジーンズの私なので、
久々にキチンとした恰好で出掛けようかな?と思っています。




今日、日記を読んで下さっている方から励ましのメールを頂きました。
有難う御座いました。
とても、励みになりました。
とても、癒されました。
御互いに心乱される事無く、何時も穏やか気持で過ごせると良いですね。
私も貴女の幸せを遠い空から祈っています。



彼の出張と貴女の事を思っていたら、
近くても・・・・。
遠くても・・・・。
同じ空の下に居る事には代わりは無いんだと思いました。
同じ空の下に居るだけで幸せな事・・・・。
同じ空の下で御互いを想って・・・。
それは、とても大切な事なんだと思いました。



遠い空の下に居る貴女・・・・。
私に幸せな気持を運んで来てくれて・・・・。
本当に有難う。
少し・・・。
涙が出ました。













↑エンピツ投票ボタン

こっちはMy追加のボタンです。



2002年07月08日(月) 流れ星と麻痺する心




彼が金曜日の日に「月曜に少しだけでも逢おうね。」と言いました。
月曜は同居人が休日なので、ゆっくり逢える日なのです。
でも、先日の一件で、私は逢おうか逢わないか考えていました。
彼と逢うと、又『離婚』の問題の話をしてしまいそうで、
私の頭の中がグルグル、しはじめて来ました。
こんなに、憂鬱になったのは何時からだったのでしょう?
彼と知り合った時は、こんなに憂鬱になる事なんて無かったのに・・・。
ただ、毎日が楽しくて張り合いが出来たような、
そんな爽やかな気持だったのに・・・。
彼と逢って「覚悟して付き合って貰わないと困る。」と私は言い。
彼は、その後ハッキリした事を言ってくれなかったけれど、
その言葉を忘れずに私と付き合ってくれていると思っていました。
『離婚出来ない』と言う彼に同意してしまった私は今後、一切、
彼に離婚の話を言い出す事は許されないのだと思いました。
それは彼を追い詰めないで付き合っていく最良の方法ですが、
私は自分の気持ちを否定しながら、
何時も笑って居なければいけないのでしょうか?
何時までそれに、耐えられるのかは私にも全く、解らない事です。

今日は彼に逢わないつもりでした。
彼に仕事の件で、請求書を渡さなければいけなかったのですが、
別に渡すのは何時でも良いのだから・・・と思っていました。
子供とゆっくり過ごす時間も無い同居人のリクエストで、
今日の夕飯を、しゃぶしゃぶにする事にしました。
食事の時間が普段から遅い私の家なので、
仕度は午後7時に差し掛かる所でした。
その前の時間帯から彼が何度も
メールやオフラインでメッセージをくれていました。
「今日は忙しいのかな?」「体調はどうかな?」
私は何て返事をすれば良いのか、解らなくなってしまいました。
一応、時間差で、
「今から、食事の仕度をします。遅くなってしまったね・・・
今日はどうしようか?」
とメールを出すと、先日、仕事の件で借りていた本を返却する為、
私の家の近くにある図書館まで来ていると言う返事が彼から届きました。
食事の終る時間まで近くの駐車場で待っているから、と言う彼・・・。
近くまで来ているのに・・・請求書を渡すだけなのに・・・
逢えないと言う理由も可笑しいな・・・。
私はそう考えると、同居人に・・・。
「会社の人が書類を取りに近くまで来るみたいなんだけど・・・」と、
聞きました。
同居人は私が外出する事を一度も疑った事は無いんだと思います。
仕事を受けている相手が彼だとも知らないですし、
今年のバレンタインの日に、彼と同居人は修羅場になった事はあっても、
その時は暗くて、
何が何だか同居人も解らないまま外に飛び出してしまったので、
相手が彼だという事もハッキリは解らない様子でした。
今日も同居人は「少しの間だけなら行って来れば?」と言っていました。
私が「でも・・・家でゆっくり御飯も食べたいし・・・。」
そう返答すると、
「じゃ〜御飯食べてから行けば?」と言いました。
食事をしてから出掛けると彼が待ちくたびれてしまうし、
食事の前に出掛けても、
話によっては直ぐに帰って来れるかどうかも解らないし、
私が出掛けることも食事をする事も躊躇していると、
同居人も少し怒り出したような雰囲気になってしまいました。
それも、その筈です。
何時もはハッキリした態度を示す私も、今日は本当にどうしたら良いのか解らず、
自分でも不可解な態度をしていたので・・・。
同居人もそんな様子を見て、
イライラしだしたのだと思いました。
その後、少し口論になってしまって私は取る物も取らず、
出掛ける為に家を出ました。

