こんなに好きでもいいですか? すみれ 【MAIL】【HOME】
- 2002年08月12日(月) モーニング・コールとオヤスミのキス
昨晩は独りぼっちで出張に行った彼とメッセをしようと思っていたのに、
寝かせたはずの子供が、私が横に居ない事に気づいて、
何度も何度も、起き出して来てしまったので、とうとうPCの前に行く頃には、
午前3時を回り、彼も眠ってしまって居たみたいだった。
PCには何通ものメールが来ていて、私を呼んだ形跡がイッパイ残っていた。
一人ぼっちで、どうして居ただろう?と思っていたが、
今朝は7時にモーニングコールをする約束をして居たので、
朝から彼の声が聞けると思い、ドキドキしていた。
一度目・・・鳴らしてみたけれど、ゴソゴソして切られてしまった。
二度目・・・小声でやっと彼が出る。
「大丈夫なの?旦那は?」
まだ、寝ているから大丈夫だよと言うと、
少し寝惚けた声で「うんうん、ありがとう」と言う。
私は彼の寝惚け顔を想像して可笑しくなってしまった。
今日は取引先の会社から、同乗者が居るので余り電話が出来ない。
日中ずっとデスクに座って細々した物を片付けていると、
同居人から電話があった。
「今日、出掛けるから遅くなると思う」
彼が帰ってくるのは10時過ぎの予定、上手くいけば長い休みの前に、
彼と逢えるかも知れないと思って、同居人に言う。
「ちょっと・・・待って・・・私にも予定があるから・・・」
暫く考えて、
「何処に行くの?友達の所に行くなら、たまには子供も連れて行ってあげて」
同居人は予定時刻が決まったら又、連絡すると言い電話を切った。
彼へ今日は逢えるかもしれないよ・・とメールを打つが、返事は来ない。
「まだ・・・同乗者がいるんだね・・・」
我慢して電話もメールもしないで待っていたが、
何時間待っても連絡が来ないので、諦めかけていたら、
子供を保育園へ迎えに行く直前になって、やっと電話が来た。
「そっちに着くのは10時くらいかな?」
「解かったよ又、私から連絡する」と言って急いで保育園へ行く。
戻ってきて同居人へ確認の電話を入れると予定が変更になって、
帰宅するのが深夜12時を超える事になってしまっていた。
彼に連絡をする・・・・。
「どうしようか・・・・。」
「どうしようね・・・・。」
御互い、そう言ってばかりで、何も決まらない。
子供に御飯を食べさせて御風呂に入れると、
彼はもう私の家の近くまで来てしまった・・・・・。
「どうしようか?子供と3人でドライブにでも行く?」
彼に聞くと、子供が可哀相だからドライブに行くのは辞め様と言う。
「じゃ〜家に来る?」私が言うと、
きっと、バレンタインの事が頭にあって家に来たくなかったのだと思う。
(バレンタイン前編は→コチラ)
(バレンタイン続編は→コチラ)
「夜にそこに行くのはちょっと・・・嫌だ・・・」と言う。
だからと言って良い案がある訳でも無く、二人で考え込んでいた。
「じゃ〜1時間だけ、家に行ってもいい?」
彼はそう私に聞いていたが・・・・。
何だか、私はムカムカして来てしまった。
「いいよ、家には来なくても! !」
彼にそう冷たく言ってしまった・・・・。
出張に出て行く昨日の昼間は、普通に笑いながら家に来てくれたのに、
今日は夜だからと言って、私の家には来たくないと言う彼・・・・。
深夜になってから同居人は帰宅すると言っているのに・・・。
それにも、関らず彼は色々な事を想像して、
私の家には来たくないんだと解かったけれど、
彼が「夜に家に行きたくない」と言うのは、
逃げている様に思えて腹が立ってしまった。
同居人と暮す、この家に来るのは昼・夜どちらにしても、
それなりのリスクが付くのは変わりの無い事だ。
それを覚悟の上で彼を家に上げて来たつもりだった。
バレンタインの時に、同居人には知られる事となってしまったが、
彼はそれ以後も私の家には来ている・・・・。
「だって・・・すみれに逢いたいから・・・・。」
今日、彼はハッキリそう言ってくれたけれど、
夜に私の家には上がりたくないと言われた後じゃ、
その効力もスッカリ効き目がなかった。
彼はしょぼくれた顔で仕事の道具を片手に持って、
