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■ フィルター@宇宙
透明な薄いレンズが白く曇る、僕から見る視界は世界に 1枚の白いフィルターをかけ、一線を引いていた。 「おはよー」 「おぉ。おは・・・」 たまにある、こんな朝も日常茶飯事だから、何も言わない。 驚き絶句で、互いの顔を見合わせるクラスメイトを背にして 僕は陽の当らない日陰側の廊下を突っ切った。 そこかしこにあるカーテンは化学実験の授業に使う暗幕で、 見事に日光を遮断している。ちょっと、つまらないなとか 思ったけど贅沢なことは言ってられない。 たまにカーテンを捲りたい衝動にかられるけど、ヘタに騒ぎ を起こしたくないから、今日もただ裾を掴んでみただけ… 化学の授業にはまだ時間もあるし、そう思って僕は小走りに 美術室へと向かっている、日が射す方向とは逆で丁度、 四角となっている、あの場所は、前から結構好きだった。 「あ、あった。晴臣達の絵」 午前中の授業で描いて、乾かしている最中の絵を見渡して 僕は晴臣の絵を見つけた、郊外学習で出た時に描いたらしい その絵の塗り方は彼の癖が出ていて、人一倍わかりやすい。 ガラッッッ__ 絵の鑑賞なんかをはじめていると、美術室の扉が開き、 生徒が1人入ってきた。・・・顔見知りというか・・・ あの夜の奏者のお友達サン 続
2002年05月23日(木)
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