脳内世界

私が捉えた真実、感じた真実などを綴った処です。
時に似非自然科学風味に、時にソフト哲学風味に。
その時その瞬間、私の中で、それは真実でした。


※下の方の○年○月っていうのをクリックすると、ひと月ぶんはまとめ読みする事ができます



 「ありがとうございました」



必死に少しでも笑顔を作ろうとして、

震える声をなだめて、

もう泣いているのに、

それでも、「ありがとうございます」  と―――。


どうして、どうしてお礼なんて。

結局、生きてなければ、、




ほんとうはさ、おかあさんたちは、こんな「ありがとうございます」を言って、お子さんと一緒に故郷に帰るつもりなんかなかったはずなんだ。

こんな、「ありがとうございます」を、言うはずなんかじゃなかった。


ああでもこの「ありがとうございます」は、最後に受け取らなくてはいけないもので。


それには、「すみませんでした」すら、言ってはいけない。




2011年10月27日(木)



 にほんのあし


久しぶりに、バスと電車を使ってスーパーに買出しにいった。

私の住んでいるところはふつうに田舎で、コンビニエンスストアは歩いて30分はかかる場所にあり、バスは1時間に1本。これでも便数は増えたほうだ。

そんななか、帰るとき、うっかりバスを逃してしまった。
次のバスまで、きっかり一時間。

クソ重たい食料品たちを持ってこの雨のなか待つのも苦痛である。

しかたないかと、最寄り駅から歩いて帰ることになった。

右肩にぶらさがる重たい食料品、右手で傘を持って、左手にはまた食料品。

おまけに靴は踵が壊れてきていて、さっきから踵が妙にしくしく水っぽいのは、きっと浸水してきているのだ。

ワンピースに薄手のカーディガンしか羽織ってないのに、いやなかんじの汗をかく。しんどい。


中盤からは坂にさしかかる。長い坂は、尽きかけた体力を根こそぎ奪い取っていくのに存分に力を発揮する。

つ  つらい。

なぜ私はあのコミュニティバスを5分遅れで乗り逃がしてしまったのか。馬鹿すぎる。
そのおかげで、本当なら1本のバスで帰れる道のりを、電車に乗ってさらに歩いて帰らねばならぬということになってしまったのだ。
まあ仕方ないか。あのコミュニティバス、一日に8本もないし。

すぐ隣を車がぶおんぶおん通り過ぎていく。
仮にここで雨水たまりの水をぶっかけられても、バスを逃した私には文句が言えないといやに卑屈な気分になっていた。


いろんなことを考えながら自分を叱咤しながら、
ひたすらに足を動かすことに専念して、
ほうほうのていで寮にたどり着いた。

体が全体的に気持ち悪い。

気持ち悪いが、ただひたすらに、この二本を足を私は前に出していただけである。
ただこの足を動かしているだけで、この二本の足は、私という身体を寮まで連れてきてくれた。
すごいな、と思う。
ちょっと、ワープでもしたような気分にさえなる。

たとえ何がなくても、足を動かしてさえいれば、私の身体と荷物を運んでくれるのだ。

よくここまで連れてきてくれました。ありがとうね。



2011年10月22日(土)
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