こんなに好きでもいいですか? すみれ 【MAIL】【HOME】
- 2002年08月08日(木) CENTURY LOVERS
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宇宙からのテレグラムサム
私達はCENTURY LOVERS
愛を語り
そして空へ還って行くのさ
時を飛び越えて
そしていつか天使になって
また逢えるねCENTURY LOVERS
銀河系に輝いてる星を見つけたら
夢を叶えよう
それは永遠に続く物語
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手塚治虫の「火の鳥」もそうだったが、
大好きな尊敬する彼女が書いた、この詩を訊いた時
私は鳥肌が立つように感じた。
過呼吸の発作が酷くなると、
心臓が今まで聞いた事のないような音をたてて脈を打ち、
血液の流れる速度が、もうこれ以上のスピードを出せないと思うほど
血管を走っていくのが解かった。
喘息やてんかんの発作は持って居なかったけれど、
その時の私は何時も死と隣り合わせに居る感覚だった。
「このまま死んじゃうの?」
何度もそう思った・・・。
丁度、2度目の中絶を余儀なくされた後だった。
この詩を訊いた時期は、
そんな頼りない心境で生活をしている時だったから、
尚更、心に来る物があったのかもしれない。
「命一つ産み落とせないで、何の為に生れて来たのだろう?」
とずっと悩んでいた。
彼女の詩は軽快なメロディーに乗っていたし、
とても聞きやすかったのかもしれない。
又色々考えてみた・・・。
死んだらお星様になると言うけれど・・・宇宙に行くのかな?
私達は宇宙から来た恋人達なの・・・・・・・?
だとしたら・・・・沢山の愛を生きてるうちに語らなくっちゃいけない?
もし、死んでしまったとしても・・・・又逢える?
どれもこれも、ハッキリとした輪郭は無かったけれど、
何処かで誰かが、
「そうだよ、すみれ・・・・・・?!。
人は何かを一生懸命に愛する事を使命にして生きているんだよ」
と言ってるのが聞こえた。
「愛でる」という感情は昆虫の様な下等動物と言われる生き物には
存在しないのだそうだ・・・。
限られた高等動物だけが持つ特別な感情が「愛でる」と言うものならば、
私達はきっと選ばれた生きたものなのかもしれない。
無駄にしたくない・・・・とそう思った。
生きている間、「愛でる」という気持ちを・・・・・・・、
優しい友達や両親や好きな人や心ある人達と沢山語り合いたい。
私が宇宙に還る、その日になって、
「私は沢山のもの達に愛を注いで来た・・・これで良かった・・・・」
とそう思いたい。
私の気持ちが「憎しみ」や「争い」という課せられなかった使命に、
絆される事が無いようにシッカリ見極めて前に進んで行きたい。
ずっと私はそう思いながら生きている。
今日も朝は相変わらずの風景だったが、
昨日よりも無性に私は腹が立っていた。
昨日よりも悪化していたのは、
煙草が無くて同居人の仕事用の鞄から煙草を失敬しようと思った時、
中から見慣れないメンバーズカードが出て来たからだった。
メンバーズカードには『エンゼル保育園』という名前が書いてあった。
日にちを確認したら5月のとある一日で、
調べてみると私が彼と仕事の打ち合わせも兼ねて食事に出掛けた日だった。
丁度、車は置いて行った。
保育園の住所は街の繁華街で、無認可の保育園だという事が解かった。
無認可保育園だからと言って、トヤカク思っている訳ではなかったが、
私は自分の子供が、何時も通っている保育園とは、
別の場所に預けられた事も深夜に一人でそんな所へ置いて行かれた事も、
全く聞いては居なかった事をとても腹ただしく思っていた。
同居人が用事があって出掛けると言ってくれれば、
打ち合わせなど何時でも良かったし、延ばしたりも出来ただろう。
夜に彼と打ち合わせをするのも、誠に私の勝手だとは思っている、
ただ、ゆっくり話をしたいから・・・・それだけの理由で家を空けるのも、
どうかとは思うが、色々な話をしていると時間も無くなってしまうので、
勤務中の彼の帰社時間も気になってしまうし、
私達は夜に逢って打ち合わせをする事を、普通の事としてしまっていた。
又8時過ぎに飛び起きて来た同居人。
私は保育園の事を言ってみたが、
同居人は全然、取り合おうとはしなかった。
むしろ、そうするのが当たり前といった態度だった。
どうして言わなかったのか?と聞いても、
「別に言う必要も無いと思って」という返事・・・・。
子供は二人で育てて行くもだのと思い、離婚は延ばしてきたが、
同居人とは子供の教育に関しても全く別の価値観を持っているように感じた。
幾ら可愛いからと言っても、私には一言も言わず、
自分が遊びに行くのに無認可の託児所に何時間も
子供を放って置く親が何処に居るのだろうか・・・。
どうして、私に言って私の予定を変更するようにしなかったのか・・・・。
私にも落ち度があるのだから・・・・と思い黙っていたが、
「お前なんて何処かの妻子持ちの男に引っ掛かって居ればいいんだ! !」
と罵声を浴びせられた。
きっと、スケジュール帳でも見たのだろう。
別にそんな事言われたからといって何も同居人に感じる物も無い。
今朝は無言で子供を車に乗せて保育園まで送っていった。
同居人はまだ身支度していた、
子供を送った後、同居人はバス停へ向う道を歩いていたが、
そのまま見て見ぬ振りをして家に入った。
保育園の事も昨日の諍いの事も同居人は何一つ謝罪もしていない・・・。
それなのに、夕方になって電話してきて、こんな事を言う。
「悪いけれど、7時から入るテレビを録画してよ」
この人間は自分一人の為に、
世の中が回っているとでも思っているのだろうか?
