僕らの日常
 mirin



  虚像空間3@宇宙

青い空

赤い夕暮れ

黒い天

白い壁に散りばめられた天のフィルム

黒い写真の中
悪戯に蛍光で描いたポーラースターが輝いていた。

き ら き ら と...

ぴ か ぴ か と...

偽者のきれいな綺羅星

『私達、いつかきっとこの下へ行けるかな?』

青い空の写真をまた一枚と壁に貼り付ける作業を繰り返す
3年も前この世界から姿を消してしまった、
そんな彼女の声が今でもまだ頭の中で木霊している。

病室の閉じられた窓という窓。
黒いカーテンにしっかりと閉じ込められた様な廊下

その先にあるのは静寂な空間だけ

暗い廊下の中、懐中電灯で閉鎖となった病棟を照らして歩く
ざわざわと遠くで響く人の声やナースコール
そんなのを背にして...

向かう先は、あの日ウタが泣いて笑った秘密の扉の裏出口

2005年05月12日(木)
初日 最新 目次 MAIL


My追加