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■ 夕の情景
黄金蜜のひかりぐも、緋色の襦袢をひろげたような空の帯、 それを沈みゆく夕焼けのその日最期の情熱であかく染め上げて、 とけて混ざろうとするところに紫水晶をひとつぶ落とすと、 その深い深い輝きが、夕焼けの情熱全てを吸い取る傲慢なエゴと共に、 あたりを物云わぬ静寂の昏紫の帳で浸していく。
全て奪われる喪失の余韻<かなしみ>が後をひくような最期の朱色は、 しかし薄紫の帳に溺れる悦びにやがて動かなくなって埋もれていく。 沈めば昇り、昇れば沈み、その悦は終わりなく繰り返される。
もったいぶってかいてみる、夕の情景。
2007年02月04日(日)
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