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■ 救急搬送
救急搬送患者を受け入れるには、ICUやHCUのベッドが空いていなければならない。 だが一方で、救急患者として搬送され、脳死判定がずっと出ていてもそれ以外の機能を無理にでも、いつまででも生かし続けてほしいと家族に請われてずっとICUにいる患者さんもいる。 またある患者さんは、経過がある程度安定しても、この急性期医療を行う病院には長くいられないため次の転院先が必要だけれども、「次」の転院先が決まらない。理由は、本人にとって必要である医療的な条件(急変する可能性を残している、等)と家族の条件(実家の近くにない、医療者を信用できない、等)と実情が伴わない、都合のすりあわせがうまくいかない。など。 またある患者さんは、ギリギリ生命を保つラインで生きていて再度のオペが早急に必要だけれども、院内で急変が起こり緊急手術となった患者さんのために手術ができずに集中治療室で管理しつづけざるをえなかった。
ベッドは、いつまでたってもなかなか空かない。空けられない。ときが、ままある。 極論で言えば、ベッドが空くときは、すなわちその人が死亡するときか軽快するときで、 集中治療室のベッドを空けろという事は、軽快しろと言っていると同時に死ねと言っているようなものなのだ。
いのちは、それぞれの人とそれを取り巻く人々にこそ最も重く受け止められ、 いつでも一番重要なのはその時そこにいる、その人自身たちだ。 それぞれ皆が、自分とそれに属する人が一番大事で、目の前にあるのはその事実で、他者の事実など見えようはずもない。 だが、それは至極当然のことで。
2008年11月30日(日)
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