最近映画関係者と話すと、必ずと言っていいほど米アカデミー賞の話が出る。昨日は『つみきのいえ』で短編アニメーション賞を受賞した制作会社ROBOT(ロボット)で打ち合わせ。授賞式に出向いた阿部社長も同席して、話題は自然と受賞の話になった。DVDや絵本がなかなか手に入らず、いくつもお店を回ってやっと手に入れた人の話。あちこちから押し寄せるように花が届いた話。おめでたい話は、聞いているほうもウキウキする。「オスカーって重いんですか?」と何気なく尋ねたら、「受付に置いてありますよ」と社長。「ああいうのは、こうするもんじゃないでしょ」と抱き込む仕草をして、「みんなに喜んでもらわないと」。
帰りに受付を見てみたら、見過ごしそうなほどさりげなく、訪問カードを記帳するカウンターにオスカー像が佇んでいた。こんなに小さいんだ、というのが第一印象。ワインのハーフボトルより少し大きいぐらい。フルボトルを痩せさせたような感じと言おうか。囲いも何もないので、訪問者が自由に手に取り、写真を撮っている。わたしも触らせてもらった。持ってみると、思いがけない重みに腕が驚く。新生児ぐらいはありそうな……と言うと大げさだけど、2キロぐらいあるように感じた。見た目からの予測重量とのギャップが重さを際立たせるのだろうか。受賞した本人には、ことさらずしりと響くだろうなと想像する。
撮った写真を日記にのっけようかと思ったら、「オスカー像の肖像権は米アカデミー賞協会にあり、厳重に管理されている」とのこと。オスカーさんの写真を載っけるには、許可がいるということらしい。そんなところにも重みを感じる。
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