こんなに好きでもいいですか? すみれ 【MAIL】【HOME】
- 2002年08月16日(金) 我侭な葛藤
今日は本当に久しぶりに青空を見た。
洗濯日和の一日だったのにどうしたものか、そんな気が起きなくて朝から又
ボーっとしていた。寝不足のせいもあるのだろうけれど、気持ちが奮い
立たなくて何もする気が起きない。
同居人も休みの間、タラタラと過ごす私の事を見て、いよいよ頭に来たのか、
ダイニングテーブルの上に置きっ放しにしてあった私のノートPCを
見てブツブツ言い出して来た。
昨晩(とは言っても早朝)子供が起き出して来て、そのままベットで寝かせて
居たら、私も一緒に眠ってしまったので、そのまま出しっ放しにしたままだった。
そんな小さな事でブツブツ言わなくても・・・と暫く黙ったままだったが、
状況説明しても何時までも続く同居人の小言も聞いているうちに、イライラして
又喧嘩に発展してしまった。
大きな声で罵声を飛ばす同居人に耐え切れなくなって、持っていたライターを
思いっきり床に投げると、思いもかけず暴発してしまった。
床にはライターの欠片が飛び散って、
子供も怒り顔の私を見て怯えてしまっていた。
「危ない! !子供に当たったらどうするのよ! !」
同居人も私の行動にビックリしていた、
「だったら、そんな事シツコク言わないでよ! !」と私も怒鳴ってみた物の、
余りの罰の悪さにPCを持って又寝室に逆戻りしてしまった。
カレンダーをチェックしてみると、もう直ぐで月の物が来そうな予感。
どうやら、御腹もムズムズして倦怠感がある訳だ・・・・。
このイライラも、そのせいなのかも・・・・。
妙に納得して同居人と子供に謝りに行こうかと思ったが、そのままPCに向かい
出してしまった。
居間では大人しく同居人と遊ぶ子供の声・・・。
子供にとってはあれでも、たった一人の父親だ・・・・。
その為には離婚を避けなければいけないのか、それとも自分の為に離婚を
踏み切ったほうが良いのか・・・・今でも、考えると訳が解からなくなる。
どちらにしても必要な物があれば今すぐにでも荷物を纏めて、ここから出て
行けたものを・・・・。
そんな事を考えているとメールが1件着信になった。
「又どうせメルマガだろう・・・・」
そう思って覗いてみると、なんと彼からだった。
Subject: おはよう
「今日は天気が良くなったね」
とても、短い文章・・・・。
でも、この短い文章の中に明らかに落胆の色が窺がえた。
何通メールを送っても、私からの返信がないからだ・・・。
そう思ったけれど、考えれば考えるほど何を書けばいいのか解からなくなる。
「おはよ〜本当に天気がいいね・・・・・」
ただ、そう書けば良いのかもしれないが、今はそんな明るい気持ちにもなれない。
「どうして、一日中連絡もしなかったの?私がどれだけ心配したか解かってる?
何時も気にしてるなんて嘘でしょ?
どうして気にしてたら一日中放っておけるの?
休みなら逢えないのだから尚更、連絡するべきでしょ?」
本心からいうと、こう書くべきなのかもしれない・・・・。
でも、彼は親戚回りで疲れたと連絡してきた・・・・。
メールを出来ない理由を正直に言っている相手に、
責める気にもなれない・・・。
どう書いて送るべきなのか・・・・・。
考えるだけでも疲れてきてしまう・・・・。
子供が寝室に閉じこもっている私を心配したのか、寝室のドアを開けて
やって来た。たどたどしい声で「ママァ・・・マンマァ・・・・」と叫んでいる。
御飯は同居人と一緒に食べたはずなのだが、
彼の中ではママもマンマも、まだまだ一緒の次元のようだ。
ベットで、七田の子供教室で覚えた赤ちゃん体操みたいな遊びをすると、
嬉しいのかニコニコ笑っている。
そのうち可愛い声を出しながらケラケラ笑う。
子供は可愛い・・・・・・。
その気持ちに偽りなどない・・・・。
きっと、もうすぐ、この子も何もかもわかる歳になる。
そして、私と彼が、ただならぬ関係ではない事を察知するだろう。
もしかしたら、今もそうなのかもしれない・・・。
これから、一体どうすれば良いというのだろう・・・・。
何時の間にか遊び疲れたのか子供は眠ってしまった。
何時もなら、この時間にやらなければいけない事を終らせておくのだが、
居間は同居人が占領していて行けないし、
私も疲れていたのか眠ってしまった。
途中で何度か目を覚ましたが、本を読んだり子供の寝顔を見たりしているうち
に又寝入ってしまった。寝室には時計が無いので、時間が解かる物といったら
PCの時計くらいだ。
「今・・・・・何時になったのだろう?」
心配になってPCを起動させてみると、もうすぐ夕方だった。
「あっ・・・・そういえば・・・。」
友達の子供が今年中に産まれて来る予定なので、一足早いが必要な物を
と思い、買ってあげたいと思っていた物があったのだ・・・。
忘れていたが限定商品だったので、急いで買いにいかなければ・・・
そう思い立ち、子供を起こして服を着替えさせ、出掛ける用意をする。
