2009年10月28日(水)  「お前、結果出せよな!」と彼女が罵った相手

娘を保育園へ迎えに行く途中のこt。「お前、結果出せよな!」とドスのきいた女の人の声がした。物書きの癖で、こんなとき、瞬時に「このセリフは誰がどういうシチュエーションで発しているのか?」に思いをめぐらせてしまう。

声からして、女性は40代ぐらいか。
声はバス停前から聞こえてくる。
声が苛立っているのは、なかなかバスが来ないせいだろうか。
まさか、バスの運転手に毒づいているのか。
あるいは、移動中のキャリアウーマンが携帯電話で若い男の部下を叱りつけているのか。
いやいや、バリバリのキャリアウーマンはこんな住宅街のバス停でバスを待ったりしないか。
彼女は地元のママさんバレーチームのキャプテンで、部員を叱咤激励しているのかもしれない。
それとも、バス停でふて寝している野良犬への八つ当たりか……。

などと妄想しながら十メートルほど歩くうちに、女性のいるバス停まで来て、声の主とその相手の姿が目に入った。

そこには、うなだれる小学校低学年ぐらいの男の子がいた。「結果出せよな」と言われたのは彼で、言った女性は、その母親らしい。そのそばで、気まずそうにうつむいている小さな女の子は、男の子の妹だろうか。

何の結果を出せと叱りつけたのだろう。勉強か、少年野球か、運動会か、絵画コンクールか。あの言い方で彼は奮い立てただろうか。うなだれたまま萎縮してしまって、かえって結果が出せなくなったりしないだろうか。

保育園へ着くまで、「結果」の結果が気になってしまった。

自分の娘には、結果を焦るよりも過程を楽しんでほしいと願う。過程を楽しめたら、結果はついてくるのではないか。結果だけをいきなり出すのも難しかろう。

2008年10月28日(火)  シナトレ12 こじつけ解釈で発想を鍛える 
2006年10月28日(土)  田邊のおじさまの還暦音楽祭

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