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■ 「ひとり」
ひとりになりたい、とふと思った子供が。 ひとりになりたくて、ぽそりと呟いてみた。 「ひとりになりたい」 そしてじぃと俯いたまましばらく黙ってみた。 実は子供の周りはともだちがきゃあきゃあと遊んでいて、 とてもうるさかったのだった。 子供はちらりとともだちを見ながら、また呟いてみた。 「ひとりになりたいんだ、ってば。」 ともだちはきゃあきゃあと他の子と遊んでいる。 その声がやたらと耳に障った。 子供はやおら立ち上がると、外へと駆け出していった。 ひとりになりたかった。 本当のひとりになりたかった。 こんなひとりは厭だった。
息をきらせて草がいっぱい茂っているところまで来た。 ねころんでみた。 静かに横を向いてみた。 そこはいつまでもいつまでも緑だった。 草は濡れていて、服も顔も手も余計に冷たくなった。
ひとりだった。 どうしようもなく、ひとりだった。
2003年02月03日(月)
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