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■ 変われなくても@宇宙
どんなに願ったって どんなに祈ったって
何も変わらないこの身体
憧れたのは 陽の光とその暖かさ 青い空 虹
見上げることの叶わないもの
でも、感じることくらいなら 出来るんだと今日君に教わった。
今日は駅の地下にある直通の電車で昼間の学校に行った。 本当にこの時間、外に出るのは久々で、母さんに駅の ホームで何度も陽の光りに当らないよう言い付けられた。
ただし行動範囲はすべて暗幕のある部屋だけどね。 それでも、たぶん充分なんだ。いつもより贅沢な… 地下通路から上がってきた僕に通常組の生徒(知人)が 驚いた顔で僕を見たけど、馴れで特に気にしなかった。
「宇宙!」 「・・・っと!?」
後ろから、そおっと近づいてきたらしい友人は僕の 背中から、覆い被さる・・・失礼だとは思うけど、重い。
「晴臣ー、重いよ」 「え!失礼じゃん、ソレ。ボク軽いんだよ」
ブーイングが聞えて、今度はうるさいとか思ったけど あえて言わなかった。小さな違和感に気づいたから
「なんか、晴臣ほかほかしてない?」 「ほかほかって・・・あぁ服じゃない? さっきまで、グラウンドに居たから、陽の暑さが」
そこまで言って、はっとしたように晴臣は口をつぐんだ。 ごめんと背中辺りで小さく呟いたのがわかった。
「いいよ。そういうのは気にしないから、 にしても何かいいねー、さながら太陽の残り香?」
そう言ったら、急に肩にかぶさっていた重さが軽くなって かわりに彼の声とジャケットが頭の上から降って来た。
「残り香が消えるまで貸しとくよ」
2002年05月19日(日)
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