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■ 時間よ止まれ@鳥羽
"時間よ止まれ"
思ったこと、今まで何回あっただろう。 小さい時、以来かもしれない・・・ こんなに時間を貴重だと思ったのは・・・
廊下に響く、チャイムの音にぼくは足を止める。次の 授業は生物で「人体の構造」だとか。思い出したら、 なんとなくやる気をそがれ、元来た廊下を引き返した。
"身体を動かすには、脳からの指令を受けて〜"
黒板の1スペースも使わない、この授業はまるで抗議。 聞いていると欠伸の一つも出てしまうから、今日は サボりと決め込んで、先程まで居た図書室に戻った。 読んだまま、机に置いておいたの筈の本が消えていた。
「サボり?」
どこからともなく聞えた声に疑問マークを一つつけて 周囲を見渡す、誰も居ない?じゃ、今の声は何?そう 思っていたら、"上"と声が聞こえて、少年がハシゴの 上から降りてきた。・・・あの金色をなびかせながら…
「・・・。」 「受け取ってよ。探してたのこれでしょ?」
彼は小脇に抱えた本をぼくに向かって差し出す、ぼくが ただ呆然としているのを見て、彼はその本を押しやった。
「あ、ありがとう」 「どういたしまして。でもさ、次来るからっていっても 読んだ後はちゃんと棚に戻さないと貸し出し禁止になるよ」 「・・・ごめん・・・今度から気をつけるから」 「"今日"から、気をつけてね」
彼は今日を強調して言うと少しくすりと笑う、憧れていた 人がすぐ近くにいて、自然と顔が火照るのがわかった。
2002年05月22日(水)
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