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2002年07月15日(月) 卑屈な想い


彼は日帰り出張でした。
食事の予定はキャンセル。
「早目に帰ってこれるからね」と何日も前から言って居てくれたのに・・・。
どちらにしても、彼のお父さんの事があるから行けなかったけれど・・・。
少し気分転換が必要と思って台風が迫っているというのに、
ガラガラとカーテンなどを洗濯し始めました。
そんな私の気持ちを知ってか知らずか・・・・
仕事の合間に何度も電話をくれる彼。
普段、デスクワークをしている時にでも、
休憩時間になると欠かさず電話をくれる彼ですが、
出張中は仕事をしている時間よりも移動時間の方が必然的に多くなるので、
電話が掛かってくる事も比例して多くなるのです。
「お父さん・・・大丈夫かな?」
私が心配して言うと、
「大丈夫だよ、何かあったら兄貴も居るし。」
朝、電話をしたら、お父さんは観念したように病院へ行くと言っていたそうで、
昔の人は本当に病院嫌いだよね・・・とそんな話をしていました。
今日の何度目かの電話で彼が言いました。
「明日から出張だから・・・・又寂しくなるね・・・・。
午後から行こうと思ってるんだけど、もし出来たら行く前に、
ランチしない?」
丁度、高速に乗る前に私の家があるので、時間帯も程良くて、
私も息抜きになると思い明日のランチの事を承諾しました。
出張前ですし、少しの時間で他愛の無い話が出来る事は、
嫌いな事では無いので、ドンヨリとした天気の景色を見ても
明日の事を考えると、楽しい気持ちになりました。
ところが、彼が仕事を終らせ家に帰る前の連絡で、
又、状況が大きく変わりました。





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「えっ?ホントに?」
私はビックリして大きな声を出してしまいました。
昨日のメッセで、お父さんの事やお母さんの最期を聞いていただけに、
まるで彼が想像していたような最悪の事態になってしまったようで、
胸に暗い影がポツンと出来てしまったような、そんな感じでした。
暫く病状などを聞いて、彼が徐に言いました。
「ごめんね・・・明日、入院みたいだから・・・・。
出張もどうなるか解らなくなってしまったし、ランチも・・・・出来そうに無いから・・・・。」

「良いんだよ気にしないで、それより、お父さんの入院の事や手続きの事で、
大変だと思うから・・・・。ランチは何時でも出来るからね。」

彼を元気付けて電話を切りましたが、
何時もは彼の家の駐車場に着くまで話をしているのに今日に限って
電話を早目に終らせる彼を少し恨めしく思ったりもしました。
今日、彼のメッセは開きませんでした。


お父さんが入院となると・・・。
きっと、それについて家の人とも話しをしなくっちゃいけなくなるんだろう・・・。
今晩は・・・話合いをしているのかな・・・・・?
幾ら脳神経外科といっても、高齢のお父さんには付き添いが居るだろうし、
毎日の洗濯や着がえを家に取りに行ったり・・・・。
子供達にしてみれば大事な御祖父ちゃんだし・・・
子供を連れて御見舞いとか・・・。
あぁ・・・・何て卑屈な想いなんだろう・・・。
でも、どうしても・・・こんな事ばかり浮んでは消え、浮んでは消え・・・。
ヤッパリ、私は他人なんだな・・・・。
彼の事も彼のお父さんの事も、
幾ら大切な存在といっても、何も出来やしない・・・。
卑屈な私は何処までも、こんな考えばかりで、
益々、窮屈になって行く一方です・・・。







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