こんなに好きでもいいですか? すみれ 【MAIL】【HOME】
- 2002年08月19日(月) 素直か否か・・・。
お盆休みもスッカリ終って、今日から子供も同居人も日中は家に居ない
生活が始まった。
朝は何時もの様にバタバタしていたが、
休みの間、色々と遣ってくれた御蔭だろうか、
何時もの朝の同居人の行動にも私は過敏な反応を起こす事は無かった。
又今日も同居人を職場の途中まで送り届けだのだが、
「ありがとう」と言って車を降りた事が少し嬉しく感じてしまった。
本当にどうしたのだろう・・・。
よく耳にするものだが、外に女が出来ると、
家に居る妻に対して後ろめたさがあって妙に優しくなると言うが・・・
同居人が浮気を繰り返しているのだろうか?
一度目の浮気と今までの間に同じような事があったが、
私は全く相手にしなかったからかスッカリその女とは手が切れたようだった。
仕事帰りの予定を聞く為、何度も携帯に電話をするが、
繋がらないという事も稀だし・・・横には同僚の話し声も聞こえるし・・・。
一体全体、今回はどうしたというのだろう・・・・。
同居人の事に対して、疑問に思いながら帰りの車を走らせ、
家につくと彼からのメールが届いている。
「おはよう。天気あまり良くないね
お盆休みも終わって・・・今週からまた頑張ろうね」
どうして、彼はこんな風に何も無かったようにメールして来るんだろう・・
とは思ったが、長い休みが明けて、嫌な気分で仕事をさせてしまうのも悪いと思い、
私からも取り留めの無い返事を送る事にした。
「おはよ。休み明けだから、きっと御仕事沢山あるね頑張って」
昨日は御父さんの所から帰宅するのも、きっと遅かっただろうし、
心労も色々あって大変だと思う。
だからと言って、私はこの休み中の前半に丸々一日、放置された事を忘れては
居なかった・・・・。
御互い心が繋がって居るとはいってみても、
別々の場所で別々の人達と暮しているのは事実なのだし、
見えない分だけ不安や葛藤が日に日に増殖されて行くのを
彼は解からないのだろうか・・・と思っていた。
この何日間か連絡を一向に取らない私の事を彼は何と思ってきたのだろう・・・。
こんなメールを送って来るという事は、
全然、私の気持ちなど理解していないのだろうな・・そう思った。
「ありがとう すみれも体に気をつけて頑張ってね」
「ホラッやっぱり思ったとおり・・・・・。」
彼は何にも解かっていない・・・・。
すぐ来た返事にも、私は憤慨をしていた・・・・。
お昼の時間が過ぎて、彼もきっと、休み時間はあるだろうけれど、
今日は誰と昼食に行くのかなんて・・そんな事は私には関係の無い事。
しかし、彼から又メールが来た・・・。
どうやら今度は余りの休みボケで御昼に行くのもダルイ。
明日の予定、そして最後に・・・
同居人が居たら家事や私のしたい事は上手く進むのか?
