こんなに好きでもいいですか? すみれ 【MAIL】【HOME】
- 2002年09月28日(土) 逢瀬の後
「又、来週ね・・・」
そう言われて彼に手を振った後、家に着くと、もう午前3時を過ぎ様としていた。
眠る前に点けっ放しで出掛けてしまったPCを見ると、何件かメールが来ていた。
暫くボーっとしていたが、家の中はまだ暖房が入っていなくて寒いので、
そのまま何もせずに眠ろうか・・そう思っていたら、
彼からオヤスミのメールが届いた。
「久し振りだったから、嬉しかったよ。逢ったのも・・
いっぱい話したのも・・ギュとしたのも、
すみれに逢えて頭が痛いのも少し軽くなったよ。
今日は疲れているだろうからゆっくり休んでね・・・>
明日は起きれるかな〜?」
彼は明日、サッカーの練習が朝からある・・・・。
風邪が治らなかったら行かないと言っていたが、
相乗りで送って行かなければいけない人が居るみたいなので、
休む事は無いだろう・・。
色々忙しくしているのに、私に逢ってくれただけでも、感謝しなければいけない・・・。
今日は土曜日・・・。
子供は保育園。同居人は仕事。
そして、私は休日・・・・。
今度からは土曜だけが一人の時間。
今までは一人の時間が多くて、少し持て余し気味だったのが、
これからはこの貴重な時間を使って、
自分のしたい事や一週間分の疎かにしていた家事をこなさなければいけないと
そう思うと、何時も以上にバタバタとしてしまう。
今日は早起きを心掛けていたのに・・・、
昨日が遅かったからか今日の朝も少し寝坊をしてしまって大慌て。
同居人は早い出勤だったみたいで、一足先に飛び出して行ってしまった。
子供を保育園に送ると、すぐさま園庭に走って行って私に手を振る。
ついこの前まで、離れるのが嫌で泣いてばかりいたのに・・・。
やはり、うちの子は親離れが早そうだ・・・・。
彼からは、サッカーの練習の時間になっても電話は来なかった。
今日もドンヨリした曇り空で、外は冷たい風が吹いていた。
「電話も来ないし、休んだのかも・・・・」
私はそう思いながら、家事と仕事に追われていたが、思ったよりも何も進まず、
暫し手を休めてコーヒーを飲んだり、この間借りて来たCDを聞いたりしていた。
何件か友人から電話が来て、つかの間の楽しい会話を終らせ、
時計を見ると午後1時。
又、電話のベルが鳴る。
「今日はよく電話が来る日だな・・・」
そんな事を思いながら、ディスプレイを見ると非通知だった。
「今日は寒かった〜。練習頑張ったよ〜」
彼はチームメイトを自宅まで送った後、直ぐに電話を掛けてくれた。
「風邪は大丈夫なの?」
私が聞くと、まだ本調子ではないらしかった。
「すみれは?今日何してたの?」
私が在り来たりな答えを言うと、続けて・・・。
「昨日は?あれから直ぐ寝たの?」
何だか、今日の彼は質問攻めだった。
「僕は一緒に暮している訳じゃないから・・・
すみれが誰かとチャットしたり、
誰かと逢っていたりしても解からないから・・・。」
少し寂しそうな彼の言葉・・・。
やはり、環境が変わって私の行動が把握出来ない事に対して、
不安な気持ちを隠せないのだろう・・・・。
思った事や不安な事があると、何時も彼は私に問い掛ける。
普段は前向きで明るい彼だから、尚更、不安になると
胸が押し潰されそうになるらしい。
昨日、駐車場で彼と「一年もよく持ったよね・・・」と話をしたら、
「この一年で僕は・・寿命が縮まった気がする。」
彼はマジマジとそう答えた。
私の言動や行動は時々、奇想天外過ぎて彼にとっては予測不可能らしく、
次は何があるのかと、何時も気持ちが休まる事が無かったらしい。
私にとって、それは不名誉な事であるけれど、
彼は何時も「僕が余計な事を言うから、すみれが怒っちゃうんだよね・・・。
僕が自分で嫌われるような事を言うから、いけないんだよね・・・」
彼は何時も、そう言って私の突飛な言動や行動を庇護してくれた。
一年・・・・きっと彼で無ければ、ここまで、付き合って来れなかっただろうと思う。
私はもっと、彼に感謝しなければいけない・・・・。
「何?私が浮気でもすると思っているの?」
私が聞くと彼は少し駄々を捏ねる子供の様に・・・。
「いや・・・でも、僕が束縛するとすみれは又嫌がるから・・・・
浮気の事は・・・・もう話をしないよ・・・・。」
唇を尖らせながら話している姿が目の前にちらついて、可笑しくなる。
「そういう時はね・・・
僕と逢えない間に浮気しちゃ嫌だよ?・・そう言うものだよ?」
私が少しお姉さん口調で言うと・・・・。
彼は言葉を詰まらせながら、素直に同じ事を言った。
私は又、可笑しくて電話口を少し離して大声で笑った。
「大丈夫だよ?昨日逢ったばかりで浮気なんて・・・
貴方の顔がちらついて、他の人に目を奪われるなんて事はないからね?」
私がそう言うと、彼がすかさず返答する。
「逢っていない間、想いが募ってすみれの顔がチラチラするの・・・
仕事中も家に居る間も・・・だから、昨日も理性は後からだったでしょ?」
「へぇ〜、そういう物なんだね・・・私は貴方と逢った次の日は、
余韻に浸ってドキドキするけどなぁ〜」
心の中で暫く又、彼と逢わない方が自分の為なのかも・・・と、
今度は都合の良い解釈をする。
「すみれ・・・昨日、ベットの縁に頭・・何回かぶつけてたね・・・。
ごめんね・・・僕が激し過ぎたからだね・・・
体、ずらしてあげなきゃって思ってたんだけど・・・」
「あれ?そうだった?それより・・・
理性が飛んでても、そういう所は冷静なんだね〜」
私達は又電話口で大笑いをした。