こんなに好きでもいいですか? すみれ 【MAIL】【HOME】
- 2002年08月09日(金) カレノトモダチ・・・・。
最近は一日が過ぎて行くのがあっという間で、
まるで走馬灯を黙って見ている様な日々だ。
そう言えば昨日は暦の上では立秋だと彼が言っていた。
秋とは言うものの・・・・・。
私の住んでいる地方は今年も暑くならずに夏が過ぎ去っていくような感じだ。
秋が来ると、何日もしないうちに霜が降りて雪がやって来る。
そして、又春の暖かさが戻って来るまでジッと辛抱する。
冬が厳しい分だけ、我慢して待ちわびた分だけ、
春の暖かさが、とても貴重な物のように感じる。
私は季節の中で、春が一番好きだ。
小春日和の中、新しい季節がやって来たと実感できる。
新緑が目に付いて、見慣れない鳥達が頭を横切って行った時、
平凡だけれど幸せだ・・・と思う。
でも・・・・。
私はこうやって何度、春の中を生きて行けるだろう・・・・。
年を取る事は恐ろしく未来が目減りするという事だ・・・。
今日も外は雨が降っている。
又同じ朝が来た。
昨日と何の変化もない。
出来れば早く朝の予定を終らせて、デスクに着きたい。
同居人は今日も抜けぬけと、職場の途中まで送っていけという態度だ。
少しくらい感謝して欲しいのに・・・、
それを口に出す事さえ無駄だと思ってしまう。
どんなに早く家を出ても、同居人を職場まで送ると、
午前10時は軽く超えてしまう。
掃除機を掛けて家の中の細々した物を終らせると、
昼食の時間になってしまう。
お昼は一人で居ると摂らないから別に良いとしても・・・・。
何時もの彼からのモーニングコールや、
メールを受け取るのも遅くなってしまう。
モーニングコールといっても、出勤時の少しの間の電話なので、
時間帯が合わなければ、その日の朝は声が聞けなくなるだけなのだが、
今日は彼に「今、戻ってきたよ」とメールすると、
「そうか〜雨の中、御苦労様」と返事が来た。
感謝して貰いたいのは彼では無く、同居人からのはずなのだが、
彼はきっと、私の心を見抜いていて、
わざわざそんな事を言ってくれるのだろうと思った。
こんな遣り取りは御互いにとって日常茶飯事なのだけれど・・・・。
その度に私は彼に対して申し訳無いような気持ちになってしまう。
メールを受け取った後、今日はわざわざ電話もくれた。
「今ね、下のコンビニに缶コーヒーを買いに来たんだけど、
朝は声も聞けなかったから、やる気が出なくて・・・・。」
同じ気持ちで居たんだねっと思って、私も自然に笑みがこぼれる・・・。
「じゃ〜今日も頑張って過そうね〜」
御互いにそんな事を言って電話を切った。
彼から電話を切って暫くして疲れたから眠ろうと思って立ち上がった時、
久しぶりに脳貧血になってしまった。
10分位で治まったが、その前に「お昼に行く前に電話をしてね」
と言っていたので、ベットで休んでいる所に彼から、
今日は2度目の電話が来た。
「どうしたの?大丈夫?」私の声を聞いてビックリしていたみたいだった。
お昼から戻って電話をくれた時は
幾分、気分も良くなって普通に話す事が出来た。
「あのね・・今日、こんな事を聞かれたよ・・・」
彼が今日、昼食を共にしたのは同業者の御友達だった。
黙って聞いていると可笑しな話ばかりだった。
「最近、彼女と逢ってるの?Hは?どうしてるの?」
男同士って・・・・こういう事をよく話したり、聞いたりするのだろうか?
彼が私の事を話しているのは、この同業者のお友達くらいだ。
他のお友達には内緒にしているらしい、
私も彼も沢山の友達に囲まれて生活している訳ではない、
どちらかと言うと友達も少ないほうだろう。
浅く広くというよりも、深くて長い付き合いを重視しているからか、
それ程、沢山の友人が居なくても御互い困った事にはならない。
普段、彼の話を聞いている限り、
彼と付き合いがあるのはサッカーチームの人達と、
この同業者の友人くらいだ。
秘密主義とも思える彼だから、この友達に私の事を告白する時も、
とても勇気を出しての行動にも思えた。
深い付き合いの友達だから尚更、
私の事を話したら自分はどう思われるだろう?
そんな事を考えていたのかもしれない・・・・・。
しかし、友達は違った・・・・・
それ程、深刻に私の事を取った訳では無かったらしい・・・。
何故なら・・・・。
この同業者の友人は自分で会社を経営しているのだが、
そこの社員は全部、女性なのだそうだ・・・・。
面接は勿論、その人が一から十まで選出する。
会社の中はどう見ても御友達の好みの女性ばかり・・・・。
そして、御友達は「仕事」と称して好みの社員と「デート」を繰り返す。
それもそうだ、会社の中に男と呼べる人は、この人しか居ない。
女性の中に男が一人、黙々と仕事をして居たら、
誰だって少しは「素敵・・」と思うだろう。
彼が私の事をこの友人に告白してから、
友人は自分のデートの報告を彼にイチイチ話すようになった。
「僕って会社の中ではモテモテで・・・・・」
「今日は○○ちゃんとデートだから・・・・」
「この前は○○ちゃんの家に上がらせてもらった・・・」
「Hまではいかなかったけれど・・・・キスはさせてもらったょ・・・」
ハタマタ・・・・。
「今日は御昼からデートだから、仕事の電話はしないでね〜」
世の中の社長さんってこういうのばっかりなの?と思うと悲しくなる。
更に彼から話を聞くと・・・・。
友人は自分の会社を持ち、数年の間に車を何台も買い換えられる程、
順風満帆で家庭には心を許せる妻が居て、
子供達も可愛く成長しているのだそうだ・・。
自分の妻とは今でも「○○さん・・・」と呼んで貰える程、仲良し・・・・・。
勿論、夫婦の営みだってあるだろう・・・・。
私は・・・どうしてだろう?と何時も思う。
家の中に別に不満がある訳でも、
自分の経営している会社が可笑しな訳でも無いのに、
どうして、この御友達は浮気を繰り返すのだろう?
女性社員は自分達が、この社長に手玉に取られている事を気づいてる人は
居ないみたいだ。
家に居る奥さんも御友達の事を信じているみたい・・・・・。
よく「男は浮気をしてナンボ・・・・」とは言うものの、
私にとって今の彼は例外だ・・・・。
家には妻と呼べる人は居るけれど、
「気持が無いと女の人を抱く事が出来ない」と彼は言う。
そして、気持ちが無いから彼は妻を抱けないと言う。
それを彼はこの御友達にも言ったそうだ・・・・。
彼の御友達はどうして、それを知っていながら、こんな話を彼に言うのだろう?
既婚者の浮気と本気は、似ているのかもしれないけれど、
本質は全然、違うもののように感じる・・・・。
「きっと・・・比べたいんだよね・・・誰かと自分を・・・・」
「ライバル心なのかな〜?」
よく解からない彼の御友達の行動を
無理に理解するように話して、電話を切った。
私は・・・どうして、その同業者が彼の友人になんか、なったのだろう?
と思っていたが、