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2003年01月17日(金) Leaving early


昨晩、帰宅すると朝より体調が悪いと同居人は寝込んでしまった。
その上、又歯が痛いとブツブツ言っている。
こんな時にしか実感出来ないだろうと思い、

「だから前から歯医者に行きなって言ったでしょ! !」

そう言い放って子供と私だけで家を後にした。



先週の苦労の成果だろうか、今週は仕事も押し迫った感じはなく
年末になかなか出来なかったデスクの引き出しの整理に朝から追われていた。
必要の無い書類の束をシュレッダーに掛けると、
時々、詰まって何度も電源を点けたり消したり・・・・。
やっと一段落して、

「今週もやっと明日で仕事が終わるなぁ〜」

そんな事を考えている時だった。








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「あぁ・・・・とうとう来たか・・・・。」

そう思った。
きっと怪我か体調が思わしくないのだろう・・・。
電話を取ると案の定熱が出たので御迎えに来て下さいというものだった。
私は仕方無しに上司にそれを伝えた。


「しょうがないな・・・・・」


上司はそんな顔をして私を見ていた。
何だか申し訳ない気持ち・・・。
子供を育てながら外に働きに出ると何
時かこんな事が起こるとは思っては居たけれど
「どうか何時も元気で居てくれるように」
そう祈りながら毎日を過して来た。
怪我をしないように・・・。
熱など出ないように・・・。
気をつけて生活してきたはずなのに・・。


「旦那さんは?家に居るんでしょ?」


向かいの席に座っている先輩が声を掛けてくれた。
同居人も今日は家に居て寝込んでいる筈だった。
でも・・・子供を保育園まで迎えに行く気力があるなら仕事を休んだりはしない。
こんな時、近くに両親が居れば・・・と何時もそう思う。


私は申訳無さそうに会社を後にして、
ずっと帰りの車の中で唇を噛んでいた。
何時か来る事は知っていたし、今後も同じ様な事があるかも知れないけれど、
その度に、こんな風に何かを諦めたような気持ちになるのだろうか・・・。
今までだって・・・・子供が生れてからだって少なからず仕事はして来たけれど、
今回のように時間に追われて、
益してや代わりになる人が居ない仕事だからだろうか・・・・。
自分の至らなさが身に染みてしまった。


保育園に着くと何の事はなしに子供は元気良く遊んでいた。
それでも先生は熱が下がっていないと言う。
こんな時、働いている御母さんの諸事情を察知してくれないのを
少し恨めしく思うものの・・・保母だって仕事だ・・・きっとマニュアルがあって、
何℃になったら園児を預かれないという決まりがあるのだしと思い、
私は諦め顔で帰宅した。
子供は家に帰ると安心して絵本を読んだり、テレビを見ながら踊ったり・・。
朝、登園する時と差ほど変りはなく元気だった。
それとは反対に同居人は苦しそうに布団の中・・・。
思い出したようにPCを開くと、
「大丈夫?インフルエンザじゃないの?」

彼から子供を心配するメールが届いていた。


夜は久し振りに家族3人食事をした。
本来なら、まだ職場で仕事をしている時間帯だった。

「あの書類・・・どうなっただろうな〜」

私はそんな事を心配していた・・・。
私にとって家族を持つという事は、
自由が利かなくなるという事に、少し似ているのかもしれない・・・。



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