脳内世界

私が捉えた真実、感じた真実などを綴った処です。
時に似非自然科学風味に、時にソフト哲学風味に。
その時その瞬間、私の中で、それは真実でした。


※下の方の○年○月っていうのをクリックすると、ひと月ぶんはまとめ読みする事ができます



 空に見惚れる

「うわぁっ!!」

夕焼け空を見たとたん、私は歓声をあげた。

さみしげな蒼色の空、奥の夕焼けに照らされた白い雲に、まるであざやかな血のような赤い影。赤色とオレンジと、ひかりとひかりと。

あまりに綺麗で、思わずデジカメをひっつかんで外に飛び出していた。

昔、そう幼稚園くらいの頃読んだ絵本に、白い子ヤギが好き勝手に外に飛び出していって、黒い狼に食べられてしまうという話があった。
白い子ヤギは狼とそれでも果敢に闘って、最後には喉元をガブリと銜えられて、絶命する。
子供むけの絵本にしては、内容がなんだかほの暗い。

その汚れのかけらも知らない真っ白な喉元が黒い狼に咬みつかれて、綺麗な赤が散りばめられている様は、壮絶な色気を発していて、子供心ながらにゾクゾクしたものだ。あのシーンだけが忘れられない。どうしてこのヤギさんは気持ちよさそうなんだろう?ちょっとうらやましいなとか、思っていた。
白子ヤギのアヘ顔うっとりしたようにさえ見える顔とか、かなしいシーンの筈なのに、それよりもきれいだなぁと思っていて、大きくなってからもあのエロシーンはお気に入りである。

そのヤギの、綿のような白さに滲んだ赤に、そっくりな雲だったのだ。


それを撮りたくて寮の外まで飛び出した。まだだ。まだ空が建物に邪魔されて見えない。

走った。空が見えるところまで走った。


けれど、夕陽は一瞬の間にほとんど落ちてしまっていて、あざやかな赤も白い雲も、しずかな橙と蒼色に隠されてしまっていた。

ああ。



こんなことなら、あの最高の瞬間を極限まで眼に焼き付けておくんだった。

そうだ。最高の瞬間なんて、いくつも瞬きしないうちに、終わってしまっている。
今これが最高の瞬間なんだ、って、気づいて心に留めるように、精一杯楽しむように自覚していたって、過ぎ去るし、過ぎたあとは名残惜しい。

たぶん私は今、かなり楽しい。 何ヶ月か前には焦がれてやまなかった生活を、送っているのだ。だって、空のひとつひとつの表情を追える心の余裕がある。
でも、こんなのはきっといつまでも続かない。




どんな空だった、とかいうのは、最悪忘れてもいい。

空が綺麗だと思えた自分を、忘れたくない。




2011年07月09日(土)



 表現促進現象

筋.緊.張.性.ジ.ス.ト.ロ.フ.ィー

『原因遺伝子は19番染色体長腕上にある。CTGリピート数が症状と比例し、triplet repeat diseasesの一つである。
 世代を経るごとに発症が早く症状が重くなる表現促進現象(anticipation)がみられ、母系からの遺伝でこの傾向が強い。』


(新.生.児の症.状・所.見マス.ターブックより)


そんな現象がある病気があるんだ。
世代を経るごとだなんて、なんだかたちの悪い呪いみたいで不気味だ。

極論で言うと、生殖できるまでだんだんその病気で生存できる人がいなくなっていって、その病気ごと失くなっちゃうってことなんだろうか?
不要な遺伝子異常はやがて消失していくようにプログラムされているとでも、言うんだろうか。


いや、いやいや、
本当に自然のものであるならば、意図なんて存在しないはずだ。
存在するのは、結果だけのはずだ。

でも、その「結果」がコレだとしても、
きもちのわるい「結果」だ。


2011年07月07日(木)



 「いのち」の境界線




1日後に生きているかどうか。

1週間後に生きているかどうか。

1ヶ月後に生きているかどうか。

3ヶ月後に生きているかどうか。



1年後に、どういう状態で「生きている」と呼ばれているかどうか。



2011年07月01日(金)
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