「何で私がそんな事をしなくちゃいけないの?」
そう言うと私は思いっきり受話器を置いた。
家に居るのが嫌だった・・・・・・。
こんな日に限って同居人の帰りは早くてウンザリする。
家に居ても会話も無ければ目も合わせない。
溜息を吐かれる事さえ、虫唾が走る。
食事の仕度をして、子供に御飯を食べさせると、
私は車の鍵と家の鍵を持って家を後にした。
8月も彼に逢うのは、もう残り少ないだろう。
間に彼の出張や夏休みや御盆という行事が色々入っている。
同居人も休みがあるだろう。
その間、どうやって過そうか・・・・考えるだけでも憂鬱になる。
今日も私達は車を当ても無く走らせて、何も無い牧草地に車を止めた。
家の状況を説明すると、彼は黙って話を聞いた後に、
「人としての価値観がもう・・駄目なんだね・・・」と言った。
同居人との今までの結婚生活の事情を彼には全部、話して来た。
殴られた事や借金の事も全て・・・・・。
彼には客観的視野があるから、
「すみれも、いけないんだょ」と言われる事もある。
私はそれを聞く度に心の奥底がチクッとなる。
御互い何も言わなかったけれど、
「これからどうやって時間を作っていこうか・・・。」
それを考えて居たんだと思う。
何も答えが浮んで来ないので、ジッと降る小雨を見ていた。
突然、彼が「CDを持ってきたよ」と明るく言い、チェンジャーに掛けた。
流れて来たのは私がずっと聞きたいと言っていた、カーペンターズだった。
イエスタデイ・ワンス・モアが流れて来て、
暫く手を繋ぎながら黙って外の雨を見ていたけれど、
後からもどかしくなって、私達は大きな声を出して、それを歌った。
可笑しくて笑えた・・・・。
こうやって時々、幸せな事があると不幸はびっくりして、
影を潜めるのだろうか・・・。
そうも思えた。
落ち着いた気分だっので、彼に・・・・・・。
「信念の事・・・・・今、話す?」と昨日の考えていた事を言おうとすると、
私の右腕に頭をつけて「今日は・・・・・聞きたくない・・・・。」と言う。
「別れる・・・・・・って言ったらどうするの?」と聞くと、
「それを・・・・僕には引き止める権利が無い・・・・よね?」と聞き返す。
「今日は話さないでおこう・・・キチンと向き合って話をしたいから」
私が考えていると、彼がそう言って、この話は後日する事になった。
私の右手は今日もずっと暖かかった。
外は雨が降っていたけれど、車の中は寒くは無かった。
ずっとずっと、こうやって彼と一緒に居たい・・・・。
こうやって何時も二人で笑っていたら、
私も何時かあの詩の中にある天使の様な物になれるのかな?
そう思って、又・・・・。
「どうして・・・・・一緒の家に帰れないんだろうね?」と聞いたけれど、
今日はこの前のような悲壮感は余り無かった。
帰宅すると同居人はまだ起きていて漫画の本を読んでいた。
「何時まで起きているんだろう?どうせ又寝坊するくせにっっ」
少し不機嫌になって、PCを立ち上げると、
恒例の彼からのオヤスミメールが届いていた。
彼の風貌とメールの内容の、余りのギャップに可笑しくて、
一人で声を立てて笑った。