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■ 俺の隣@暁生
小さい時から、共働きの両親は俺との時間をあまり大事に してくれなかった。約束を破られる回数は馴れたもので...
『お母さん達は?』 『また、お仕事?』 『ピアノの発表会見に来てくれる約束は?』
ずっと、そうだった。俺がいつも居て欲しいと思う人は誰も 自分の傍には居てくれなくて思えば思う程、叶わない願い。 だから、それはあの時に途中でスッパリ諦めた。
母親なんか居なくても、友達が居るから 父親なんて居なくても、乳母達がいる。
"独りじゃないから寂しくない"
それでも、いつもの保育園の帰り道。母と子が手を繋ぐ姿は 自分がそれまで見てきた何よりも眩しかったんだ。 誰も悪くないのに、ただ自分だけが無償に意味もなくイラって 卒園する頃には、子分が何人も俺の後ろにくっ付いていた。 力で手に入れても、何にもならないことわかってた筈なのにな
"傍に居て欲しい"
心から思ってたのはそんな台詞。言えずじまいのそんな台詞 いつかまた、あの頃みたいに誰か求める日が来るだろうか これから先どこかで、そんな機会があったなら言おうと思う 照れながらも、冗談だと笑いあいながら・・・
2002年05月14日(火)
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