という内容だった。
休み開けの月曜・・・休日なんて人は珍しいのでは?と思ったが、
ここ数日、会話もないまま過してしまったので、
彼は私の家のスケジュールも解かる筈も無く・・・。
無機質に、その事をメッセで知らせた。
何時もなら「お昼、何を食べるの?帰社する前に電話頂戴ね」とでも、
書いて携帯にメールを入れるのだが・・・・。
会社に戻らないと解からないように、わざとメッセにオフラインを残した。
そうしておけば、何時もの様に電話掛かってくる事も無いだろう・・・・。
そう思ったのに、読みが甘かった・・・。
彼はお昼を終らせて帰社した後、私のオフラインを見るなり、
もう一度、外に出て私に電話を掛けてきた。
暫く天気の話をしたり、仕事の話をした。
私は「うん・・・・」「別に・・・・」「うん・・・・」
それを繰り返していたのに、
「何をそんなに怒っているの?13日に連絡しなかった事?」
とうとう、聞かれてしまった・・・・。
私は「そうだよ・・・」と答えると、彼は深い溜息をついて、
「ごめんね、悪いと思ってるよ。」
「連絡できなくて・・・いや、しなくて・・・ごめんね」
彼は何度も謝ってくれるけれど、どうしても私の心が開かない・・・。
彼はこの件について、又話そうね・・・と言って会社に戻って行った。
子供のお迎えを終らせて、バタバタと時間が過ぎた。
時計を見ると、もう8時・・・。
モタモタしていて家事も満足に出来て居なくて少しイライラしていた。
突然に電話の呼び出し音が鳴って体が堅くなってしまった。
暫く黙っていると、数回でベルの音が途切れる。
子供と一緒にナンバーディスプレイを覗き込むと、
それは非通知の表示だった。
「誰だろう・・・・」
「彼かな?何か言いたい事でもあったのだろうか・・・・」
10分くらい考えながら、家事の続きをしていたが、
そろそろ、帰る時間で途中に電話を掛けてきたのだろうか?と思い、
私から電話を掛ける事にした・・・。
「僕じゃないよ・・・」
電話を掛けた相手が彼では無い事を知ると、心の中で落胆した私が居た。
取り留めの無い話題を話して居たのに、又あの話になってしまった・・・。
彼が何度も謝っているのに、
どうして自分が
「解かったよ・・・もう放置しないでね」
と素直に言えないのか、解からなくなっていた。
話している最中も何度も考えるが、意地になっているのか、
話がエスカレートしていくばかり・・・・。
とうとう私はこう言い出してしまった・・・・。
「そういう思いやりの無い人とは付き合いたくないの! !」
私は「貴方と付き合いたくない」と言った覚えは無いのに、
ドンドン別れ話に進展して行く・・・。
彼も私と別れたいとは思っていないのに
「僕はすみれに何もしてあげられないし、引き止める権利がない」
そう言って・・・逃げている様にしか私は思えなくなってしまった。
「だから、ハッキリ言ってよっっ」
そう言うと、
「好きだから別れたくないけれど・・・。
すみれの事を思うと別れてあげたほうが良いのかな・・とも思う」
可笑しな意見で私の頭の中が、さっきよりもパニックになって行く・・・。
「電話しなかった事・・・・今、凄く後悔しているよ・・・・」
まさか、御互いに休みに連絡しなかった事で、こんな別れ話に発展するなんて
思っても居なかっただろう。
でも、気持ちなんて、そんな物だろう・・・・。
何処かで擦違ってしまったら、何もかもオシマイのような気がする・・・・。
「すみれは・・・・僕の事・・・忘れようとしていたんじゃない?」
咄嗟に言われてビックリしてしまった・・・・。
忘れようと・・・していたのは事実だった。
もっと彼だけではなくて、他の事に没頭する物があったなら、
忘れられんじゃないか・・・・そうも思った・・・。
でも・・・それは私の心の内だけのものであって・・・・。
そんな事はここ数日で解かるはずも無い事なのに・・・・。
「もしかして・・・日記・・・見ているの?」という猜疑心が湧いた。
話している途中に同居人が帰ってきてしまった。
私が浮かない顔をしていると、黙って「どうしたんだろう?」という表情だ。
彼との電話を一端切って、「ちょっと出掛けて来るから・・携帯貸して・・・・」
そう言って車に乗り込んだ。
「今、何処に居るの?」
彼に逢って話をしたかった。
キチンと面と向って問題を解決しよう、というのは約束だったのに、
今回も又、御互いに・・・・というか、私は・・約束を守れなかった。
だから、彼に逢いたかったのに・・・断られてしまった・・・・。