彼は何時もの駐車場でジッと待っていました。
彼と逢うまで私も少しイライラして居て、不機嫌な顔をしていたと思います。
でも、そんな顔を彼に見せる訳にもいかず、気を取り直すようにしました。
「早かったね・・・・」と彼が言って「うん。」と何時ものように私が答えると、
普段と変わり無く彼は駐車場から車を出しました。
「ドライブに行こうか・・・」彼は宛ても無く車を走らせながら言い、
私も「うん。」と又、答えて、それっきり無言のまま暫く車を走らせました。
30分くらい走ると、誰も居ない一面の麦畑へ出ました。
そこに車を止めて、取り留めの無い話や仕事の話をしました。
少し暑かったので、散歩をしようと言って外に出ました。
麦畑の畦道を通って二人で畑の真ん中でボーっと辺りを見たり、
少し歩いた所に、用水路の橋があって、
そこまで手を繋いで歩いたりしました。
風が強かったけれど、心地よく感じました。
彼が不意に私の髪の毛を後ろに束ねて首筋にキスをしました。
私は黙って居ました。
何時の間にか私の被っていた帽子が落ちそうになって、
彼が帽子をそっと外してくれました。
彼はキスをやめようとはしませんでした。
そこに、どのくらい居たかは解りません。
来た道を通って車に戻ると、又、彼の愛撫は続きました。
この前・・・車の中で、してしまった時、気がついたことがありました。
何時もは仕事用のバックの中に仕舞ってあった、ブツが
先日から運転席のシートの下から出て来たのです。
そして、それは今日もでした・・・。
どうしたのか、彼のバックを奥さんにでも見られたのか・・。
中には私が彼宛に出した手紙や、
一緒に映っているビデオもあった筈なのに、
それは何処へ隠したんだろう・・・。
何だか解らないけれど、心配と虚しさが一緒にやって来ました。

私は黙って、吐息で曇っていた窓を開けて煙草に火をつけました。
最近、事が終って身支度をして、ほんの少し話をすると、
「もうこんな時間、じゃ・・・・帰ろっか・・・。」と彼が言う、この言葉が、
「もうする事も済んだし、帰ろう。」と聞こえて来て仕方ありません。
今日も煙草を吸ったら、そう言うんだろうと思っていました。
上を見上げると、さっきまで曇っていた空に、半分だけ晴れ間が見え始め、
星空が見え隠れしていました。
私は、この前の一件で、もう空を見る気持も起きないんじゃないかと、
悲観していましたが、何とかここ数日で少し穏やかな気持に戻って
空を見上げる事が出来るようになって来て居ました。

その時です。
突然、空が崩れてしまうんじゃないかとビックリしました。
アッと思ったら、
それは流れ星でした。
本当に一瞬の出来事でした。
時間にしたら3秒もありませんでした。
生れて初めて流れ星を見たかもしれません。
願い事は言えないうちに消えてしまいましたが、
それでも、初めての出来事でとても嬉しかったです。

彼に今日の家の夕食の献立を話して、同居人が怒っていたと伝えました。
「そうだよね・・・。」
と一言だけ言って何かを考えている様子でした。
家の前まで送って貰うと、もう私の家の灯りは消えていました。






