2002年02月09日(土)  シモキタ(下北沢)

シモキタはカレーと同じで、欲すると頭の中がそれでいっぱいになる。ひと月ほど前からシモキタが呼んでいたが、予定が入ってたり、天気が悪かったりで、ようやく今日実行。ちょうどいいことに誕生日だ。

シモキタに住んでいるきゃろるにつきあってもらう。きゃろるは大学時代のチアリーダー仲間。同じように歌って踊る四年間だったが、わたしは就職して宴会でしか踊らなくなった。彼女はプロのチアリーダー指導員になり、その後、劇団MOTHERの女優になった。今はフリーになって、相変わらず歌って踊っている。きゃろると呼ぶのはわたしぐらいで、巷では『ちあり』が通称。牧野エミさんが名付け親らしい。

舞台の上と客席では何度も会ったが、二人で肩を並べて歩くのは、七年ぶりぐらいになる。シモキタ以上にひさしぶりなのだ。

まずは、ガーデニング店を兼ねたカフェでお昼ごはん。半地下のサンルームを占領し、積もる話に花を咲かせる。

腹ごしらえした後は、ひたすらお店めぐり。竜巻きを起こすペットボトルなど、遊びゴコロをくすぐる理科系おもちゃが所狭しと並ぶ店。会社の子に教えてもらった服屋。古道具屋。パンクルックの店。ふらっと入った古着屋で、古い着物を継ぎ合わせたリバーシブルの巻きスカートを買う。店の女の子の手作りで、その場で採寸してボタンづけしてくれる。「いつかは消耗しますが、それまで大事に着てください」と取扱い説明書にも愛がある。

骨董屋が集まる一画でノスタルジーに浸る。家にゴロゴロしていた人形が8万円!ある野球選手のグッズ一式(グローブ、ユニフォーム、シューズなど)が50万円。知らない選手なので、50万の妥当性がわからない。これを買うのはどんな人だろう。人生にくじけそうになったとき、この選手の活躍に励まされ、今は会社の社長になったような人かもしれない。それにしても骨董の値段のつけ方は謎だ。

お茶をしたカフェの近くの古着屋で着物リメイクのカーディガンとワンピースを買う。こういうヘンな服は他ではなかなか出会えない。帰り際、『みそパン』が超有名な『アンゼリカ』に立ち寄る。行列がなくてラッキーと思ったら、ほとんど売り切れ。カレーパンと白玉あんパンをなんとか入手する。そんなこんなで、時間がいくらあっても足りない。クセになる街なのだ。

FMシアターはほとんど毎週聴いているのに、あおいちゃんのラジオドラマデビュー作『翔べない豚さん』を聞き逃す。不覚。

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