イライラは増すばかり・・・。
「何で彼は自分の本当の気持ちを殺してるんだろう・・・・」
そう思って憤りを感じた。
自分の意見を押し曲げて、本心を言えない彼・・・。
時には理性や道徳や概念や・・・。
そんな物に縛られる事はあるけれど、
それに伴わない感情があればこそ、
私達は付き合いを続けて来たのではないか・・・
なのに、彼は本当の気持ちを私には告げてくれない・・・。
御互い、素直じゃない所は似ているのかも知れない・・・。
だから、何度も何度も喧嘩ばかりする・・・・。
「もう・・・限界なのかも・・・。」そう感じた・・・。
私には何も無かった・・・・。
彼から・・・将来、一緒に居られたら「こうしよう」「あ〜しよう」と語ったり、
「絶対、一緒になりたいから、それまで我慢してね」「一緒に居られる為に
御互い努力しようね」とも言って貰えなかった・・・・。
そういうものを・・・与えて貰った事などなかった・・・。
それだけで、ここまでやって来た・・・・。
好きだから話をしたい。
好きだから逢いたい。
好きだから一緒に居たい。
ただ、それだけだったけれど・・・。
今までは素敵な事だと思って来た・・・。
でも・・・・良く考えてみると・・・それは当然の事・・・・。
本来なら・・・そこから一歩先を目指す筈なのに、
まるで牛歩戦術のようにしか前に進めない。
進めないと言うよりも、寧ろ何も進んでいない。
前に誰かの手紙にも書いた・・・・・。
人の60%は水で出来ていて、水は止まったままだと段々、腐って行く・・・・。
だから、人も止まったままだと何時か心が腐って行ってしまうんじゃないか・・・。
私はそう思う・・・・。
漂っているなら、まだ救いはあるのかもしれないけれど・・・。
止まったままで何も成長しないのはいやだ・・・・。
進むも下がるも私の心次第というのなら・・・。
私の心の変化は絶対不可欠な事・・・・。
「だから、貴方の本心を聞きたいの! !」
これで、まだ自分の気持ちを言えない人なら、もうやめてしまおう・・・
そう思った・・・・。
彼は・・・そう答えた。
心の蟠りがスゥーっと引いて行くのが解かった。
今日、彼がナカナカ本心を言ってくれなくて、偽りの姿しか私に見せてくれなかったからか、
「もう貴方とは話もしたくない!」と私が言ってしまったせいで、
彼は
「僕に・・これからも色々話をさせてね・・・」そう言いながら、
受電の電池切れで会話は途絶えてしまった。
「時間は掛かっても、一緒に居たいと思う」
あぁ・・・・やっと言って貰えた・・・・。
そう思った・・・。
それはずっとずっと、私が欲しかった言葉だった。
別にそれが成し遂げられなくても私にとって良い事なのだ・・・。
実際、問題はまだまだ山積みで、どれから手を着けて良いのか、
何時になったら解決出来るのかさえ、解からない。
それには沢山の時間を要するし、沢山の人を傷つける事になるだろう・・・。
現実的には無理な事なのかもしれない・・・。
後10年なんて歳月、変わらない気持ちで居る事が出来るかなんて、
誰にも解らないし、その間に沢山の出来事が起こるだろう・・・。
10年経って、彼の子供が世に出て独り立ちしていたとしても、
その先には子供の結婚・孫の誕生という、彼にとって喜ばしい事が、
待ち受けているだろう・・・・。
それを考えたら、親の方から子供に対して手を切る真似なんて、
誰が出来ようか・・・。
色々な事を踏まえて考えたら、出来ない事のほうが容量が多すぎる。
でも・・・・。それでも良いのだ・・・。
今は「時間が掛かっても一緒に居たい」という気持ちで、
彼と付き合って行けるのだとしたら私にとって、それは、ある種の救いだ。
一緒に居たいという気持ちを隠さずに居られる事で楽になれるのなら、
それが成し遂げられなくても後悔はないだろう・・・・。
何よりも彼と同じ気持ちで居られる事が嬉しい・・・・。
でも・・・・・・?!
もしかしたら・・・・・。
今日の彼の発言は・・・・。
私が無理に言わせてしまったものだったのでは?!
別れを私が迫ってしまったから?!
逃げ道が無いほど私が追い込んだの?!
そう言うしか回避方法がなかった?!
後から、彼の事をこんな風に考えてしまった・・・・。
私は何処まで素直じゃないのだろう・・・。
今まで色々な事がありすぎて、心の中が疑心暗鬼でイッパイだ・・・。
何も知らなかった頃に、戻りたいとさえ思ってしまう・・・・。
素直じゃないっていう事は・・・・・・・とても恥じるべき事だ・・・・・。