同居人は何をしているのだろうと思い、煙い顔をして居間に行くと、
滞っていた洗濯をしている所だった。
この休み期間、同居人は今まで見たことの無いような行動力で家の中の事を
片付けてくれている。
もしかして、本来はこういう人なのかもしれない・・・。
それじゃなくても、家の中の事は私に片付いていない所の指摘をよくする。
「そう指摘ばかりするなら、人に言わないで自分で行動して! !」と今まで言って
来たが、この休み中、言われた通り行動に移している。
何だか私は怖くなってしまった。
「言われた事を即実行する、考えたら、まずやってみる」
これが私のモットーだった・・・・。
無謀と言われた事も度々あったが、行動しない人を見ると何時もイライラして
しまう・・・。だから、今まで同居人に対しても口ばかりで行動しない人と
思ってきたのだ、でも、今回ばかりは少し違う気がする・・・。
どういう風の吹き回しだろう・・・・。
ただ単に、この長い休みの間に何時もする大喧嘩の回避方法だったら良いの
だけれど・・・。
そう考えながら子供と一緒に出掛けたが、お目当ての子供用品の売り出しは
20日過ぎだったようで、私は、とんだ早とちりと大恥をかいてしまった。
帰りにガソリンを入れて、少しばかりの食糧買い込んだ。
「今日は休みだったのに、何処にも連れて行ってないな・・・・」
もうすぐ薄暗くなってくる所だったが、暑い一日も終わりに近づき丁度、涼しく
なって来た所で、子供を公園に連れて行って少し歩かせる事にした。
公園には、もう誰も居なかったので子供に少し目を向けながら街の灯りが
つくのを見ていた。
少し小高くなっている公園は、見渡すと、ずっと向こうに大きな球場が見えた。
「今頃・・・家族で御飯でも食べているのかなぁ・・・・。」
球場を超えて、もう少し行くと彼の家がある。
私の家からは30分位のところ・・・・。
私は行った事の無い彼の家の付近を想像して、
それは、とてもとても、遠くにあって私が死ぬまで辿り着けない所にあるように
感じた。「これから、どうなるのだろう・・・・。」
出掛ける前の虚しい気持ちが又胸いっぱいに広がった。
「どうせ、一人でゲームをしているかゴロゴロしているんだろう・・・。」
同居人の事をそう思いながら帰宅してみると、
一生懸命、台所に立って夕食の仕度をしていた。
料理をするのは割と好きなのだろう、
思い立つと自分で台所に立ったりしている。
作るものは必然的に同居人の好きな肉類やラーメンなどになってしまうが、
時々、スペアリブや角煮を作らせると私よりも上手だったりする。
私も何かしなくては・・・・・・と思い立ち、洗濯物をたたもうとしてみるが、
まだ乾いてはいなかった。
手持ちぶたさで、子供の世話をしていると御飯が出来たようで、
子供を食卓テーブルの椅子に座らせる。テーブルには私の分もキチンと用意してあった。
私には決して話し掛けないが、子供には笑顔で「美味しい?」と聞く同居人を、
この人なりの家族への愛情なのだろうか・・・と思う。
「どうせ、今日も家族と一緒に忙しくしているんだろう・・・」
食事も終わり、彼の事は考えないようにしようと思っていたのに、
PCを開けてみると一件メールが来ていた。
受信トレイの彼専用のホルダーだった。
朝のメールは明らかに落胆の様子だったのに、
次は何が書いてあるのだろう・・・・と思い開いてみると、
「何してるのかな?PCはずっと開いていないのかな?
すみれの事だから・・・そんな事はないよね・・・。
まさか、体をこわしているわけじゃないよね・・・。
13日に一日いっぱい連絡しなかったから・・かな?
それなら ごめんね・・・。
すみれはあんなに心配してメールやメッセくれたのにね・・・。
盆休みの間は もう連絡くれないのかな?
もし体をこわしているなら無理をしないでね」
こんな事が書いてあった・・・。
やはり彼らしい文面・・・優しい言葉達だった・・・。
自分が幾ら寂しくても、私を責めたりしては居ない・・・・。
でも・・そうされれば、されるだけ私はとても困ってしまう・・・・。
せめて、彼が・・・連絡をしているのにも関らず
返事もしない私の事を責めてくれれば、私だって自分の言い分を書けるのに・・。
本当にどうすれば良いのだろう・・・・。
きっと彼も、あの日の私のように色々心配しているに違いない・・・。
それは手に取るように解かるのだけれど、どうした事か返事が書けない・・・。
やはり・・・・私は寂しかったのだろうか・・・・。
ただ単に彼の家族が羨ましかっただけなのだろうか・・・。
私の心は一日、放置されただけで、こんなにも卑屈な想いに
かられてしまったのだろうか・・・。
彼に・・「ヤキモチをやいてしまってゴメンネ・・」と送るべきか、やめるべきか・・・。
でも・・・そう送ってしまえば、又元のサヤにシックリと
納まってしまいそうな気もするし、そうしたい自分も心の中に居るのだけれど・・・・。
今、手を切らないと、この後は又延々に続く苦しさから逃れられない気もする・・。