|
|
■■■
■■
■ あかちん
どうということない記事なんだけど、何となく思っていたことは残したいので残しておく。
前の職場では、異動になるたびに重症度が上がって、こどもたちが自分を表現できなくなっていって、泣くことも自分の口でミルクを飲むこともなくなっていって、何ともいえず、寂しい思いをしていた。
筋弛緩剤を使って人工呼吸器につながれて、栄養は点滴か鼻の管から何mlか流すくらい。ラインが多いし安静度もあるし、ろくに抱っこもできなかった。
新しい職場の重症度がいまいちわからなかったから、このまま私はふつうにミルク飲ませたり、抱っことかできないのかな、 自分なりに考えて選んできたこととはいえ、それってちょっとさびしいな、って思っていた。
けど新しい職場は、ものすごい急性期ばっかの子がいる、ってかんじじゃなくて、拍子抜けするくらい なんというか平和で、ふつうに抱っことかミルクあげたりとかできるところだった。
水分制限とかされてない量のミルクがあげられて、あかちんが満足してねれる量のミルクがあげられて、うれしい。眠るための薬を使わなくてもしのげるこの状況が、すごい。 おめめがくりっくりしている。そのくりっくりが哺乳瓶からんくんくお乳を飲みながら、私のほうを見ている。 ちょっと顔をずらしてみる。視線がうごかない。おいおい君はいったい何をみているんだい、私の背後になにがあるっていうんだい。おもむろに視線を移動させないで、ちょっとこわいから。
あかちんてさ、こどもってさ、ひとってさ、 目をあけたとき、顔が変わるんだよね。 ずっと目を閉じて眠らされていた子が、鎮静剤も筋弛緩剤も切られて、呼吸器を外した顔を見たときのちょっとした感動といったら。 きみは、こんな顔をしてるんだね、って、そこではじめてわかるんだよね。 かわいい顔してるね、って。 起きた顔のほうが、わらった顔のほうが、もっといいよ。
抱っこしているあかちんの顔を、おもわずずっと見てしまう。みいる。みいりすぎて、怪しい人だと思われそうでこわい。だからこっそりみいる。
あったかいし、ふわふわしているし、いいにおいだ。 おかあさんが持ってきてくれたおべべを着ているこの子のにおいは、おかあさんのにおいなのかしら。
残念なのは、感染の関係上、ディスポ手袋をした手であかちんに触らなければいけないということだ。 こんなかしゃかしゃした感触でごめんね。わたしの手は、ちょっとでもあったかいかな?
あかちん、泣きすぎたりかんしゃく激しかったりでイラッともするけど、あかちんしか出せない吸引力ってあるんだよな。
四角いハコみたいな中に入っているあかちんも、もっとおっきくなって元気になってそのハコから出ておいで。 そして私にだっこさせるのじゃ。
2011年05月31日(火)
|
|
|