脳内世界

私が捉えた真実、感じた真実などを綴った処です。
時に似非自然科学風味に、時にソフト哲学風味に。
その時その瞬間、私の中で、それは真実でした。


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 生を支える死

免疫系統の指令のような役割を担うTリンパを養成する場所が、ある。
胸腺、人呼んでエリート養成所だ。(←そう呼んでるのは私だけだが)
まだちっちゃなTリンパが胸腺にやってきて、
そこで自己と非自己を認識するノウハウを徹底的に叩き込まれる。
エリート育成だ。私はこれを知った時からずっとそう思っている。

そんな養成所でTリンパが成長するのを優しく包み込んで、援助する細胞がある。
「ナース細胞」だ。Tリンパの生の援助者だ。

だが、これだけの徹底的教育を受けておきながら、
一人前になって体内の末梢系で働けるのは胸腺に来たTリンパの全体のうち、
5%しか居ないのだ。あとの95%は胸腺内で処分されてしまう。
数えるほどの優秀者以外は、ほとんど消されてしまうのだ。
自己と非自己の認識がうまくできなかったら、自分で自分を攻撃する事になってしまう。
だから、外に出る前に消されてしまうのだ。
そして、その消す役目を担っているのもまた、「ナース細胞」だったというのだ。

生の援助者であり、死の援助者であるナース細胞。

その死さえ、生のための死なのだ。

ところでどうだろう、今の医療(いや昔からか)はその95%をいかに5%にずらせるか、
という姿勢じゃなかろうか。
これから医療に従事する人間が言うのも変かもしれないが、
昔なら淘汰されていた筈の存在を、とどまらせる。そして、それが子を成していく。
その業が巡り巡って今、どこに来ているか?

アンバランスな援助は、最終的に死を招く気がする。
生のみの援助でなく、「よく死ぬこと」についてもよき援助者であった方がいいのではなかろうか。

2003年05月16日(金)
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