私の家の玄関に立っていた。
何時もなら私もニコニコして出迎えるのだが、
同居人が突然、帰宅しても良い様に仕事道具を持って来た彼にもイライラ
して、今日は鍵を開けた後、目も合わせずに洗濯物の後片付けをしていた。
「いいのに、家になんか来てくれなくても・・・・」
そう言うと、すぐに彼は「じゃ〜わかったよ・・・・・・」と脱ごうとした靴を
又履きながら、やるせない顔をしていた。
「だって・・・誰だって家来たくないって言われて、
無理に家に上がって貰っても良い気分はしないでしょ! !」
私がとても強い口調で続けて彼に言い放つと、
「ホラッッッ又・・・・・・・・。」と私の攻撃的な性格を指摘して来た。
「もう・・・いいよ・・・・。」彼はそう言うと玄関で固まっている。
私も言いたい事は色々あったのだが、これ以上言うと
大きな喧嘩に発展しそうだったので、暫く御互いに沈黙した後、
「下で待ってて用意して行くから・・」とそれだけ言った。
彼も仕方無しに家を後にする。
私は暫くベットに横になり、ボーっとしていた。
友達に電話をして話を聞いてもらった後に、彼の待つ車まで行った方が
良いのかな?とも思った。
余りに腹が立っていたので、階下に居る彼に電話をして、
「今日はもう帰って」とも言おうと考えたが、
20分後に子供と一緒に車に飛び乗った。
「ごめん・・・・」
彼は私が乗り込むと同時にそう言った。
私は無言で車の進む方向ばかり見ていた。
何処に行くのかも何も言わずに彼は何時もの道を黙って車を走らせていた。
私の膝には子供が乗っていたが、もう眠そうにしていた。
私は黙って考えた・・・。
何だか、無性に寂しくなってしまった・・・。
喧嘩をして車を運転している時の彼の手は、私の手を掴まずに、
ずっとハンドルを握っている。
でも、今日は車を走らせる時、私のすぐ横に在った・・・。
暫くすると雨が降っているからか、ハンドルを握っていたけれど、
今日は思い切って、私から彼の左腕を掴んでみた・・・・。
彼は何も言わずに力いっぱい・・・・。
私の手を握り返してくれた・・・・・・。
「これって・・・・仲直りした事になるのかな・・・・・・」
何時もの麦畑に出た時、
彼が言った。
「ごめんね・・・嫌な気持ちにさせてしまって・・・・」
少し・・・助け舟を出してあげた・・・。
「家に来たくなかったら・・・・最初から・・用意をして
皆でドライブに行こうって言ってね」
「家に来たくないって言ってるのに、無理して来てくれても嬉しくないでしょ?」
今度は優しく言うと「うんうん・・・・そうだね・・・反省してる」と彼は言う。
まだまだ、言いたい事は沢山あった・・。
「きっと一緒に居られたら、こんな喧嘩なんてしなくてもいいんだよ?
だって・・・何時も喧嘩は一緒に居る時間をどうやって捻出するか・・・
どうやって、一緒に居られるか・・・そんな問題ばかりでしょ?
攻撃的な性格や優柔不断な性格の事で喧嘩になってる訳じゃないでしょ?
それについて、何時も何時も大きな喧嘩に広がってばかりで、
言い方がどうのとか・・・捉え方がどうのとか・・・。
絶対ね・・一緒に居たら喧嘩は減るはずだよ・・・。」
私の頭の中で、又そういう事がグルグルしてたけれど、
今日は黙っていた。
子供がスッカリ寝入ってしまったので、後部座席にそっと寝かせて、
私も少し眠っていた。
彼の顔が少し近付いてきて、いっぱいキスもした。
子供が突然、起きだして、それから先は御預けだったけれど、
彼はメッセが繋がらなかった昨日、
一人で私の事を想って昇天したと言っていたので、
可笑しくて大声を出して笑ってしまった。
同居人が帰宅する前に家まで送って貰った車の中で、
「休みの間にも連絡してね・・・・。
私の事、忘れないでね・・・。」と言うと。
「すみれもね・・・。」と言って、
オヤスミのキスをした。
深夜にもほんのチョットだけメッセが繋がって、オヤスミのキス・・・。
今日は一日の間に沢山の事があった。
モーニングコールとオヤスミのキスの間に、
喧嘩もしてしまった・・・。
良いのか悪いのか・・・・人生の間には今日のように様々な事が起こる・・・・。