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■ 名前@終司
「柊。」
出会ったあの日、初めて呼ばれた短縮 name 振り向いたらいつも、あいつが居る。
『名前で呼ぶなって?』 『嫌いだからだ』 『どうして?』
小首を傾げて、オレを見る相手に溜息を吐く 初対面。名前を教えて、そう言われて 終司と名乗る、でも名前は呼ぶなと付足した。
『すべての終わりを司るって書くだろ』
だから嫌なんだ、この名前が気に入らない。
"何で〜?小さいこと気にし過ぎだろ"
思い出すのは、この類の耳障りな声ばかり
『そっ?』 『ああ...変ならそれで放っといてくれ』 『でも、終わっても再生があるって知ってる』
次のお決まりな発言を予想して、その場を後に しようとしたオレは予想外の声に、は?と思考が 1時停止した。
『でも、嫌いなものは易々好きになれないよね』
そんなオレの様子も気づかず(?)相手は何か呟いて
『あ!じゃあさ、司らなきゃいいんでしょ。』
ちょっと手、貸してとオレの手の平を前に差し出す 形にして、相手は指でそこに何かを書いた、木…?
『木?・・・久か?』
ふるふると首を振って、懸命に分かりやすく書こうと してる相手になぜかオレもつられて一生懸命読みとった。
『・・・柊(ひいらぎ)・・・』 『あたり♪でも、読み方はシュウだよ』
シュウって、それは。
『ぼくは、柊って呼ぶからね。はい、決定。嫌いを 好きにする難しさわかるから、とりあえず、ね? ・・・だからさ・・・そんなに邪見にしないでよ』
そう言って、あいつはオレにこの短縮 nameを付けた。 あの時のオレはわけもわからないまま頷いてたけど、 気づけば、あいつは、オレの1番近い存在になっていた。
2002年05月13日(月)
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