↑エンピツ投票ボタン

こっちはMy追加のボタンです。
「うん。」と私が言って、笑いながら手を振って私達は・・
別々の家に帰って行きました。
少しだけ、「このうえ、何を考えるというのだろう・・・
離婚できないと言ったのは彼なのに・・・。」
と思いながら、家へ向う階段をゆっくり登りました。
一人でしゃぶしゃぶを食べました。
「結婚して一番、大切なのは一緒に笑いながら御飯を食べる事だよ。」
私の母はそう言いました。
でも、自分の家族にそれを出来なくさせているのも私なんだ・・・。
少しそう思いました。
彼にも・・今日は疑問に思って居る事は何一つ聞けませんでした。
もう、私は彼に質問する余地も残っていないんだと、そう思いました。
私が何も言い出さなければ、何時も笑っていられるのでしょうか・・・。
何も起こらなければ、安泰な付き合いが出来るのでしょうか・・・。
安泰な付き合いって一体なんでしょう?
時間のある時に逢って、ただ体を重ねて、家人にはばれずに、
喧嘩もせず仲が良ければ安泰なんでしょうか・・・。

御飯の後に一人でワインを空けました。
段々、酔いが進むうちに
「今日は流れ星を見られたから・・・良い日だったのかもな・・・」
と、気持が麻痺して来てしまいました。
「もう、どうでもいいか・・・・。」
私は鼻で笑って、
冷蔵庫の中にある、もう一本の冷えたワインに手を延ばしました。






2002年07月04日(木) 分岐点かな・・・。




あっと言う間に7月が来てしまいました。

6月中に「今までの事」を書き終わろうと思っていたのに、毎日、バタバタしてしまって、

全部は書ききれませんでした。

少しずつで良いから、「今までの事」は書いて行こうと思います。

私の日記を覗いて下さっている方には申し訳ないと思っています。

とても、スローペースですが、出来るだけ日記は続けて行きたいと思います。







7月に入り、彼とは又、色々な問題が勃発してしまいました。
私が一方的に自分の感情を押し付けてしまったので、
彼は、色々、悩んで居たみたいで、
ナカナカ、答えが見出せないようでした。
前に「何処から何処までが不倫で、何処から何処までが不倫じゃないんだろう・・」
と聞かれました。
私も、よく解らなかったり、時間が無かったりで、
上手く返答出来ませんでした。

彼は私の事を少し重荷に思って来たみたいです。
私が喧嘩の度に、とても嫌な態度を取るので、
彼も私の扱いに困ってしまったようでした。
何時も問題を起こすのは私の方なので、「またか・・・・」とも彼は思うようです。

今回も原因は些細な事でした。
(6月28日の日記に書こうと思っています。)
でも、彼とは大きな歪みが生れてしまいました。
今は彼を失いたくないから・・・・。
彼の言っている事を受け入れなければ、
彼とも、さよならになってしまいます・・・。

色々、考えたのですが今日の朝は、もう我慢できなくて、
朝のメールも電話も無くて・・・。
自分から出勤途中の彼に電話をしてしまいました。
他愛の無い話だったら普通に笑っていられるのに、
問題の話になると言葉数が少なくなって何も進展しないうちに、時間だけが
刻々と過ぎていってしまい電話を切りました。
又・・・・憂鬱で悪い事ばかりしか頭に浮ばなくなって来てしまいました。
遣り掛けの洗濯物も干せず、
脳裏には優しかった彼の笑顔しか思い浮かばなくなってしまいました。
気持が段々、追い詰められて何もかもイヤになってしまいました。
問題を起こして、見せてはいけない部分を彼に見せて、
収拾のつかない事態にさせてしまったのは私でしたが・・・。
これ以上、嫌われても仕方がないや・・・・と思い、彼が仕事中だというのに、
又、電話をしてしまいました。
「もう、これ以上耐えられない・・・」と私が言うと、
「じゃあ・・・・・・・・・・・・・・・・・別れよう。」と彼が言いました。
本当にそれで、いいの?私と本当に別れたいの?と聞くと、
「僕だって・・・・別れたい訳じゃない。」
と言っていました。
でも、好きでも別れるしか方法が無いとも言いました。
暫く話をして、
「彼がもう少し考えるから・・・別れるんじゃなくて、何か違う方法を考えるから」
と言って電話を切りました。
まだ、モヤモヤは残って居ましたが、少し気持が楽になりました。

