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2003年02月01日(土) ハスキーボイス


昨夜はベットの中で堪えきれずに泣いてしまった。
子供も不安に思ったのか、私に抱きついて来て、
私もそのまま眠ってしまった。
深夜に少し目が覚めると、
ベットの下で、同居人が布団に包りながら寝息をたてていた。
私もそのまま再び眠りに堕ちると、
翌朝目が覚めた時にはもう、同居人の姿は無かった。


こんなスッキリしない気分でも、
何時もと変わらないテンションで仕事に望まなければいけない。
今の私にはとても辛い事だけれど、
それでも私のしている事が誰かの為になれば、
それは自分の幸せにも繋がるのだろうと・・勝手に解釈してデスクに着く。
それが・・・今日は歯車が大きく狂ってしまった。
どうして、こんな風になってしまったんだろう・・・・
悩んでみても仕方ない事なんだろうけど、








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何だか・・・とても辛い一言だった。
私の声はハスキー過ぎて低音だし、顔も見えない電話での遣り取りだと
不機嫌に聞こえてしまうのは理解出来た。
それに付け加え、書類に不備がある場合は、
その確認作業を全て私に委ねられている仕事上、
どうしても相手は私に不備を責められているとしか聞こえないのも理解出来た。
だからと言って、それを責めたつもりもないし、
只内容を確認したかっただけなのに・・。



「貴女・・・・・・偉い訳じゃないでしょっっ」



そんな事まで言われた。
自分の非を認められない、こんな営業マンに
何故そんな事まで言われなくっちゃいけないのか・・・。
言ってる本人だって偉い訳でもないのに・・・・。
そういう想いで憤慨して手が震え出して来てしまったけれど、
そんな事を言ったとしても余りに子供じみた押し問答だと気を取り直し、

「そんなに私の言い方が不快に思うのなら、
書類に不備が無いように御願いします」

とだけ言って電話を切った。
相手が面白くないのは重々承知だった。
どうしても事務的な内容の遣り取りになりがちな確認作業だったし、
誰だって自分の非を只責められると思えば良い気がしない。
私だって・・・
忙しく毎日バタバタしているのを知っているくせに、
イチイチ不備の内容確認なんてされたら良い気持ちには到底なれないだろう。
でも、どうしても私の仕事はそれを明確にしなければいけない仕事・・・・。
会社の利益の為に・・・。
そう思って仕事の成果が反映されるのを強く望んでいるのに、
末端に居て要となる営業マンに
汲み取って貰えない気持ちが悔しかった。


その後、目の前に居る先輩のデスクの電話に、その相手から電話が掛かった。
ベテランと呼ばれる先輩はこの会社に8年は居るらしい。
そして、それらしく直ぐにPC画面を見詰ながら、
やっぱり何も記入されていない書類の作成画面の事を話していた。
電話が終った後、私に

「責任者が・・この欄の無記入禁止を
キチンと伝えていなかったみたいだょ・・・」

それを聞いて又落胆した。
仕事で涙を流すのは恰好悪いとは思っていたが、
今までも何度も何度も涙を流してきた。
新しく就職した今の会社では初めてだけれど、
結婚前に働いていた時は、
ホンの少しで予算がクリア出来なかった時・・・。
部下が違う部署から色々と注意をされてしまった時・・・。
何だか自分が一生懸命遣っているのに、それが上手く反映されない時は
本当に悔しくて涙を沢山、零した。
だからと言って諦めるのも悔しくて・・・・。

「絶対、クリアしてやる・・・人になんてツベコベ言わせないぞ・・・
今に・・・・追いつけないくらいの数字を見せてやる・・・」

そう思いながら、自分を奮立たせ何とか1つずつクリアして行った。
問題が全て取り払われて、自分が満足の行く結果を成し遂げた時、
「良く頑張ったね・・・・」
最後に今までツベコベと言い続けた人が、満面の笑みで私を認めてくれた時、
私はその人の事を心の底から感謝した。
「あぁ・・・この人があの時、冷たい言葉をくれなかったら、
今まで頑張って来れなかっただろう・・・・。
この人が居てくれて良かった・・・。」
そう思って頭を深々と下げた。


営業マンの気持ちが解からない訳ではなかった。
あの時の仕事への未熟者だった私と同じ段階に彼も今は居るのだろう・・・。


只・・・私の仕事に日々、アレコレ指示を出す上層部は
今回の事をなんて言うのだろう・・と思っていたら、
只一言・・・・・。

『営業マンなんて馬鹿なんだから気にするな』

それだけだった・・・・。
何だか、ふに落ちなかった。
日々、情報漏れが無いように言って来たのは確かに上層部の筈なのに・・・。
次に商品を購入する人の為に・・・・。
満足の行くサービスを提供する為に・・・・。
そう指示され、それだけを頭に置いて仕事を全うして来たつもりなのに・・・。

  







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余りに気分が悪かったので、定時で仕事を切り上げ帰宅途中の車の中。
私の頭の中で、そんな言葉が何度も何度も木霊した。




仕事から解放されると、もう一つの憂鬱が遣って来た。
彼からは何の連絡もメールさえも届かない。

一体・・・私の精神的底辺はどの位の深さの所にあるんだろう・・・。
まだまだ、底は深そうに感じているけれど・・・。
その割りに限界点はとっくに超えて、
胸の辺りで喚いていた悲鳴も擦れ擦れの状態だろう・・・。
私の心は実際に発声する声よりも、
きっと、もっともっとハスキーボイスだろうな・・・・。



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