僕らの日常
 mirin



  終りを司る者@終司

母親は小さいときに死んだ。
病気だったらしい

どこが悪かったのかは今でも知らない。

オレが物心着く前に母親はもうベットの上に居たからと
それを聞こうにも父親は交通事故で他界していた。


その後に...
オレを引き取ったのは母の双子の妹だった。
優しい人だった。優しい家族だった。
自分の子供達と同じようにオレにも接して
いつも笑って、泣いて、叱ってくれた。

……もうその人も子供達もここにはいない。


どういう意味かわかるだろ?
もう説明の必要はないんだろ?

影が挿してた、いつもいつも

オレの傍に近づくな…
オレの周りをうろつくな


まだ生きていたいのなら、こっちを見るな。
振り返るな、名前を呼ぶな、知りたがるな、話しかけるな

大事なものはもういらない。
そう世界から、オレ自身を遮断してきた。


分厚い扉を抉じ開けるそんな相手が現れるとは考えず ―


オレが知っているのは白くて細い冷たい手
眠る寸前まで笑顔だった優しい母親の手がひとつ...

2005年09月24日(土)
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