脳内世界

私が捉えた真実、感じた真実などを綴った処です。
時に似非自然科学風味に、時にソフト哲学風味に。
その時その瞬間、私の中で、それは真実でした。


※下の方の○年○月っていうのをクリックすると、ひと月ぶんはまとめ読みする事ができます



 「荷物」

同級生で混雑するホームで、少女は電車を待っていた。
皆行く場所は同じだった。課外研修か何かだった。
荷物が少し大きくて重い。人も沢山いるし、この分だと車内で窮屈な思いをするであろう事は必至だった。
「座れるかな・・」
呟いて荷物を持ち直していると、ほどなくして電車がやってきた。
中に入ってしばし絶句。こんな細長い電車があっただろうか?
一席ずつが、二列。しかも通路が航空機より狭い。
「わ、ちょっと・・」
ぎゅうぎゅうと人の波に押されて、どこかで手から荷物が離れてしまった。
「あ・・!」
思わず首を伸ばし見やって、場所を確認してから観念してそのまま流されて後ろの席になんとか座った。
(降りる時に一緒に取って降りれば大丈夫だよね)
そう思い、のんびりと外を眺めているとやがて目的の駅に着いた。
友人が降りる中、目的の荷物を探しつつ車内を進んでいく。
(・・私の荷物は・・・、)
きょろきょろしながら探すが、
見つからない。
確認した場所にも無かった。
(え、やだ、なんで?!)
そうこうしている内にもどんどん人は外に流れていく。
だが見つからない内に降りるわけにはいかなかった。
早く見付けないと閉まってしまう、早く、早く・・。
少女の焦燥感は募るばかりだった。
ありそうなところにざっと目を通して早足で車内を歩くのに見つからない。
(どうしよう・・、荷物がないと・・)
少女は観念して溜息を吐いた。
(仕方ないや。駅一つ先送りして、その間にまた探そう。)
次の駅で降りるまでに荷物を見付けようと決めた少女は、少し余裕の出来た気持ちで車内を歩きながら見回していた。
扉は既に閉まっており、もう誰も乗っていない。
そのせいか随分見渡し易い。車内がやけに白かった事に気付いた。
そこで次の駅のアナウンスが聞こえた。



「え〜次は終点死人駅〜、死人駅〜。乗り越しをされるお客様は、車掌が命を戴きにぃー、参ります。」


電車は一両だった。
車窓がトンネルに黒く塗り潰された。
荷物なんて少女の頭からは吹き飛んでいた。


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ただこれに近い夢を見て、想像が膨らんだだけです。

2003年02月04日(火)
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