夕方、メッセがやっと繋がりました。
もう、何日も彼とはメッセで繋がっていないような気がしました。
前は問題が起こっても深夜に何時もメッセで繋がって何時間も話をして、
そして、問題を一つ一つクリアして来たように思いました。
でも、今回は・・・・今回だけじゃなくて、暫く彼は深夜にPCを開いていない様子でした。
もしかして、それは愛情のバロメーターの様な気もします。
どんなに疲れていても眠くても、前は少しの時間さえあれば何時も、
「繋がって居たい」と御互い思っていた様な気がします。
私だけが取り残されちゃったのかな・・・・。
少しそう思って寂しくなります。











↑エンピツ投票ボタン

こっちはMy追加のボタンです。





ただ、ただ・・・・悲しかったです。
もちろん、私も結婚しているので、
そう簡単に御互い離婚して一緒に居られるかと言ったら、
今は無理な事だとは解っていたけれど、
何時か、そうなったら良いな・・・。
何時か、そうなりたいな・・・・。
とズッーと思ってきたので、彼の言葉は・・・・・
現実をイヤと言う程、解らせてくれた言葉でした。
でも・・・・私は彼の言葉を息を飲んで、
「それでも・・・いいよ。」と言いました。

今は・・・彼を失う事は出来ない・・・。
彼は余りにも私の中に入り込んでしまった・・・。
彼はもしかして、私から離れて行きたいのかもしれない・・。
それでも、いい。
離れて行くまで・・・ただ見守っているしか出来ないけれど・・。
それまで・・もう少し彼を見つめていたい・・。




よく、私と同じような状況の人が、
自分の家庭や相手の家庭の人に、
「知られなくて良かった・・・上手くやらなくっちゃ」と
言うのを聞くけれど、誰にも知られなくて、
そして、終っていく関係で満足なんだろうか?
好きな相手と一緒に居たいとは思わないんだろうか?
先が見えなくても満足なんだろうか?
一緒に時間を共有する為に、どうしているんだろうか?
皆、どんな気持で居るのだろう?
『離婚』をして欲しいと思っていた訳じゃないけれど、
一緒に居る為にどうしたら良いのか解らなかった・・・・。
『離婚出来ない』と言う彼とは、もう先が無いんだろうか・・・。



彼が最後に、又、話をしようと言った・・・・。
でも、もう星は見えないような気がする・・・・。







++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

日記を御覧になってメールを下さった方、又 御返事をして頂いた方、
ここ1週間、心を乱される事が起こってしまい、こちらから御返事を
ナカナカ差し上げられなくて申訳御座いません。
この2・3日で何とか、気持のほうも穏やかになる事が出来ました。
御返事に御時間が掛かるとは思いますが、
メールを差し上げたいと思っておりますので、
気長にお待ち頂けたら嬉しいです。

又、子育ての事で御意見頂きましたHさん。
御返事を頂き、誠に有難う御座いました。
未熟者の私に、解りやすい例を御提示頂いた事、
とても、感謝しております。
何度も頂いたメールを読み返しました。
そして、一人の人間として、Hさんのおっしゃる事に同感致しました。
私も良い大人として、Hさんの言う
「シンプルだけれど、大事な事。」を是非、肯定出来る、人間になって
行きたいと思います。
母親としても、大人としても、まだまだ、未熟者でありますが、
又、今回のような事がありましたら、
叱咤激励して頂きたいと思います。
この場をお借りして、感謝の気持をお伝えできたらと思います。
本当に有難う御座いました。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++







BACK NEXT 初日から日付順 最新 目次
エンピツ