集英社の女性誌「マリソル」から「アラフォーに必要な3人の女ともだち」というテーマで取材の依頼があったのは先月半ばのこと。2月8日から10日のどこかでと打診され、「真ん中の9日が誕生日なので、その日に」と返事をした。
「ビターシュガーの脚本家」ということで声がかかったので、ドラマの市子たちにならって、40歳の所信表明ならぬ42歳の所信表明をと思った次第。
まずは写真撮影。フォトグラファーの加藤ゆきさんに「壁にもたれて」「右側を下げて」などと指示され、ぎこちなく動いて、パシャパシャ撮られる。
続いて、マリソル編集の磯部安伽さん、ライターの加藤ナオミさんから取材を受ける。質問にひとつひとつ答えるというより、ざっくばらんなミニ座談会。ちょうど女3人。
取材もひとつのブレストだといつも思う。「女ともだち」というものについて、色んな角度からつつかれて、反射神経的に返すうちに、「わたしって、こんなことを思っていたのか」と発見する。何年も記憶の底に眠っていたエピソードが掘り返され、風に当てられる。
予定していた90分はあっという間に終わり、映画一本分の時間をしゃべり倒していた。「まだお時間ありますか?」と言われ、「はい」と答えると、「お誕生日だということで」と近くにある柏水堂のケーキを用意してくれていた。
「わー、気を遣っていただいて」と恐縮すると「便乗して、わたしたちも楽しみたいので」。この感じ、女子ならではのノリだなあ。普段は男ばかりの体育会っぽい打ち合わせが多いので、新鮮。
シュークリーム好きなので、シュークリームを選ぶ。ふんわりと紙に包まれた恭しい姿。
包みを開くと、種類のクリームのプチシューが三位一体に。なんと贅沢。でもクリームは軽やか。シュークリームランキング(>>2007年2月23日の日記)に加えたい逸品に出会えた。
ぺろりと平らげると、「もうひとつどうぞ」。お言葉に甘えて、フルーツタルトもいただいた。マリソルさん、ごちそうさまでした。
取材を受けに来たというより、お茶会に呼ばれて、好きなことしゃべらせてもらった感じの楽しい2時間。話があっちこっち行ったり来たりしたけど、どんな記事にまとまるのか楽しみ。4/7発売の5月号に掲載とのこと。
夜はダンナが買ってきてくれたBerry Cafeのケーキでお祝い。カフェ・コムサっぽいねと話してたら、同じ系列。一時期カフェ・コムサのフルーツタルトにはまって毎週のように食べてたので、懐かしい。キャンドルは、「4」たす「2」で「6」本に。吹き消すのは、たまの仕事。
「もうひとつ、プレゼントがあるんだよね」とダンナが奥から箱を持って来て、開けた。ひまわりらしきオブジェが入ってた。
「これ、ひまわり?」
「うん、見えない?」
「見える見える」
「ペンダントなんだけど」
「そうなんだ?(でかっ!)」
「作ったんだけど」
「ええっ」
いやー、びっくり。誕生日プレゼントに陶器のひまわりのペンダントを作るような人だったのか、君は! ひまわりはもちろん「てっぱん」のモチーフがヒント。去年はGraziaのエッセイ「硝子のマイマイ」をヒントにかたつむりの指輪を探してくれたのだけど、今年はひまわりで身につけるものがいいと思い、同級生で陶芸家の檀ちゃんに「どこで買えるかな」と相談したら、
「作っちゃおうよ」
ということになったらしい。以前檀ちゃんの一日陶芸教室を体験したとき、水が漏る一輪挿しを作った同じ人とは思えない出来映え。手取り足取り指導してもらったのだろうか。
檀ちゃんとは家族ぐるみでおつきあいしているので、早速お礼の電話をかけた。「喜ぶ、というより、何が起こってるかわからずボーゼンとしてる感じだった」とダンナが報告するのを隣で聞いて、劇的な反応を思い浮かべてたのだなと思った。
よくドラマなんかで手作りのものを贈られて、キャー、ありがとー、と抱きついたりする場面が出て来るけど、そのプレゼントと普段の彼とのギャップが大きいほど、飛躍の距離に応じて、感動も遠くからやってくる。恐竜がしっぽ踏まれてから、「イテッ!」と反応するまでに時間がかかるように、わたしもじわじわと感激してる。
ダンナを進化させるのは、妻一人では限界がある。けれど、共通の友だちのチカラがあれば、結婚して11年も経って、ひと花咲かせることだってあるのだ。
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