こんなに好きでもいいですか? すみれ 【MAIL】【HOME】
- 2003年02月06日(木) returns
「今峠を下りた所だよ〜 寝坊もしないで無事向かってます。
すみれはそろそろ出勤かな?今日も頑張ろうね」
デスクに着くと、もう彼からメールが来ていた。
普段より1時間以上も早い出勤。
朝ご飯はキチンと食べただろうか、道中、居眠り運転なんてしないだろうか、
そんな心配をしていたが、その後一向に彼からの連絡は無く、
私から連絡する事にした。
「ありがとう心配してくれていたんだね。
御蔭で300万の仕事取れたよ〜。
すみれも仕事頑張ってね。」
彼からの返事を読んで、ホッとした。
それでも、これからの彼の勤める会社の行く末を思うと、又少し不安になった。
彼はその腕で今まで沢山の仕事を取って来た。
今日のようなコンベンションを幾つもこなし、多額の利益を齎してきた筈だ。
仕事が好きだと言っていた彼・・・。
それなのに会社がこんな風になるなんて・・・・。
これから、彼はどんな風になるのだろう・・・とても心配だ。
自宅に戻って「帰って来たょ」と一言だけ言いたくて、彼の携帯に電話をしたが、
又、あの女の人の声がするだけで彼の声を聞けなかった。
会社に戻ってから又社員会で遅くなると連絡を受けていたから、
どうやら、もう会議が始まっていたらしい。
いよいよ、会社の方向性を決めなければいけない時期に突入したんだろう。
それと同時に彼も決断を迫られる・・・・。
自分の本当に遣り続けて行きたい事と家族を食べさせる責任は、
もう一致しない・・・。
これから、私の事を考えるのは今まで以上に困難になるんだろう。
まずは食べて行く事、家族に不自由な思いをさせない事、
それから仕事の事、自分の遣りたい事、趣味の事、
私の事を考えるのは一番、最後・・・・。
その時には幾ら彼だからといって、考える心は容量オーバーして
私の事など入る隙間も残っていないだろう・・・・。
「電話でられなくて ごめんね
その後、社員で飲み会。 帰りにメールするね」
彼からの電話は何時まで待っても来なかった。
きっと、飲みすぎて酔いが覚めるまで、又車の中で眠っているのだろうと思った。
私も疲労で眠たく倒れてしまうんじゃないかと思ったので、
子供と早々にベットに潜り込んだのにナカナカ眠れなかった。
絵本を読み聞かされるのも飽きたのか、
こんな日に限ってスースーと寝息を立てながら、子供はあっという間に眠りに堕ちた。
私は一人で天井を見上げながら何日か前の彼との電話での遣り取りを思い出した。
「もう・・・暫く逢っていないね・・・?」
私がそう言うと・・・。
「この前、少しだけ逢ったでしょ?」
彼がすかさず、そう答えた。
彼に逢ったのはもう2週間も前、
それも、たった2時間だけの逢瀬だった。
休日に私に逢う時間を少しだけでも作ってくれた事は嬉しかった。
でも甘い特効薬は、そろそろ切れて、禁断症状が出る時期。
「だって2時間だけだったでしょ?」
「2時間だけでも逢えないよりは良いでしょ?」
彼はそんな風に答えていた。
私が最後に・・・何だか3年以上も一緒に暮した夫婦みたいになって来たね、と言うと。
「えっ?そんな事無いよ?
逢っている時はラブラブでしょ?」
彼はそう言うけれど、冗談のつもりが何だか私を又悲しくさせた。
彼に逢っていると楽しくて嬉しくて、とても幸せな気分だ、それは今も変わらない。
でも、こうやって次に逢える日は何時来るのだろう?と考えると、
約束も取り付けられない状況が酷く厄介に思えて来て仕方ない。
「最初はチョットだけでも顔を見られるだけで嬉しくて・・・
ただそれだけで満足だったのにな・・・・あの頃に戻りたいな・・」
そんなに時間が過ぎていないのに、
私は胸の中でそう思いながら寝返りを打った。
彼の仕事が大変だって知っているのにも関らず、
やっと、この前の諍いが修復したばかりなのに、