僕らの日常
 mirin



  その声が@晴臣

「晴、いけっ!ダンクッ!!」
「んなのっ、出来ないよっっっ」

標準より、身長の低い自分にそんなもの出来る筈もなく
ボクはいつものようにジャンプシュートを決めた。
と、同時に笛の音が響いて、ゲームはボクらの勝ち
仲間が駆けよって来る、一人はボクの肩に纏わりついて
もう一人、宇宙は片手を高く上げてボクの手と合わせた。

"パチン"

正直に楽しいと思う。今は夜だから、昼間ほど暑くなくて
少し冷えるくらいだけど、こうして体動かしていれば幾分
あたたまってもくるし

「晴臣ジャンプ力また上がったんじゃない?」
「え…。そ、かな?わかんない、そんな意識してないし」
「へー、無意識かぁ。スゲーじゃんか、ハル!」
「ありがとっ。このまま、明日も連勝するよっ」

ただ少し軽く誉められただけなのに、それがただ嬉しくて
調子に乗って、そんなことを言ったら、隣のクラスの生徒に
睨まれた。そういえば、明日はA組と対戦するんだっけ・・・。

「ま、ま。お互い、そんな挑発してないで、お手柔らかに」

そんな空気を読んだのか宇宙が間に入って仲裁してくれた。
キミの声はいつも不思議、少年特有の変声期前の高い声で
ボクらと何ら変わらないはずなのに、聞くと落ち付けて、
いつもすぐ近くに居る、ボクはなんか得してる気になる。

2002年05月21日(火)
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